感染症内科|国立病院機構熊本医療センター
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感染症内科

感染症内科部長あいさつ

感染症内科は当初、2017年より感染症科として呼吸器内科と並走する形での感染症診療・教育活動を開始いたしました。特に抗菌薬診療に関する院内全科からのコンサルテーション対応を主軸に、院内感染対策から結核初期診療・海外帰国者感染症診療まで行ってまいりました。また、当初より県内・国内の他施設との連携を強化した感染症診療体制の構築に努め、院内感染対策に関する様々な研修会や連携会議の開催・推進、先進的AST(抗菌薬適正使用支援チーム)設置に向けた活動等にも積極的に取り組んでおります。さらに当院は蟻田功名誉院長より30年以上の長きに渡り継続しているJICA(国際協力機構)とコラボレーションした国際医療協力活動を行っており、2017年からは当科主導で省庁、大学、国立専門研究機関、地域保健所等と連携した多大なるご協力のもと、下記のような課題別研修を東京・熊本で継続しております。
今後は呼吸器内科外来診療を継続しつつ、呼吸器感染症を中心とした横断的一般感染症診療、院内感染対策業務と国際医療協力活動を幅広い連携のもとで推進し、引き続き広く皆様の健康に寄与できればと考えております。
感染症内科部長 国際医療協力室長 小野宏
歴史
2017年1月1日 感染症科診療開始
2018年3月1日 日本感染症学会連携研修施設、日本感染症学会暫定指導医 取得(熊本大学呼吸器内科と連携)
2019年4月1日 感染症科から感染症内科に改名
最近の国際医療協力活動
2017年9月 重症感染症などのアウトブレイク対応強化のための実地疫学(管理者向け)
研修生:アフリカ諸国+フィリピン(合計9か国、14名)
2019年2月 重症感染症などのアウトブレイク対応強化のための実地疫学(管理者向け)
研修生:アフリカ諸国+パラオ(合計5か国、8名)
2019年11月 重症感染症などのアウトブレイク対応強化のための実地疫学(管理者向け)
研修生:アフリカ諸国+中国(合計9か国、11名)
2020年2月 ダイアモンドプリンセス号下船者のCOVID-19診療支援

診療内容・特色
当科は2017年初頭より院内各科からコンサルテーションを引き受け、患者診察・検査所見を踏まえた適切な抗菌薬選択や、重症度の高い場合等の併診を行っています。院内での機能として院内感染対策委員会業務、院内感染対策関連のセミナーの開催等も行ってまいりました。また、熊本大学との連携の下、日本感染症学会連携研修施設として認定を受け、熊本県内に留まらず日本全国の諸施設と連携を図りつつ診療に当たっています。更に、WHOの天然痘撲滅プロジェクトリーダーであり、1980年に天然痘撲滅宣言を行った蟻田功名誉院長より受け継がれる国際医療協力活動を継承し、JICAとの協力体制のもとで課題別研修会を開催しています。その他、米国からJeffery A. Hagen先生を当院にお招きし、“Dr. Hagen’s round”と題した北米型レジデント研修のプログラミングとファシリテーションを行っています。
ご案内
感染症診療は単一科で診療することは頗る困難であり、感染症内科・小児科(小児感染症、ウイルス感染症)・皮膚科(皮膚感染症)・血液内科(HIV)と連携体制を組み、さらに臨床各科や薬剤部・細菌検査室との密接な連携を介した総合的・建設的な感染症診療を行います。

医療設備
感染症内科外来診察室(陰圧室)2室
入院陰圧室8床(全病棟)
MALDI Biotyper (BRUKER、細菌検査室内)

症例数・治療・成績
当科は院内コンサルテーション(併診を含め凡そ250件/年)と、感染症内科・呼吸器内科外来・入院診療を統合的に行っております。具体的には呼吸器感染症領域(明らかな誤嚥性肺炎を除く肺炎、二次性肺炎、その他特殊肺炎)や重症感染症を中心に感染症診療を行っております。今後、外来・入院業務を拡大予定ですが、当院は第一種・第二種感染症医療機関ではなく、また、成人を中心とした診療を行っておりますので、ご紹介の際にはご注意くださいますよう宜しくお願い致します。

スタッフ紹介
職名 氏名 免許取得年 | 専門医 所属学会 など | 専門分野 |
感染症内科部長 呼吸器内科医長 国際医療協力センター長 オノ ヒロシ 小野 宏 平成13年 |
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今後の目標・展望
当科は呼吸器感染症を中心に各科重症感染症等の診療を行います。主に院内コンサルテーションに基づいた各科診療チームへの介入と、感染症・呼吸器外来、救急外来等を経由した当該疾患の診療を行います。また、蟻田功先生以来の伝統である国際医療協力活動を推進してまいります。更に、積極的な米国等国際学会活動を通じて引き続き国際貢献を推進してまいります。