病理診断科|国立病院機構熊本医療センター
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病理診断科
病理診断科部長あいさつ
病理診断科では各科から依頼される病理組織診断、細胞診断、術中迅速診断、病理解剖などが主な業務です。患者様に直接お会いする機会はほとんどありませんので病理診断あるいは病理医についてご存知ない方が多いと思いますが、くす通信135号、226号に仕事の内容を簡単に紹介しておりますので、よろしければご覧ください。病変から採取された組織あるいは細胞を顕微鏡で観察して診断しています。多くの場合病理診断が最終診断となりますので、治療法の選択の分岐点に立つという意味で重要な役目を担っています。
スタッフは病理医常勤1名、非常勤2名、検査技師4名(うち3名が細胞検査士)で、細胞診断、術中迅速診断に関しましてはほぼ毎朝9時からカンファレンスを行い、精度管理、意識の統一を図っています。
病理診断科部長 武藤 礼治
診療内容・特色
当院は日本病理学研修認定施設B(認定番号7022)に認定されており、病理部門は最終診断としての病理診断、術中迅速診断、細胞診および病理解剖・CPCを通してチーム医療に参画しています。総合病院であるため症例は豊富かつ多彩で、診断精度管理のためほぼ毎日病理・細胞診カンファレンスを行っています。また、精度管理のために診断困難なリンパ腫や婦人科疾患に関しては、毎週来院される専門家によりコンサルテーションあるいは診断がなされています。
症例数・治療・成績
令和5年度は病理診断5546件(うち術中迅速診断211件)、細胞診5372件、病理解剖7体でした。診断に必要な免疫組織化学の項目の増加や、実臨床で治療法の決定に使われる遺伝子検査の種類の増加により、毎年のように作製標本枚数は増え続けていますが、引き続き、各科との連携を行い、患者様の治療方針に関連するより有用な情報提供ができる環境を整備しております。
スタッフ紹介
職名 氏名 免許取得年 | 専門医 所属学会 など | 専門分野 |
病理診断科部長 ムトウ レイジ 武藤 礼治 平成25年 | 日本病理学会病理専門医・学術評議員 日本臨床細胞学会専門医 日本病理学会認定分子病理専門医 リンパ網内系学会 泌尿器病理研究会 日本神経病理学会 国際病理アカデミー 情報セキュリティマネジメント | 病理全般 リンパ腫 |
病理診断科特別診療役 ムラヤマ トシヒコ 村山 寿彦 | 日本病理学会病理専門医研修指導医 日本臨床細胞学会細胞診指導医 日本臨床検査医学会臨床検査専門医 日本癌学会会員 | 病理全般 |
今後の目標・展望
ゲノム医療への対応が今後の重要な課題となります。病理診断科では従来、病理診断の根拠の保存、あるいは研究への利用のためにガラス標本、パラフィンブロックを保存していましたが、これからはゲノム医療への適応決定に適した細胞・組織の保管・提供が必要になります。そのため、臓器・組織の摘出からホルマリン固定までの時間、ホルマリン固定液の組成・固定時間、その後の処理、パラフィンブロックの保管状態などを適正に管理しなければなりません。病理医の仕事は、診断のみならず治療法の選択にも大きくかかわることになりますので、十分な準備をしていきたいと思います。