国立病院機構熊本医療センター
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国際医療協力の成果|国際医療協力|国立病院機構熊本医療センター

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国際医療協力による成果

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成果1 感染症サーベイランスネットワークの構築
研修を終えた参加者との人的ネットワーク及び人的資源を応用し、定点方式の感染症サーベイランス網の構築及びその運営を研究してきました。アジア・アフリカ・中南米の37カ国80名が協力体制にあり、定期的に感染症情報を受け取っていました。またフィードバックとして、サーベイランス関連情報・文献を提供、また共同研究を実施し、参加専門家の各分野に応じた関連技術の向上を図っています。
国際医療協力研究委託費研究
“特殊感染症の疾病情報の収集システムの構築及び活用に関する調査研究”

成果2 エジプトのHCV感染率が極めて高いことをはじめて報告しました
HCV感染の状況が明らかでない途上国の中で、エジプトスエズ運河大学臨床病理のAhmed Gohary医師らは、本研修より帰国後すぐにエジプトのHCV感染率が極めて高いことを初めて報告し、その後、当院と協力し、エジプトのHCV感染の疫学、感染要因などについて共同研究を継続しています。また、第3国研修をエジプトで行っていますが、これに参加している研修生との共同研究を企画し、当院の協力のもとにアフリカにおける肝炎ウイルスの感染状況のサーベイランスも実施してきました。

  • Samen S. EL-Nazer, Amr AH. Hassan, Ahamed M. EL-Gohary, Zohair M. Nooman, T. Kiyokawa, F. Kawano : Changing pattern of acute sporadic hepatitis in Egypt ; International Symposium on Viral Hepatitis and Liver Disease. 5.10. 1993, Tokyo.
  • T. Kiyokawa, A EL-Gohary, A. Hassan, Z. Nooman, D. Labanchy, A. EL-Ayat, N. Fawaz, F. Gobram, M. Ahmed, F. Kawano, K. Yamaguchi : An overview of epidemiology of hepatitis C virus in Egypt ; International Symposium on Viral Hepatitis and Liver Disease. 5.10. 1993, Tokyo.

成果3 ブラジルの献血制度におけるHTLV-Iスクリーニングの導入
血液由来感染症コースの中で最も輝かしい成果は、ブラジルの献血制度におけるHTLV-Iスクリーニングの導入です。本コースを通じて、ブラジルでのHTLV-Iの感染者の存在が明らかとなり、多数の本コースの研修生がブラジルでのATL、HTLV-I感染者の存在を指摘し、HTLV-Iの感染予防として献血でのHTLV-Iスクリーニングの重要性をブラジル輸血学会で提唱しました。その結果、これが正式に採用されました。日本以外で最初に献血でHTLV-Iのスクリーニングを取り入れたのはブラジルであり、これに貢献したのはサンパウロ大学医学部及びレシェフェ血液バンクの本コースの研修生でした。この一点で、本コースの存在意義はあったと考えられますが、第二のブラジルとなるべき国がまだ多数存在しており、本コースはこれらの国々の啓蒙のためにも継続する必要があるとかんがえています。

成果4 血液由来感染症コースを担当した講師及び研究者と研修生との共同研究
血液由来感染症コースを担当したATL研究者の講師の多くはこの研修を通じて知り合った研修生と共同研究を行い、以下のような研究成果を上げ、これらの成果は全てカウンターパートの研修生により論文化されています。

  1. エジプトでの初めてのHAM患者の発見。
  2. コロンビアにおけるATLの発見。
  3. ガーナ、メキシコがHTLV-Iのendemic areaであることの証明。
  4. タイ、ウルグアイにはHTLV-I患者がほとんどみられないことなどを明らかにした。

成果5 研修生との共同研究(論文)
  • Roongpisuthipong A, Suphanit I, Yamaguchi K, Nakamitsu K, Miyazaki K, Okamura H, Kawano F. : Very low seroprevalence of HTLV-I in patient with gynecologic disordens in Thailand.
  • J Acquired Immune Deficiency Syndromes 5(10) : 1066-1067, 1992.
  • S.Isalas, K. Yamaguchi, R. Silva, Y. Nishimura, F. Kawano, M. Ponce, R. Barra, K. Takatsuki : HTLV-1/2 infection is absent among risk group from Mexico City. Vox Song 64:57-58, 1993.
  • S. Isalas, K. Yamaguchi, Y. Nishimura, F. Kawano, M.C. Revilla, K. Tatatsuki. : Antibody to Hepatitis C virus in Volunteer Blood Donors the Hospital de Especialidades, National Medical Center, Mexico City. Archives of Medical Research 25(3) : 361-362, 1994.
  • A. EL Gohary, A. Hassan, A. Serwah, D. Lavanchy, C. Mayerat, F. Kawano, T. Kiyokawa, K. Yamaguchi, Z. Nooman : Anti-HCV and HCV-RNA in Egyptian healthy volunteer blood donors. Arab J. Lab Med 21 : 1-8, 1995.
  • A. EL Gohary, A. Hassan, Z. Nooman, D. Lavanchy, C. Mayerat, A. El. Ayat, N. Fawaz, F. Gobran, M. Ahmed, F. Kawano, T. Kiyokawa, K. Yamaguchi : High prevalence of hepatitis C virus among urban and rural population groups in Egypt. Acta Tropica 59 : 155-161, 1995.
  • Alaa El-Din M. EL-Kassaby, Ahmed M. El-Gohary, Khadiga Fathy Dandash, Neveen Ramsis, Alaa Din Saad, F. Kawano : Incidence of Hepatitis C Virus Antibodies and related risk factors among surgical patients in “Suez Canal University Hospital”. Egypt J. Anaesth 11(2) : 171-184, 1995.
  • Hassan A, Hassan A, El-Gohary A, El-Faarrash M, Kawano F. : HTLV-I associated myelopathy/tropical spastic paraparesis in Egypt. J. Neurovirol 2(5) : 356, 1996.
  • Ahmed El-Gohary, Adbel-Monein Hosny, Naglaa Fawaz, Anwar Heiba, Essam Abdalla, Fumio Kawano, Tetsuyuki Kiyokawa : HCV-RNA and Anti-HCV in Egyptian Subjects Bearing IgG Anti-HCV Antibodies. Jpn J Infect Dis 52 : 113-116, 1999.

成果6 第3国研修(エジプト、スエズ運河大学)
血液由来感染症コースへの参加希望者が、アフリカで特に多いこと、およびエジプトの研修生の参加が比較的多く、この中で人物、学識ともにコースリーダーとしての資格を有するものがいたことより、本コースをモデルとした“感染症診断コース”をエジプト(イスマイリア市、スエズ運河大学)に開設しました。この第3国研修開設には当初より本コースリーダーが関わり、毎年、2名の日本人講師を派遣しています。本コースリーダー河野文夫はスエズ運河大学の客員教授となり、またそれぞれのコースを主催するスエズ運河大学医学部と国立病院機構熊本医療センターは姉妹施設の締結を行い、人事交流を活発に行っています。

成果7 第3国研修(エジプト、ファイユーム大学)
感染症診断コースは、ゴバリー教授がスエズ運河大学よりファイユーム大学の学長へ栄転したため一時期ファイユーム大学で行われました。
そのとき、”院内感染コース”の開設が計画され、当院からコースの開設に芳賀臨床研究部長が大きく貢献しました。以後、毎年実施されるようになり芳賀部長が講師として参加しています。「感染症コース」はその後、元のスエズ運河大学で開催されています。
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