国立病院機構熊本医療センター
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2017年度倫理審査委員会|国立病院機構熊本医療センター

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倫理審査委員会

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2017年度

第26回迅速審査(2018年3月29日)
No.802 申請者:外科医長 藏重淳二
課題名 門脈ガス・腸管気腫症の治療方針の検討
研究概要 急性腹症、特に腸管気腫症、門脈ガス症を伴うものや非閉塞性腸間膜虚血(NOMI)が疑われる症例について、治療の方針を決定するのは腸管壊死の有無である。当院において急性腸管虚血を疑った症例において、身体所見・血液検査所見・画像診断について後ろ向きにまとめ、手術を行うべき症例について検討を行った。
判定 承認
10回倫理審査委員会(2018年3月20日)
No.801 申請者:薬剤師 丸田基史
課題名 プロトコールに基づく薬物治療管理の効果の研究調査
研究概要 近年、医療の高度化や複雑化に伴う業務の増大により医療現場の疲弊が指摘され、医療の在り方が根本的に問われているところである。こうした現在の医療の在り方を大きく変え得る取組として、各医療スタッフが、各々の高い専門性を前提とし、目的と情報を共有し、業務を分担するとともに互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供する「チーム医療」に注目が集まっており、現に、様々な医療現場で「チーム医療」の実践が広まりつつある。平成22年4月30日付で厚生労働省医政局長通知(医政発0430第1号)「医療スタッフの協働、連携によるチーム医療の推進について」が発出され、チーム医療を推進している。この通知には薬剤師を積極的に活用することが可能な業務として9項目の業務例が記載されており、厚生労働省として関係法令(医療法、医師法、薬剤師法等)に照らした上で実施可能な薬剤師業務とされている。今回、国立病院機構熊本医療センターでは、患者に対して安全で最適な薬物療法を提供する目的で、主治医・薬剤師でプロトコールを作成し、当院の幹部会議にて承認されたプロトコールに基づく薬物治療管理(ProtocolbasedPhamacotherapyManagement:PBPM)を行い、当院でPBPMの効果を後方視的に検討する。
判定 承認
No.800 申請者:血液内科医長 河北敏郎
課題名 成人骨髄性血液悪性腫瘍に対する臍帯血移植におけるG-CSFpriming骨髄破壊的前治療の有効性に関するランダム化比較試験(臨床第Ⅲ相試験)
研究概要 臍帯血移植は国内の同種移植の約3分の1を占める主要な移植方法となっている。55歳以下の骨髄性血液悪性腫瘍に対しては全身放射線照射、シタラビン、シクロフォスファミドによる骨髄破壊的強化前治療を用いることで移植成績の向上期待できること、更にシタラビンにG-CSFを併用すること(priming)で生着促進や再発抑制に働く可能性があることが報告されてきたが、いずれも後方視的解析にとどまっていた。本研究によりG-CSF併用の有用性が示されれば、移植成績の向上とともに保険適応の拡大が期待される。
判定 承認
第25回迅速審査(2018年3月8日)
No.799 申請者:救命救急科医師 金子唯
課題名 熊本県防災ヘリのドクターヘリ的運用での現場補完活動の検討
研究概要 熊本県ドクターヘリは、ドクターヘリと防災ヘリの補完体制で運営されている。防災ヘリはドクターヘリ的運航であり、ドクターヘリと体制は異なる。
ドクターヘリの診療に関してはこれまでも数多くの報告があり、一定の知見が得られているものの防災ヘリのドクヘリ的診療についての知見は少ない。
熊本県防災ヘリは全国で有数のドクターヘリ的運航実績を持ち、その実績を検討することでより効果的な運行方法を検討する。
判定 承認
第24回迅速審査(2018年3月6日)
No.798 申請者:主任栄養士 北向由佳
課題名 血液疾患患者に対する食事支援の検討
研究概要 血液疾患患者では加療による消化器症状(嘔気嘔吐、味覚異常など)の出現や食欲不振による食事摂取量の低下を認めることが多い。長期の食事摂取量低下は低栄養を招くだけでなく、QOLの低下や計画的な治療を阻害する要因となる可能性がある。血液疾患患者の入院加療中における消化器症状や食事ニーズを把握し、食事支援のあり方について検討する。
判定 承認
No.797 申請者:臨床研究部長 日髙道弘
課題名 重症熱性血小板減少症候群(SFTSV感染症)患者を対象としたファビピラビルの臨床試験2017
研究概要 重症熱性血小板減少症候群と確定診断された患者、又はSFTSV感染症が強く疑われる患者を対象に、ファビピラビルを10~14日間経口投与し、その有効性及び安全性を検討する。主要評価項目は投与開始後28日間の患者生存率とする。
判定 承認
第23回迅速審査(2018年3月1日)
No.796 申請者:救急科医長 原田正公
課題名 院外心停止後患者に対する水素ガス吸入療法の有効性の検討
(第Ⅱ相試験:多施設介入研究)
研究概要 院外心停止後症候群の現状
病院外で心肺機能停止状態に陥る(院外心停止)は、総務省消防庁まとめによれば、年間10万人以上に発生している。
院外心停止後症候群に対する現在の治療
院外心停止後症候群に対する標準治療は、呼吸と循環の支持が主体となる。
水素吸入療法の可能性
近年、分子状水素ガス(以下、水素ガス)がこの虚血再灌流障害に対して有効と報告されている。
研究の目的
水素吸入療法による院外心停止後症候群の神経学的予後改善の検討。
判定 承認
第9回倫理審査委員会(2018年2月20日)
No.795 申請者:外科医長 藏重淳二
課題名 GISTの悪性度、薬剤耐性に関する多施設共同研究
研究概要 GIST(GastrointestinalStromalTumor)の悪性度やイマチニブの耐性に関与する遺伝子の発現を多数例でのGISTの臨床検体を用いて、その臨床病理学的検討を行い、バイオマーカーとしての意義を確立すると同時に、GISTの悪性度、イマチニブ耐性の分子生物学的メカニズムを解明する。
判定 承認
No.794 申請者:血液内科医長 榮達智
課題名 同種造血幹細胞移植後再発熱成人T細胞白血病・リンパ腫に対するレナリドミドの安全性と有効性に関する多施設共同前方視的観察研究
研究概要 再発・再熱ATLに対しての治療として、全身化学療法、局所放射線治療、同種移植が行われた場合、生存期間中央値は3.9か月と極めて予後不良であった。モガムリズマブ未投与例におけるCCR4陽性ATLの救援療法においてモガムリズマブ投与は比較的長期の生存が得られ現時点でのみなし標準治療と考えられる。近年再発又は再熱のATLに対してレナリドミドの安全性及び有効性を検討され26例中11例(42%)でobjectiveresponseを認め、生存期間中央値20.3か月であった。2017年3月再発・再熱ATLに対して適応拡大承認が得られ、今後標準療法の一つとなる可能性がある。本研究では同種造血幹細胞移植後再発・再熱成人T細胞白血病・リンパ腫(adultT-cellleukemia-lymphoma,ATL)に対するレナリドミド(レブラミド®、LEN)の安全性と有効性を調べる。
判定 承認
第22回迅速審査(2018年2月13日)
No.793 申請者:7階東病棟 吉村弥那子
課題名 処置を有する皮膚科患者の看護サマリーに関する意識調査
研究概要 急性期病院であるA病院の感覚器混合病棟(以下:B病棟と称す)は、月に120~140名の入院を受け入れ、在院日数は9~10日と短いため、入院中に創傷の治癒を完全に目指すことは困難であり、退院及び転院後の継続した治療が必要となる。継続した治療をするためには、看護サマリーに入院中の経過や処置内容、ADL、患者や家族の疾患の受け止め方などの具体的な情報が分かる記載をすることが大切である。
今回、平成29年1月~9月までの皮膚科入院患者の看護サマリーの中で継続看護に必要な情報をカテゴリー毎に分類し、監査表を用いて監査を行い、看護サマリーに筆媼情報が記載出来ているのか現状を把握したい。また、病棟看護師が看護サマリー記載時に重要視している項目とのズレが生じていないかアンケート調査を行う事で、今後、看護サマリーの改善を行うことができ、より充実した継続看護に繋がると考える。
判定 承認
第21回迅速審査(2018年2月1日)
No.792 申請者:皮膚科医長 牧野公治
課題名 薬剤血管外漏出に対するステロイド局注、及びそのクリティカルパスの有効性と問題点の検討
研究概要 従来より血管内に注射しようとした薬剤(とくに抗がん剤)が血管の外に漏れる「血管外漏出」が起きたときは、炎症を抑えるステロイドを局所に注射することが有効であると言われ、治療に使われてきました。一方で十分な科学的根拠がなく、反対意見も少なくありませんでした。そして最近、一部の抗がん剤が漏れたとき専用の治療薬も発売されました。また当院では患者様の救命のために必要であるが、血管から漏れると皮膚が損傷しやすい薬剤の使用頻度が多く、その血管外漏出対策は重要な課題でした。
2012年10月から当院では「血管外漏出クリティカルパス」を作成し、薬剤が漏れた部位にステロイド、局所麻酔薬などを速やかに注射し、ステロイド軟膏と湿布を行いながら経過を見るという一連の手順を一括指示できるようにしました。また先述の抗がん剤血管外漏出治療薬が保健適応になったのに伴い、改訂も行ないました。パスの運用を開始して丸5年が経過したので、その有効性や問題点を再検討する観察研究を行い、今後の治療の質の改善に役立てたいと思います。
判定 承認
No.791 申請者:皮膚科医長 牧野公治
課題名 蜂巣炎における圧迫療法併用の有効性について
研究概要 下肢の皮膚細菌感染症「蜂巣炎」では、足から心臓に戻る血流がとどこおる「下肢静脈うっ滞」がリスク因子の1つであることが知られています。その重要の治療法の1つに包帯やサポーターで下肢を圧迫する「圧迫療法」があります。以前は蜂巣炎を起こしているときは圧迫療法を行っていませんでしたが、リンパの流れの滞りから細菌感染が血管に及ぶことや血流に問題があると局所の抵抗力が下がることが報告されており、むしろ細菌感染の悪化防止につながるのではないかと考えられます。そこで蜂巣炎における圧迫療法の有用性を検討するため、観察研究を計画しました。
判定 承認
第8回倫理審査委員会(2018年1月16日)
No.790 申請者:病理診断科部長 村山寿彦
課題名 院内がん登録・DPCデータと病理・放射線診断情報のデータの一元化と活用に関する研究
研究概要 平成19年4月よりがん対策基本法が施行され、重点課題のひとつにがん診療の均てん化の促進が挙げられており、がん医療に関する情報の収集及び提供を行う体制を整備することの必要性が記されている。院内がん登録はがん診療拠点病院において、その実施が指定要件として義務化され、その蓄積データより、がん患者の診断日、がんの部位・病理組織型、臨床・病理ステージなどの基本情報と、診療報酬請求情報(DPC)をリンクするなどして患者の診療内容を研究することが可能となった。しかし、均てん化の推進のためには病理診断や放射線診断などを含む専門家育成とともに診療実態の把握の検討を行う事が必要である。
本研究では、この院内がん登録・DPCのデータベースに放射線画像、病理診断情報の突合による新たなデータベースの構築を行い、臨床への活用モデルの提示を目標としている。
本研究で構築されるデータベースを活用、解析することで人材育成、実態把握の両方に貢献が期待できる。
判定 承認
No.789 申請者:外科 水元孝郎
課題名 総合失調症にて入院加療中でS字結腸結腸捻転を繰り返す症例に対する外科的手術についての倫理的審査
研究概要 総合失調症にて入院加療中でS字結腸結腸捻転を繰り返す症例に対する外科的手術についての医学的、法規的、倫理的な検討を目的とする
判定 承認
No.788 申請者:腫瘍内科医長 榮達智
課題名 標準治療に不応・不耐の切除不能進行・再発大腸がんに対するTFTD(ロンサーフ®)+Bevacizumab併用療法のRAS遺伝子変異有無別の有効性と安全性を確認する
研究概要 5-FU系薬剤/Oxaliplatin/Irinotecan/抗EGFR抗体(RAS遺伝子野生型の場合)に不応・不耐、Bevacizumab、Ramucirumab、Afliberceptいずれかに不応・不耐(Bevacizumab不耐例は除く)、Regorafenib/TFTD未投与の切除不能進行・再発大腸癌を対象とし、RAS遺伝子野生型、変異型におけるTFTD+Bevacizumab併用療法の有効性と安全性を検討する。
判定  
No.787 申請者:腫瘍内科医長 榮達智
課題名 切除不能・再発膵癌に対するゲムシタビン+ナブパクリタキセル療法およびFOLFINOX療法に関する多施設共同後方視的研究
研究概要 切除不能・再発膵癌に対するゲムシタビン+ナブパクリタキセル療法(GnP)およびFOLFINOX療法(FFX)の治療成績を調査する。
判定 承認
第20回迅速審査(2018年1月9日)
No.786 申請者:診療情報管理士 園田美樹
課題名 業務環境改善のためのドクター秘書アンケート
研究概要 ドクター秘書は部門として管理しているが、日常業務の指揮命令系統は各診療科医長である。各診療科毎に業務を遂行しているため、個人が抱える問題点を明らかにすることができないため、改善に繋げることができていない。
ドクター穂書は1.5-3か月の基礎研修後診療科配置となり、診療科の医師や先輩ドクター秘書による研修を行っている。採用前の実務経験や個人の能力差はあるが当院で実務が出来るようになるまでに多くの時間を要している。
業務環境の問題点を把握し改善すること、および時間をかけて大切に教育を行い実務経験を重ねた人材の離職を防止することを目的としている。
判定 承認
第19回迅速審査(2017年12月22日)
No.785 申請者:6階北病棟看護師 森實希美
課題名 「わたしの記録」を用いた苦痛のスクリーニングシステムに関するアンケート調査
研究概要 平成29年3月から緩和ケアの対象者に対して「わたしの記録」を用いた苦痛のスクリーニングが導入された。9か月経過し、実際に活用した看護師から苦痛のスクリーニングシステムの認知度、実施状況、有効性など現状の把握と今後の問題点をアンケートをもとに明らかにしたい。
判定 承認
No.784 申請者:臨床研究部長 日髙道弘
課題名 重症熱性血小板減少症候群(SFTSV感染症)患者を対象としたファビピラビルの臨床試験2017
研究概要 重症熱性血小板減少症候群と確定診断された患者、又はSFTSV感染症が強く疑われる患者を対象に、ファビピラビルを10~14日間経口投与し、その有効性及び安全性を検討する。主要評価項目は投与開始後28日間の患者生存率とする。
判定 承認
第7回倫理審査委員会(2017年12月19日)
No.783 申請者:外科医長 水元孝郎
課題名 肝内胆管癌における癌関連線維芽細胞と癌細胞の増殖・浸潤の関連性に関する多施設共同研究
研究概要 肝内胆管癌(ICC)は患者予後の悪い難治癌であり、有効性の確立された化学療法も2レジメと限定されている。その発癌・浸潤・転移の分子生物学的機序に関しては、まだ不明な点が多く、ICC患者の予後向上のために、新しい治療に結びつく分子生物学的機序の解明は喫緊の課題である。
昨今、癌細胞の増殖・進展とCAFの関連性が報告されており、ICCは癌間質に富む癌であることから、ICCにおいてもCAFと癌細胞との関連性の研究は、新たな治療法の開発につながる可能性がある。ICCのCAFの老化をCaveolin-1蛋白の免疫組織化学染色で評価をし、Caveolin-1蛋白の高発現は予後不良となる可能性が得られたことを踏まえ、多施設共同研究として、ICC初回切除巣において老化をはじめとしたCAFにおける遺伝子および蛋白の発現と癌細胞の増殖・浸潤との関連性を検討する。
判定 承認
No.782 申請者:小児科医師 緒方美佳
課題名 小児喘息患者への薬剤師と連携した吸入指導介入
研究概要 喘息の基本病態は慢性の気道炎症と気道過敏性とされ、発作時ではなく発作を起こさせないための長期管理治療が基本とされる。
その中心は吸入ステロイドであるが、慢性疾患で長期継続が必要であり、アドヒアランスが低下しがちで、怠薬や不適切な吸入手技にて発作を起こす児は珍しくない。
喘息はcommondiseaseであるが、当県の日本アレルギー学会専門医は39名(小児科医は10名)で、非専門医であるかかりつけ医にて治療を受ける児がほとんどである。このような中、忙しい外来の短い診療時間の中で、医師による充分な吸入指導を受けられるとは考えにくい。
近年、小児は勿論、成人喘息においても、現状では処方と吸入の回数・時間の説明程度にとどまっている薬剤師による吸入指導への介入の重要性が指摘されはじめている。
判定 承認
No.781 申請者:循環器内科部長 藤本和輝
課題名 悪性腫瘍と動脈硬化疾患との併存に関する調査
研究概要 日本人の三大死因は悪性腫瘍、心疾患、脳血管疾患であり、高齢化社会の進展に伴い、それらの疾患群を診療する機会は増加する傾向にある。心筋梗塞、狭心症、末梢動脈疾患、動脈瘤、脳梗塞など生活習慣病由来の動脈硬化疾患は相対立するものではなく併存していることもよく見られ、複雑疾患の多い大学病院では特にその傾向が強く治療の優先順位に苦慮することがある。悪性腫瘍に対する化学療法において薬剤の心筋障害などの研究を中心にonco-cardiologyが発展してきたが、当科では悪性腫瘍と虚血性心疾患の関連を冠動脈石灰化の視点から報告している(IntJCardiol.2016)。現時点において悪性腫瘍と動脈硬化疾患との関連についてはその併存率や関連などについては十分解明されていない。今回当院において動脈硬化を扱う診療科ならびに悪性腫瘍を扱う診療科にてこれらを調べることで、新しいCardio-Oncologyのさきがけとなりうることが期待される。
判定 承認
No.780 申請者:循環器内科部長 藤本和輝
課題名 レセプトおよびDPCデータを用いた心疾患における医療出方法の確立の質に関する研究
研究概要 レセプト、特定健診、DPCの情報を、熊本県急性心筋梗塞登録データベースの発症、診療情報のデータベースの情報と中核都市型医療圏における急性心筋梗塞診療、救急体制の実態調査を収集した地域医療機関、循環器発症、予後などの情報と組み合わせることにより、急性心筋梗塞、重症心不全の救急診療に関する大規模データベースを構築し、1)救急搬送時間の予後への影響、2)プロセス及びアウトカム指標による医療の質評価、3)医療費への影響を定量的に評価する。
判定 承認
第18回迅速審査(2017年12月14日)
No.779 申請者:5階西病棟看護師 守永富士美
課題名 尿路変更術後患者の退院後のストーマ管理の現状と問題を明らかにする。
研究概要 当院の泌尿器科では年間約20例以上の尿路変更術を行っており、全国的に見ても、比較的多い手術数と言える。尿路変更術を受けた患者(以下オストメイト)は、手術を境にストーマがある生活が始まり、精神的、社会的負担は大きいと言える。
オストメイトの負担を軽減しそれまでのQOLにより近いものにするためには、退院後もストーマ外来や患者会で継続的に支援していくことが大切であると考える。当院では、ストーマ外来や、オストメイトを対象とした「ひまわり会」という患者会がその役割を担っている。「ひまわり会」は、年2回開催され、泌尿器医師の講義や、装具業者からの装具に関しての質疑応答等、患者間でのコミュニケーションを深める場となっている。しかし、病棟スタッフ全員が退院後の患者と関われていないことや、退院後のトラブル、悩み等を十分に把握できていない状況にある。そのため、今回ひまわり会の場を活用し、オストメイトを対象に退院後のストーマ管理について困った点や、対処方法の実際を話合ってもらうことで、オストメイトが退院後にどのような不安や悩みを抱え、どのように解決を図っているのかを明らかにしたいと考えた。
判定 承認
No.778 申請者:6階東病棟看護師 仮屋有加
課題名 A病棟で手術待機している家族の不安や想いについての実態調査
~対応手順を用いた介護介入を行って~
研究概要 A病棟では2年前の先行研究で、手術中待機している家族(以下、待機家族)への対応について手順を作成(以下、対応手順)し、その手順を用いた看護師の看護介入について分析した。分析の結果、対応手順を用いた術中訪問(病棟看護師が待機家族へ訪問すること)により、良い結果以上に課題が残る結果も得られた。待機家族は不安な時を過ごし、極めてストレスの高い状況であると報告されている。A病棟でも家族が手術の進歩状況や手術時間などを看護師に聞いている様子や不安が見受けられる様子がある。今回、手術中の待機家族に対応手順に沿った看護介入を行い、待機家族の不安の軽減に繋がったか明らかにしたいと考えた。
判定 承認
No.777 申請者:ICU看護師 一浦成美
課題名 人工呼吸器管理を受けた患者が体験した苦痛の実態調査
研究概要 人工呼吸器管理を受けた患者が体験した苦痛を明らかにする
判定 承認
No.776 申請者:CCU看護師 高見英理
課題名 CCU入室患者における亜症候性せん妄からせん妄へ進展する要因の検証
研究概要 当院CCUでは平成28年2月からせん妄のモニタリングツールとして、鎮静中の患者などに対しても客観的視点で評価でき、亜症候性せん妄の判定が可能であるIntensiveCareDeliriumScreeningChecklist(以下ICDSCと略す)を導入した。ICDSCは①意識レベルの変化、②注意力欠如、③失見当識、④幻覚・妄想・精神障害、⑤精神運動的な興奮あるいは遅滞、⑥不適切な会話あるいは情緒、⑦睡眠/覚醒サイクルの障害、⑧症状の変動の8項目を各1点とし、明らかな兆候がある場合に点数化し、合計最高点は8点となる評価スケールである。
亜症候性せん妄状態からせん妄へ進展した患者としなかった患者の背景を分析することで、要因が明らかになり、せん妄進展への予防的介入に繋がるのではないかと考え、当研究に取り組みたい。
判定 承認
No.775 申請者:手術室看護師 松本彩子
課題名 皮膚保湿クリームを用いた用手除圧の検討~右下頭低位となる手術体位~
研究概要 大腸がんの発生には、遺伝子因子よりも環境的因子の比重が大きいと考えられており、食生活の急激な欧米化、特に動物性脂肪やタンパク質の取りすぎが原因ではないかと言われている。
現在、腹腔鏡下で行うS状結腸や直腸切除術は手術中操作しやすいように術野を調整するため、右下頭低位となる体位で手術を行っている。右下頭低位における体位固定時には、右側胸腹部と右上肢の間には特殊ウレタンマットレス(以下、商品名ソフトナースピンク)、右上肢と上肢巻き込み用の板の間に特殊ウレタンマットレス(以下、商品名ソフトナースイエローピンク)を使用し固定を行っている。
当院の皮膚排泄ケア認定看護師へ相談し、圧がかかるろことに皮膚保湿クリーム(以下、商品名プロペト)を塗布することで用手除圧がスムーズにおこなえて、結果皮膚トラブルの軽減につながるのではないかと助言をもらった。先行研究においても、除圧のために皮膚保湿クリームを塗布することで術後の皮膚の発赤や腫脹が軽減したことが明らかになっている。そのため、当院手術室に常備しており、油脂性の製材で水分を通しにくく、皮膚の保湿や保護に有効であるプロペトを使用して効果的な除圧を行うことにより疼痛の軽減が期待されるのではないかと考え、今回、右下頭低位となる腹腔鏡下症例で、右頚部から右上肢にかけてプロペトを塗布し、十分に用手除圧をすることが右頸部・右肩・右上肢の疼痛の訴えの軽減に有効であるのかを明らかにする。
判定 承認
第17回迅速審査(2017年12月1日)
No.774 申請者:腎臓内科医長 梶原健吾
課題名 慢性腎臓病G4患者における高尿酸血症に対する強化療法の腎機能への効果
研究概要 慢性腎臓病(CKD)G4(CKD診療ガイド2009ではCKDステージⅣ)患者に対しフェブキソスタットを投与することにより、高尿酸血症を改善することがその後の腎障害の抑制につながるかどうかを検証する。これにより、腎障害を持つ患者のための新しい治療戦略に対する知見が得られることが期待される。
判定 承認
No.773 申請者:循環器内科部長 藤本和輝
課題名 簡便な新規心血管イベント予知マーカーによる効率的なハイリスク患者抽出方法の確立
研究概要 近年、静脈血栓塞栓症(VTE)に対する新しい抗凝固薬が続々開発され、わが国でもX慢性腎臓病(CKD)は、本邦の約1300万人、成人の8人に一人が羅患する21世紀の新たな国民病であり、心血管疾患のハイリスク病態である。しかしながら、限りある医療資源を有効活用するためには、膨大な数のCKD患者全体ではなく、真のハイリスク群のみを抽出して先制医療を行う必要がある。
本研究の目的は、sFlt-1(およびその他の有力なバイオマーカー)がCKD(あるいは危険因子)を有する患者における心血管イベント予知マーカーになりうるかどうかを、国立病院機構のネットワークを生かした多施設共同前向きコホート研究で確認し、これらの患者から真のハイリスク患者を最も効率よく抽出する方法を確立することである。
判定 承認
第16回迅速審査(2018年11月21日)
No.772 申請者:副薬剤部長 鶴﨑泰史
課題名 病棟薬剤業務での疑義照会による有害事象回避事例件数の推移に関する多施設共同前向き観察研究(副題)有害事象回避事例率と病棟薬剤業務の成熟度の相関について
研究概要 薬剤師の病棟薬剤業務では、医療安全の向上に寄与する目的で、各施設において種々の取り組みが行われている。特に疑義照会は、医薬品のリスクを回避するための重要な手段であり、病棟薬剤業務より疑義照会件数と有害事象回避事例(禁忌、副作用、容量超過、重複等)件数が増加することが報告している。また、日常業務の中で情報共有することは医療安全及び業務の質を向上させることは周知の事実であり、斉藤らはインシデント事例等を情報共有することでインシデントレベルの高い事例の比率を低下させ安全対策の改善と意識の向上につながったと報告している。しかしながら、病棟薬剤業務の質の向上に資する方法は、施設内での勉強会、地域ごとの薬剤師同士の研修会及び学術に資する学会、論文による情報共有といったものであり、現場規模での多施設における業務内容の共有にて質の向上を図った報告はない。そこで多施設共同で病棟薬剤業務の要因情報の共有が、疑義照会および有害事象回避事例件数増加につながることを立証する。結果、情報を共有することにより病棟薬剤業務の質が向上し、患者の薬学的管理と処方提案を的確に実施できる上、有害事象等の危険を回避、医薬品の適正使用の推進を図ることが可能となる。また、併せて疑義照会及び優良事例件数増加に伴う病棟薬剤業務実施背景についても調査を行い、今後、実施加算を取得する施設や現在取得している施設の業務改善の一助となる因子について検討する。
判定 承認
第15回迅速審査(2017年11月16日)
No.771 申請者:7階西病棟看護師 井上彩
課題名 認知症患者の睡眠障害に対するタクティールケアの有効性の検証
~日中にタクティールケアを行って~
研究概要 当病棟の入院患者の特徴として、壮年期から老年期にある患者が大半を占めており、後期高齢者の割合も多い。高齢者の場合は疾患による身体的苦痛に加え、治療の必要性が十分に理解できないことでの精神的苦痛があり、緊急入院や環境の変化に適応できずにせん妄症状の出現や認知症症状が悪化することがある。生活リズムを整えるために日中の離床に努めているが、積極的治療が目的の患者の看護に追われて認知症患者に寄り添ったケアが十分にできているとは言い難い看護の現状がある。また、夜間の睡眠障害に対しては薬物療法による症状コントロールに頼っている現状もある。看護師として認知症患者の睡眠障害改善のためにできるケアを調べたところ病棟で実施できるケアとしてタクティールケアがあり、先行研究では日中にタクティールケアを行うことで認知症患者の心理的負担を軽減することができたということ・睡眠前にタクティールケアを行うことで睡眠状態の改善がみられたとの報告がある。そのため、今回は認知症患者に対して日中に行うタクティールケアが睡眠障害の改善に繋げることができるのか明らかにすることを目的として本研究に取り組みたい。
判定 承認
No.770 申請者:7階北病棟看護師 出雲優
課題名 脳卒中患者の機能性尿失禁への関わり
~排尿障害患者対応シートを作成した効果~
研究概要 排尿障害患者対応シートを作成し、脳卒中患者の機能性尿失禁に対して活用することで尿失禁の改善の効果を明らかにする。
判定 承認
No.769 申請者:7階南病棟看護師 御家茄奈美
課題名 精神看護学実習における患者-学生関係の理解
~ロールプレイング法を用いて~
研究概要 看護学生に対してロールプレイング法を用いた患者との人間関係を再構成し具体的な関わり方についての学びを深めることで学生の不安を軽減させ患者理解の向上を図る事が出来るか明らかにする。
判定 承認
第14回迅速審査(2017年10月17日)
No.768 申請者:救急科医長 原田正公
課題名 救急外来患者におけるバイタルサインによる死亡予測モデルの開発
研究概要 2016年に発表された「敗血症および敗血症性ショックの国際コンセンサス定義第3版(SEPSIS-3)において、ICU外における敗血症患者のスクリーニングのためのquickSequentialOrganFailureAssessment(qSOFA)scoreが提唱された。qSOFAscoreは「収縮期血圧≦100mmHg」「呼吸数≧22/分」「意識障害」の3つの要素より構成されたシンプルなスコアで、ICU外で感染症が疑われた患者の死亡予測モデルとしては、従来から存在するSIRS診断基準(「体温<36℃/>38℃」「心拍数>90bpm」「呼吸数>20/分」「白血球<4000/uL/>12000/uL」の4つより構成)やより複雑なSOFAスコア(「Pa02/Fi02比」「血小板数」「総ビリルビン値」「血圧」「GlasgowComaScale」「Crea値/尿量」の5つをそれぞれ0-5点の点数で評価した合計点)を上回ると報告された。
忙しい救急外来ではこのqSOFAやSIRS診断基準などのシンプルなスコアが非常に有用であるが、ShockIndex(SI)も従来から主に出血性ショック患者に使用されていたシンプルなスコアの1つである。Singerらは、救急外来患者におけるqSOFAが感染症の有無にかかわらず有用であることを報告したが、これらのスコアを救急外来で比較検討した研究はない。
本研究の目的は2つである。1つ目は、救急外来患者において、qSOFAscore、SIRS診断基準、SIを比較検討し、さらに有用なスコアについて検討すること、2つ目は、新しく作成したスコアも含めて妥当性を検証することである。
判定 承認
第6回倫理審査委員会(2017年10月17日)
No.767 申請者:消化器内科部長 杉和洋
課題名 肝硬変患者の予後を含めた実態を把握するための研究
研究概要 慢性肝疾患患者における肝硬変患者の頻度、慢性肝炎から肝硬変への進展率、肝硬変患者の生命予後とChild-Pugh分類の移行度を明らかにする。
判定 承認
No.766 申請者:診療放射線技師 尾崎槙哉
課題名 2Dトラッキングを利用したPPP仮想透視画像作成の検討
研究概要 平成29年4月より、当院では新しい血管造影装置が稼働している。この装置は、CTのボリュームデータから作成したIVR手技支援画像とCアーム回転角度連携、テーブル位置連携が可能である。近年の救急IVRでは、これら機能を利用するPPP(pre-proceduralplanning)が活用され、より確実で迅速なIVR手技が行われる。
当院では、目的血管までの血管走行トレースラインを表示するPPP仮想透視画像を作成している。今回、ワークステーション装置の2Dトラッキング機能を利用して、より迅速に作成することを目的とする。
判定 承認
第13回迅速審査(2017年9月28日)
No.764 申請者:救急科医長 原田正公
課題名 院外心停止後患者に対する水素ガス吸入療法の有効性の検討(第Ⅱ相試験:多施設介入研究)
研究概要 水素吸入療法による院外心停止後症候群の神経学的予後改善の検討
判定 承認
第12回迅速審査(2017年9月28日)
No.763 申請者:薬剤部調剤主任 横田千明
課題名 シスプラチン投与時の腎機能障害のリスク因子の解析;多施設共同後ろ向き観察研究
研究概要 シスプラチンは多くの癌腫において頻用される抗悪性腫瘍薬の一つである。シスプラチンによる副作用として、悪心・嘔吐、骨髄抑制、腎機能障害といった副作用があるが、中でも腎機能障害は重大な副作用として位置づけられ、用量規制因子の一つとなっている。
シスプラチンによる腎機能障害の予防法として水分負荷や利尿薬の投与などが一般的に行われるが、確立されたものはなく、各施設でその方法は異なる。また、このような予防法を用いても腎機能が発現し、治療の変更・中止を余儀なくされる症例も認められる。
これまでシスプラチンによる腎機能障害に対して、発現状況やリスクとなる因子について多施設で検討した報告はない。
本研究では、腎機能障害の発現状況を多施設共同で後方視的に調査し、リスク因子を明らかにすることを目的とする。腎機能障害の発現状況を調査し、リスク因子を明らかにすることで、予防法の標準化、最適化につながり、患者ケアの質の向上、医療安全への貢献にもつながることが期待される。
判定 承認
第5回倫理審査委員会審議(2017年9月19日)
No.762 申請者:眼科医長 筒井順一郎
課題名 5フルオロウラシルの点眼による各結膜上皮内癌の治療
研究概要 各結膜に発症する上皮内癌(conjunctivalandcornealintraepithelialneoplasia:CIN)は結膜輪部近傍に好発する低悪性度の腫瘍である。肉眼的には火焔状の新生血管を伴う灰白色半透明の扁平ないし乳頭様隆起が特徴的であるが、正常結膜との境界の鑑別は困難であることが多い。
CINの治療には従来、腫瘍切除、冷凍凝固、放射線治療が行われている。中でも腫瘍切除が主に行われるが、再発率が高く、また瘢痕や癒着形成、輪部機能の損傷による角膜上皮形成不全等の合併症が問題となっている。
近年、抗癌剤である5フルオロウラシル(5-fluorouracil:5FU)、マイトマイシンC、或いはインターフェロンを点眼薬とした治療が行われ、その有用性の報告がある。
今申請では、CIN切除術後に再発を生じた症例に、5FUの点眼治療を行うことを目的としている。
判定 承認
No.761 申請者:腎臓内科医長 梶原健吾
課題名 腎疾患における原因遺伝子の検索
研究概要 小児の難治性腎疾患では、遺伝子異常を原因とする割合がきわめて高く、その多くは遺伝子診断による確定診断を要する。本研究の目的は、腎疾患に関わる遺伝子の変異とその機能を検討することにより、遺伝性腎疾患を有する患者および家族の診療と、遺伝性腎疾患の研究の進展に貢献することである。具体的には以下の内容により、疾患成立機序の解明、現行治療法の適正化、新規治療法の開発、疾患予後の予測、遺伝相談の実施に寄与することを目指す。
1)臨床診断された既知の疾患では、多数の症例において遺伝子型-表現型解析を行い、疾患臨床像、疾患予後、治療効果の判定を行う。
2)正確な臨床診断が困難な不完全型の既知の疾患では、候補遺伝子解析で正確な診断を行い、遺伝子型-表現型解析を行う。
3)女性X染色体連鎖型遺伝性腎疾患患者においては臨床的重症度とX染色体の不活性化の偏りの相関について解析を行う。
本研究では難治性腎疾患患者もしくはその家族の末梢血あるいは尿、唾液、腎生検検体の残余物からDNA、mRNAを抽出し、臨床診断で異常を疑われた遺伝子を解析してその異常を同定する。
判定 承認
No.760 申請者:腎臓内科医長 梶原健吾
課題名 末期腎不全患者に対する動脈表在化手術の有効性に関する研究
研究概要 日本では糖尿病性腎症の増加や高齢者の増加により年々、血液透析患者が増加傾向である。
血液透析にはバスキュラーアクセス(透析を行うための血液経路)が必要である。我が国には昔から、シャント作製が困難な症例に動脈表在化という手術が行われてきた。具体的には手に虚血がありシャント作製すれば増悪が予想される患者、重篤な心不全によりシャント作製すれば心不全増悪の可能性がある患者、中心静脈病変による静脈高血圧症にて内シャント作製が困難な患者、適切な血管がなくシャント不全のリスク患者、等に対してである。しかし、海外での報告はほとんどなく、多施設での報告は未だに無いのが現状である。
今回、手術の成果と合併症、開存率等を調査する。
判定 承認
No.759 申請者:救急科医長 原田正公
課題名 院外心停止後患者に対する水素ガス吸入療法の有効性の検討(第Ⅱ相試験:多施設介入研究)
研究概要 水素吸入療法による院外心停止後症候群の神経学的予後改善の検討
判定 承認
No.758 申請者:血液内科医長 原田奈穂子
課題名 血液凝固異常症全国調査
研究概要 日本における血液凝固異常症の病態を把握するための調査が、厚生労働省により平成13年度に事業化され、「血液凝固異常症全国調査」と命名された。この調査は血液凝固異常症の病態を把握し、その治療の向上と生活の質の向上に寄与することを目的としている。
判定 承認
No.757 申請者:血液内科医長 河北敏郎
課題名 HLA1座不適合非血縁間骨髄移植における従来型GVHD予防法と抗ヒト胸腺細胞免疫グロブリン併用GVHD予防法の無作為割付比較試験
研究概要 同種造血幹細胞移植のドナーとしてHLA完全一致の血縁あるいは骨髄バンクが最も望ましいが、移植年齢の高齢化や少子化から理想的なドナーが得られる患者は少ない。代替ドナーとしてHLA一座不一致の骨髄バンクドナーは得られることが多いが、移植片対宿主病(GVHD)が重症化するリスクが高い点が問題となる。抗ヒト胸腺細胞免疫グロブリン(サイモグロブリン®)はGVHDの抑制に有効な薬剤だが、感染症のリスクを増加させる可能性もあり、投与の有用性や至適投与量は明らかにされていない。
本試験ではHLA1座不適合非血縁者間骨髄移植における、タクロリムス・メトトレキサートによる従来型GVHD予防法とタクロリムス・メトトレキサートにサイモグロブリン®を併用したGVHD予防法の治療成功率を無作為割付試験によって検討し、併用の有用性を評価することを目的とする。
判定 承認
No.756 申請者:循環器内科医長 松川将三
課題名 急性心筋梗塞患者を対象とした炎症マーカーMMPsに対するロスバスタチンの用量比較試験
研究概要 Acutemyocardialinfarction(AMI)の患者を対象に、承認用量のロスバスタチンと低用量のロスバスタチンが炎症マーカー(MMP2、MMP9、IL-6、PTX3)へ与える効果の違いを比較検討する。
判定 承認
第11回迅速審査(2017年9月14日)
No.755 申請者:7階西病棟看護師 本田華子
課題名 胃腹水貯留に伴う腹部膨満感を軽減するための症状マネージメントの研究-ISAMを活用して-
研究概要 当病棟は消化器内科病棟であり、肝硬変や肝がんなどにより腹水貯留を来している患者が多い。CART(腹水濾過濃縮再静注法)や利尿剤の内服を行っているが、再貯留を来しやすく、腹部膨満による張りや食欲低下、倦怠感、呼吸困難感、便秘など様々な苦痛を感じている。腹水貯留による苦痛に対する看護介入の研究は少なく、ケアの糸口がつかめない現状があり、当病棟でも腹部膨満感のケアに対しては体位の工夫などしかできておらず、スタッフが困難だと感じている。腹部膨満感と一概に言っても、「腹部が張っている」という主観的な不快な感覚であり、看護師の観察ポイントやアセスメントにもばらつきがある。そこで、成人のがん研究においては、患者のセルフケアを促し症状マネジメントを行う方法が多く報告され、特にISAM(症状マネジメントの統合アプローチ)のモデルを用いた介入研究は様々な症状に対して取り組まれ、その有用性が明らかにされている。そのためISAMを用いた腹水による腹部膨満感の症状マネジメントの方法を理解・実践することで、患者の症状緩和・QOLの向上に繋げることができると考えた。
判定 承認
第10回迅速審査(2017年8月16日)
No.754 申請者:臨床研究部長 芳賀克夫
課題名 胃癌による胃出口狭窄症に対する治療法の実態調査
研究概要 胃癌による胃出口狭窄症に対する我が国の治療実態と各治療法の有効性、安全性及び治療予後因子を検討する。
判定 承認
第9回迅速審査(2017年8月2日)
No.753 申請者:救急科医長 原田正公
課題名 救急外来患者におけるバイタルサインによる死亡予測モデルの開発
研究概要 2016年に発表された「敗血症および敗血症性ショックの国際コンセンサス定義第3版(SEPSIS-3)において、ICU外における敗血症患者のスクリーニングのためのquickSequentialOrganFailureAssessment(qSOFA)scoreが提唱された。qSOFAscoreは「収縮期血圧≦100mmHg」「呼吸数≧22/分」「意識障害」の3つの要素より構成されたシンプルなスコアで、ICU外で感染症が疑われた患者の死亡予測モデルとしては、従来から存在するSIRS診断基準(「体温<36℃/>38℃」「心拍数>90bpm」「呼吸数>20/分」「白血球<4000/uL/>12000/uL」の4つより構成)やより複雑なSOFAscore(「Pa02/Fi02比」「血小板数」「総ビリルビン値」「血圧」「GlasgowComaScale」「Crea値/尿量」の5つをそれぞれ0-5点の点数で評価した合計点)を上回ると報告された。
忙しい救急外来ではこのqSOFAやSIRS診断基準などのシンプルなスコアが非常に有用であるが、ShockIndex(SI)も従来から主に出血性ショック患者に使用されていたシンプルなスコアの1つである。SingerAJらは、救急外来患者におけるqSOFAが感染症の有無にかかわらず有用であることを報告したが、これらのスコアを救急外来で比較検討した研究はない。
本研究の目的は2つである。1つ目は、救急外来患者において、qSOFAscore、SIRS診断基準、SIを比較検討し、さらに有用なスコアについて検討すること、2つ目は、新しく作成したスコアも含めて妥当性を検証することである。
判定 承認
No.752 申請者:救急科医長 原田正公
課題名 救急初療室における敗血症診断
SPICE(SepsisPrognosticationinIntensiveCareunitandEmergencyroom)
(日本救急医学会主導研究)
研究概要 感染症が疑われる患者の初期診療において、患者の初期情報からその患者が全身性の反応を生じ生命の危機が生じうるのか、すなわち敗血症と判断しうるかどうか、この20年間に様々な取り組みがなされてきた。1992年に敗血症は感染に起因する全身性炎症反応症候群(systemicinflammatoryresponsesyndrome,SIRS)と定義された。この定義は2001年に開催された敗血症医に深い関わりを持つ5学会合同会議でも踏襲され今日まで使用されてきている。しかし、SIRSが感染症/非感染性生体侵襲に対する非特異的反応(自然免疫炎症反応)のため、敗血症診断における特異性の低さが問題となり、2016年にSIRSを除外しSequentialOrganFailureAssessment(SOFA)スコアを組み入れた新しい敗血症の定義および診断基準が提唱された。
本研究は救急初療室EmergencyRoom(ER)を受診し担当医が感染症疑いと判断した患者に対して、感染症を疑った時点での情報に基づくqSOFAスコアとSIRSスコアを比較し、敗血症初期診療のより良い指標を前向き検討で明らかにすることを目的とした。
判定 承認
No.751 申請者:救急科医長 原田正公
課題名 侵襲性肺炎球菌感染症患者の脾臓のサイズに関する検討
研究概要 脾臓摘出後重症感染症は広く知られているが、その中でも肺炎球菌感染のリスクが圧倒的に高い。一方で脾臓摘出後でなくても、脾臓低形成患者における侵襲性肺炎球菌感染症の報告は散見される。
本研究の目的は侵襲性肺炎球菌感染症に羅患した患者の脾臓のサイズに着目し、在院死亡率との検討を行うことである。
判定 承認
No.750 申請者:病理診断科部長 村山寿彦
課題名 AI等の利活用を見据えた病理組織デジタル画像(WSI)の収集基盤整備と病理支援システム開発(16930375)
研究概要 人工知能(ArtificialIntelligence:AI)の利活用の一環として、病理組織デジタル画像(Pathology-WholeSlideImaging:P-WSI;バーチャルスキャナーという特殊装置で取り込んだ病理デジタル画像)のビッグデータを収集・集約し、これを活用して病理医人材育成のための病理診断精度管理ツール、病理診断支援ツールを開発する。同時に、アーカイブ化事業によりAI利活用のための「P-WSI正解ビッグデータ」を作製し、深層学習を活用した病理診断支援ツールの開発を行う。将来的には、P-WSIを「新規に」自動収集し、必要機器の維持管理、更新が可能となるような(診療報酬面からも)自律性・持続性を備えたシステムを構築・開発する必要がある。このための「地域基盤・循環型病理診断相互支援型モデルの実証研究」を、すでに相互支援システムが運用されている2拠点で実施し、今後継続的に運用可能な「自立支援型モデル」を確立する。
判定 承認
第4回倫理審査委員会(2017年7月25日)
No.749 申請者:小児科医師 緒方美佳
課題名 小児期の花粉-食物アレルギーにおける新規管理法の確立に関する研究調査
研究概要 多施設で小児期の花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)症例を集積し、臨床情報やアレルゲンコンポーネント解析結果からアナフィラキシーのリスク因子を明らかにし、摂取可能な調理形態のアンケート調査をもとに食事指導法を確立することを目的とする。
判定 承認
No.748 申請者:血液内科医長 河北敏郎
課題名 強度減弱前処置による移植後シクロフォスファミドを用いた血縁者間HLA半合致移植後における併用免疫抑制剤の減量および早期中止の多施設共同第II相試験
研究概要 同種造血幹細胞移植のドナーとしてHLA完全一致の血縁又は非血縁が最も望ましいが、移植年齢の高齢化や少子化、骨髄バンクコーディネート期間の長さから、移植候補者の半数~1/3程度では理想的なドナーが得られない。代替ドナーとして臍帯血が用いられてきたが、移植細胞数が少ないことから体重が重い患者では困難であった。近年欧米で開発された「移植後シクロフォスファミド」による移植片対宿主病(GVHD)予防は、従来の手法では移植困難だったHLA不一致ドナーからの移植を可能にしたが、本邦での適切な投与方法は確立されていない。本試験では骨髄破壊的前処理による移植後にシクロフォスファミドによるGVHD予防を用いることの安全性と有効性を前向きに検討する。
判定 承認
No.747 申請者:血液内科医長 河北敏郎
課題名 骨髄破壊的前処理による移植後シクロホスファミドを用いた血縁者間HLA半合致移植後における併用免疫抑制剤の減量および早期中止の多施設共同第II相試験
研究概要 同種造血幹細胞移植のドナーとしてHLA完全一致の血縁又は非血縁が最も望ましいが、移植年齢の高齢化や少子化、骨髄バンクコーディネート期間の長さから、移植候補者の半数~1/3程度では理想的なドナーが得られない。代替ドナーとして臍帯血が用いられてきたが、移植細胞数が少ないことから体重が重い患者では困難であった。近年欧米で開発された「移植後シクロフォスファミド」による移植片対宿主病(GVHD)予防は、従来の手法では移植困難だったHLA不一致ドナーからの移植を可能にしたが、本邦での適切な投与方法は確立されていない。本試験では骨髄破壊的前処理による移植後にシクロフォスファミドによるGVHD予防を用いることの安全性と有効性を前向きに検討する。
判定 承認
No.746 申請者:血液内科医長 河北敏郎
課題名 抗ヒト胸腺細胞免疫グロブリンを用いたHLA適合ドナーからの同種末梢血幹細胞移植の多施設共同第II相試験
研究概要 血縁者間同種末梢血幹細胞移植は2000年4月の承認以降急速に普及し、2010年10月からは非血縁者間移植にも導入されている。.末梢血幹細胞移植では骨髄移植と比較して重症の移植片対宿主病(GVHD)の発症率が高い点が問題であり、欧米ではGVHD予防のため抗ヒト胸腺細胞免疫グロブリン(ATG)の投与が推奨されている。わが国では一般に欧米と比較してGVHDの頻度が低いため、日本における適切なATG投与方法の確立が求められている。
判定 承認
No.745 申請者:血液内科医長 原田奈穂子
課題名 HBs抗原陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者における、リツキシマブ併用化学療法後のB型肝炎ウイルス再活性化関連肝障害に関する多施設共同後方視的観察研究Ver1.1
研究概要 未治療のHBs抗原陽性CD20陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者(DLBCL)のうち、リツキシマブ併用化学療法(R-CHOP療法あるいはR-THP-COP療法)後の肝障害およびB型肝炎ウイルス(HBV)再活性化関連肝障害を後方視的に調査することを主な目的とする。同時期に診断したHBs抗原陰性DLBCLを対照群として設定し、肝障害の発現頻度および重傷度、HBV再活性化関連肝障害の頻度を比較検討する。また、HBs抗原陽性例に対する抗ウイルス薬(核酸アナログ製剤)の予防投与の必要性と推奨される投与期間および予後に与える影響を明らかにする。
判定 承認
No.744 申請者:心臓血管外科部長 岡本実
課題名 腹部大動脈瘤治療に対する国立病院機構ネットワーク研究(腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿入術導入前・後の患者リスク背景、低侵襲性の比較検討と術前リスク評価法の構築)
研究概要 低侵襲血管内治療(ステントグラフト内挿術)が2006年に保険償還されて以後、腹部大動脈瘤に開腹手術とステント治療から治療法が選択できる状態になっている。その結果80歳以上の高齢者、重症の合併疾患を持つハイリスク患者の治療が積極的に行われている。これにより、ステントグラフト内挿術導入前後で治療対象者の保有するリスクが変化(高齢化、ハイリスク)していることが予想され、治療が行われなかった患者が減少していると考えられる。また、ステントグラフト内挿術の導入によって、開腹手術治療に比較して早期回復・早期離床、入院期間の短縮が達成されているが、治療後の回復期間、社会復帰までのプロセスを開腹手術症例と比較検討することで、患者が早期に社会復帰するための治療法選択の一助となる。そこで、我々は、国立病院機構14施設で腹部大動脈瘤手術症例2154例を集積し、その早期・中期成績について検討を行い、その結果を公表してきた。ステントグラフト内挿術の遠隔期には、エンドリークによる瘤拡大・破裂などの問題点があり、長期予後を考慮した上での治療法選択を行うことが必要である。そこで、既に集積した腹部大動脈瘤手術症例2154例の長期予後データを集積し、ステントグラフト内挿術症例と開腹手術症例との比較検討することで、長期予後から見た腹部大動脈瘤症例の手術適応を決定することを目的とする。
判定 承認
No.743 申請者:消化器内科部長 杉和洋
課題名 HCV陽性透析症例に対するベクラブビル/ダクラタスビル/アスナプレビル3剤併用療法の治療の有効性・安全性の評価、および3剤併用療法により生じる血清exosome中miRNAの変化の解析
研究概要 内容
判定 承認
No.742 申請者:糖尿病・内分泌内科部長 西川武志
課題名 抗GAD抗体陽性妊娠糖尿病患者のフォローアップ研究
研究概要 GADは、L-グルタミン酸から抑制性神経伝脱物質γ-アミノ酪酸(GABA)を合成する酵素であり、生体において、脳のGABA作動性ニューロン神経終末に最も発現しているが、次に多いのが膵島β細胞である。1型糖尿病は自己免疫疾患と考えられており、膵島関連自己抗体である抗GAD抗体の陽性率が60-80%と非常に高率であること、小児期発症例に比較し成人発症例で抗GAD抗体陽性率が高いことが報告されている。そのため、臨床現場において成人発症1型糖尿病診断のため、抗GAD抗体の測定が必須となっている。
今回申請者らは、抗GAD抗体陽性妊娠糖尿病患者の1型糖尿病発症率および糖代謝病態の変化を調査する目的で、当科受診歴のある妊娠糖尿病患者を対象とした前向き観察研究を行う。
判定 承認
第8回迅速審査(2017年7月26日)
No.741 申請者:外科部長 宮成信友
課題名 RAS遺伝子(KRAS/NRAS遺伝子)野生型で化学療法未治療の切除不能進行再発大腸癌患者に対するmFOLFOX6+ベバシズマブ併用療法とmFOLFOX6+パニツムマブ併用療法の有効性及び安全性を比較する第III相無作為化比較試験における治療感受性、予後予測因子の探索的研究
研究概要 RAS遺伝子(KRAS/NRAS遺伝子)野生型で化学療法未治療の切除不能進行再発大腸癌患者に対するmFOLFOX6+ベバシズマブ併用療法とmFOLFOX6+パニツムマブ併用療法の有効性及び安全性を比較する第III相無作為化比較試験(PARADIGMstudy。臨床研究実施計画書番号:Panitumumab-3001。以下「主研究」)の付随研究として、主研究で得られた有効性の予測因子となり得るバイオマーカーの検討、血漿中遊離DNAと腫瘍組織における各種バイオマーカーとの関連性の検討、及び血漿中遊離DNAを用いて治療の介入に伴う各種バイオマーカーの変化と各種パラメータとの関連性を検討すること。
判定 承認
第7回迅速審査(2017年7月5日)
No.740 申請者:救命救急科医長 北田真己
課題名 熱中症患者の医学情報等の即時登録による疫学調査(2017)
研究概要 本研究は、熱中症発生の実態調査であり、救急医療施設における熱中症患者の急増を即時に把握して、関係諸機関へ警告することを目的として行うものである。
研究の所管となる組織は日本救急医学会熱中症に関する委員会である。対象期間に熱中症で日本救急医学会指導医指定施設、救命救急センター、大学病院ならびに市中病院の救急部を受診し入院となった患者について、調査用紙にある基本情報の項目を記入し、Faxを用いて即時情報登録する。収集されたデータは解析した後に、気象庁や総務省消防庁のデータなどと統合し、的確な熱中症注意報を発令する方法の検討において活用される。
判定 承認
第3回倫理審査委員会(2017年6月20日)
No.739 申請者:血液内科部長 日高道弘
課題名 造血器腫瘍における遺伝子異常の網羅的解析
研究概要 造血器腫瘍は、造血細胞に後天的に生ずるゲノム変異の蓄積が原因で発症する。本研究の目的は、多数の造血器疾患検体について、種々の遺伝子解析技術を用いて、造血器疾患の発症の原因となる遺伝子異常をゲノムワイドに網羅的に探索し、同定・解析することである。
判定 承認
No.738 申請者:神経内科医長 田北智裕
課題名 非弁膜症性心房細動を有する後期高齢患者を対象とした前向き観察研究
研究概要 本研究は、非弁膜症性心房細動(NVAF)を有する後期高齢患者(75歳以上)における抗凝固療法の実態及びその予後を明らかにするとともに、脳卒中/全身性塞栓症及び頭蓋内出血のリスク因子を特定し、直接経口抗凝固薬(DOAC)に最適な治療対象集団及びその使用法を明確にすることを主目的とする。また、副次的にNVAFに関連する種々のクリニカルクエスチョンについて検討する。
判定 承認
第5回迅速審査(2017年6月6日)
No.736 申請者:治験主任 髙武嘉道
課題名 慢性骨髄性白血病におけるダサチニブの効果と副作用にプロトンポンプ阻害薬およびH2受容体拮抗薬の併用が及ぼす影響
研究概要 慢性骨髄性白血病(以下、CML)は、9番と22番染色体の相互転座によって生じるフィラデルフィア(以下、Ph)染色体が関与する白血病である。Ph染色体上のBCR-ABL1融合遺伝子にコードされて産生されるBCR-ABLチロシンキナーゼが恒常的に活性化することで、CMLが発症する。CMLは無治療の場合、白血病や血小板の増加は認めるが症状の乏しい慢性期から顆粒球系細胞の分化異常が進行する移行期を経て、致死的な転帰をたどる急性転化期へと至る。
CMLの治療は、BCR-ABLを標的としたチロシンキナーゼ阻害薬(以下、TKI)が標準的治療であり、本邦ではイマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、ポナチニブが上市されている。そのうちダサチニブは第2世代のTKIであり、ABLに対する親和性はイマチニブの325倍と極めて強力であり、現在では国内外のガイドラインではfirstlineの治療薬として推奨されている。またダサチニブは、各薬剤との相互作用が知られており、プロトンポンプ阻害薬(以下、PPI)やH2受容体拮抗薬(以下、H2RA)も該当する。これらの薬剤は胃内PHを上昇させる為、ダサチニブの溶解度が低下し、吸収率が減少すると考えられている。実際に血中濃度が低下する報告もされており、添付文書でも注意喚起がされている。しかしながら、治療効果や安全性の影響を検討した報告はない。そこで今回、熊本医療センターでCMLに対してダサチニブが投与された患者を対象に、PPIおよびH2RAが効果や副作用に及ぼす影響を後方視的に検討する。
判定 承認
No.735 申請者:腎臓内科医長 梶原健吾
課題名 慢性腎臓病G4患者における高尿酸血症に対する強化療法の腎機能への効果
研究概要 慢性腎臓病(CKD)G4(CKD診療ガイド2009ではCKDステージIV)患者に対しフェブキソスタットを投与することにより、高尿酸血症を改善することがその後の腎障害の抑制につながるかどうかを検証する。これにより、腎障害を持つ患者のための新しい治療戦略に対する知見が得られることが期待される。
判定 承認
第4回迅速審査(2017年5月31日)
No.734 申請者:救急科医長 原田正公
課題名 日本航空医療学会ドクターヘリ・レジストリーへの症例登録事業
研究概要 本研究は、本邦におけるドクターヘリに関する診療および運航の状況を全数把握するとともに、地上搬送症例との比較分析を通じてドクターヘリによる診療の効果検証を行うことを目的としている。本研究の意義は、ドクターヘリによる診療が患者の予後や医療の質に与える影響を定量的に示すとともに、救急診療の質の向上に寄与することにある。
判定 承認
No.733 申請者:臨床研究部長 芳賀克夫
課題名 胃癌による胃出口狭窄症に対する治療法の実態調査
研究概要 胃癌による胃出口狭窄症に対する我が国の治療実態と各治療法の有効性、安全性及び治療予後因子を検討する。
判定 承認
第3回迅速審査(2017年5月30日)
No.732 申請者:救命救急部医師 金子唯
課題名 血液マーカーによる頭部外傷スクリーニングの検討
研究概要 熊本医療センター救急外来において、同研究をH26.5月からH29.4月まで施行してきた。患者様もしくはその代諾者から承諾取得後に血液の残検体を保存している。研究開始時はGFAP(GlialFibrillaryAcidicProtein)の測定を目的としていたが、近年pNF-H(リン酸化ニューロフィラメントH)およびH-FABP(ヒト心臓由来脂肪酸結合蛋白)もGFAP同様に神経外傷時に上昇する血液マーカーとして報告されている。保存検体において、追加測定を施行することを目的とする。
判定 承認
第2回倫理審査委員会(2017年5月16日)
No.731 申請者:精神科医長 橋本聡
課題名 震災が支援者に与えたストレスの改善に寄与する要因の調査
研究概要 震災は被災者に大きな影響を与えるが、医療機関に勤務する職員は各人が被災しながら対人援助にあたることとなり、自分自身だけでなく家族他の安全や生活環境の確保などを抱えるため、より複雑なストレスを抱えやすいと考えられる。強いストレスは心身における不調や燃え尽き、職場離脱などのリスクとなるが、当院にて震災後(平成28年5月)に実施されたストレスチェックでは全職員の3割以上が高ストレス状態を呈していた一方、震災から1年を経て休職・退職の数はかなり少ない。震災後1年の時期にストレスチェックを再度実施するとともに、被災した職員のストレス改善に寄与した要因を把握し後生へ残すことは、必ず訪れる南海トラフ巨大地震などのために重要である。
判定 承認
第2回迅速審査(2017年5月9日)
No.730 申請者:循環器内科部長 藤本和輝
課題名 KANEKASTENTを用いて経皮的冠動脈ステント留置術を実施した症例調査
研究概要 KANEKASTENTを用いた経皮的冠動脈ステント留置術における標的病変へのデリバリー成功率等の有効性やMACE発生率等の安全性を評価し、今後の機器改良に資する情報の収集を目的としている。
判定 承認
第1回迅速審査(2017年4月18日)
No.729 申請者:血液内科部長日高道弘
課題名 成人T細胞白血病リンパ腫に対するモガムリズマブ治療中の免疫モニタリング
研究概要 初めてモガムリズマブ(抗CCR4抗体)治療予定の成人T細胞白血病リンパ腫(adultT-cellleukemia-lymphoma,ATL)を対象とし、モガムリズマブ治療中の末梢血リンパ球(T細胞、NK細胞およびB細胞)の推移をフローサイトメトリーおよびテトラマー(tetramer)解析を用いて、プロスペクティブにモニタリング(免疫モニタリング)を行う、多施設共同前方視的観察研究を実施する。
判定 承認
第1回倫理審査委員会(2017年4月18日)
No.728 申請者:消化器内科部長 杉和洋
課題名 denovo B型肝炎に発生した幹細胞癌におけるHBVcccDNA測定
研究概要 B型肝炎ウイルス(HBV)既往感染において、免疫抑制剤や抗がん剤投与によりHBV再活性化が起こることが知られ、この病態はdenovo B型肝炎と呼ばれている。一過性感染で治癒したと考えられている幹細胞核内にはcccDNAとよばれる極めて安定な状態でウイルス遺伝子が存在し、免疫力が低下した際に増殖するとされているが、その機序は未だ不明な点が多い。
急性骨髄性白血病治療後3年の間にdenovo B型肝炎を発症した症例を経験した。診断後に抗ウイルス薬投与を開始したが、4年7か月後に肝細胞癌を発症した。癌は外科的根治切除により治療した。denovo B型肝炎からの発癌症例報告はなく、極めて示唆に富む稀有な症例である。これまでの報告ではHBV既往感染での肝細胞癌ではcccDNAが非癌部より多いとされており、本症例におけるHBVcccDNA測定を希望する。
判定 承認
No.727 申請者:消化器内科医長 石井将太郎
課題名 非切除悪性肝門部領域胆道閉塞に対する姑息的ドレナージ法に関する金属ステント対インサイドプラスティックステントの無作為化第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験
研究概要 悪性肝門部領域胆道閉塞に対する内視鏡的ドレナージにおいて、金属ステント(以下MS)と比較したインサイドプラスチックステント(以下iPS)の成績を検討すること
判定 承認
国立病院機構熊本医療センター
860-0008 熊本県熊本市中央区二の丸1-5
TEL:096-353-6501 FAX:096-325-2519
国立病院機構熊本医療センター
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