X線透視・造影|診療放射線科|国立病院機構熊本医療センター
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X線透視・造影
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X線透視・造影検査とは?
X線を連続して人体に照射することで、人体内部を動画のように映し出すことができ、その画像をリアルタイムで観察しながら検査・治療を行うことができるため、安全に正確な処置を行うことができます。
透視検査といえば、胃透視のようにバリウム(造影剤)を飲用して行う検査が一般的に知られていますが、他にも多くの透視を用いた検査があり、最近では検査と並行して治療を行うケースがますます増加しています。
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X線透視・造影検査
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主な検査内容
上部消化管造影検査(食道・胃)
食道・胃・十二指腸の病変をチェックするための検査です。X線を透過させないバリウムを用いて、口から食道・胃・十二指腸の様子を観察していきます。狭くなっている箇所や胃潰瘍・がんによる粘膜の凹凸、胃炎などの有無を見ることができます。
内視鏡を用いた胆管検査
胆汁の流れる胆管の通行が障害されると、黄疸を生じたり、胆のう炎・胆管炎などで腹痛を生じたりすることがあります。X線透視画像で確認しながら、内視鏡を胆管まで進め、造影剤で検査することで狭窄部位・原因を調べることができます。狭窄している部分にステントを挿入する治療を同時に行うこともあります。
下部消化管造影検査
小腸や大腸が閉塞した状態を腸閉塞(イレウス)といいます。この状態を回復させるため、イレウスチューブと呼ばれる長いチューブを透視画像で確認しながら下部消化管に挿入していく治療を行います。
透視下脱臼整復
肩や股関節の脱臼、様々な骨折の処置において、X線透視画像で確認しながら、整復治療を行います。
検査画像
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尿管ステント留置
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胆管造影
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イレウスチューブ挿入
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注意事項
・撮影時には、ボタンや金具のついた衣服、アクセサリー、シップ、カイロ、エレキバンなど診断の障害になるものは、はずしていただく必要があります。また、撮影部位によって脱衣や検査衣に着替えていただくことがあります。一部の検査を除き、入院して検査や治療を行います。
・検査前の絶食や薬の服用に制限がある場合があります。
・検査によっては造影剤を使用する場合があります。
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診療放射線技師の役割
X線透視・造影検査における診療放射線技師の役割には、出来るだけ少ない被ばくで検査・治療が出来るようにX線の出力を調整し、また診断・治療に役立つ画像を提供できるように機器の操作・管理をおこなうことが求められます。
さらに検査・治療において医師の目的とする場所(臓器)の位置合わせを行い、速やかに適切な画像を画面に表示することにより検査・治療がスムースに進むことにつながります。
ご不明な点がありましたら、スタッフにお気軽にお声掛けください。