耳鼻咽喉科|国立病院機構熊本医療センター
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耳鼻咽喉科

耳鼻咽喉科部長あいさつ

耳鼻咽喉科部長の上村です。2011年3月より当科に勤務しています。2018年9月までは一人で耳鼻咽喉科領域すべてにおいて外来、手術、急患の対応にあたってきました。その間に歯科口腔外科の先生をはじめ、他の外科系診療科の先生のご協力をたくさん頂き、何とかここまでやってこられました。そのような中2018年10月から当科にも1人増員となり、当科で行える治療にも幅が出てきました。耳鼻咽喉科としてさらに幅の広い治療、特に手術ができるよう地道に精進していきます。
耳鼻咽喉科部長 上村尚樹

診療内容・特色
耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域は、命はもちろん、人が人として人間らしく生きることができるための機能を有している器官や臓器を取り扱う重要な診療科です。
一般的に耳鼻咽喉科領域全般を扱いますが、なるだけ手術例を中心に診療をすすめており、当科では耳鼻咽喉科ほぼすべての領域に対応しています。耳科領域では慢性中耳炎、中耳真珠腫など、鼻科領域においては副鼻腔手術に加え、アレルギー性鼻炎では、後鼻神経切断術、下鼻甲介骨切除術など手術療法も取り入れています。また頭頸部領域では良性疾患を中心に、悪性疾患では放射線化学療法、手術を組み合わせた集学的治療を行います。ただし、再建手術を必要とする悪性疾患は多くは大学病院へ紹介しています。また、頸部膿瘍、難治性鼻出血、めまい、顔面神経麻痺など耳鼻咽喉科救急疾患にも可能な限り対応しています。
おかげ様で平成30年10月より1人増員となりました。これまで対応できなかった急患にも少しずつではありますが対応できるようになってきています。
患者さまと同じ目線で、わかりやすい説明を心がけています。ご本人やその御家族に絵や図を用い、治療に充分納得していただいた上で治療を行います。
また、当科では紹介状持参の患者さまを診察、治療いたします。従いまして、紹介状の持参のない患者さまは、まず近くの耳鼻咽喉科医院受診をお願いいたします。

症例数・治療・成績
平成31年度(令和元年度)の外科手術件数は973例であり、主な癌手術は食道癌手術4例、胃癌手術49例(胃全摘17,胃切除28,胃バイパス術 4)、大腸癌手術186例(結腸136,直腸50)、肝癌手術19例、膵・胆道癌手術31例であり、胃・大腸癌手術では適応症例に積極的に鏡視下手術を導入し行っています。当院の特徴として「何時でも何でも断らない救急医療」を実施していることであり、平成30年度も癌手術以外に、虫垂炎手術97例、胆石・総胆管結石手術163例(腹腔鏡下胆嚢摘出術152)、ヘルニア 85例 腹膜炎や腸閉塞、その他消化器関連手術146例、施行しています。
癌診療に関しては、治療ガイドラインを考慮し手術、内視鏡治療、化学療法(抗癌剤治療)、放射線療法を組み合わせた集学的治療を行っています。食道癌治療では、リンパ節転移のない早期癌では内視鏡的切除を第一選択としています。リンパ節転移が予測される進行癌では術前化学療法を行い治療成績の向上を目指しています。胃癌診療においても適応症例には腹腔鏡下胃切除術を導入しています。リンパ節転移陽性症例では、エビデンスのある術後補助化学療法を標準としています。高度進行胃癌に対しては術前化学療法を導入し治療成績向上を目指しています。大腸癌診療では腹腔鏡下手術を標準手術とし、切除不能・再発症例に対し分子標的薬を併用した最新の外来化学療法を行っています。胃癌・大腸癌手術も外科指導医、消化器外科指導医専門医が担当あるいは指導し安全で確実な手術を行っています。
外来化学療法センターも完備され化学療法クリティカルパスによるシステム化した安全な治療を提供しています。
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | |
手術症例数 | 141 | 138 | 151 | 146 | 122 | 150 |
鼓室・鼓膜形成術 | 5 | 6 | 3 | 2 | 1 | 1 |
内視鏡下副鼻腔手術 | 34 | 38 | 39 | 32 | 19 | 31 |
頭頚部手術 (うち唾液腺腫瘍) | 48 (17) | 43 (17) | 55 (17) | 60 (22) | 52 (23) | 67 (19) |
口蓋扁桃摘出 | 21 | 18 | 18 | 21 | 18 | 12 |
喉頭微細手術 | 21 | 10 | 13 | 12 | 5 | 7 |

スタッフ紹介
職名 氏名 免許取得年 | 専門医 所属学会 など | 専門分野 |
耳鼻いんこう科部長 頭頚部疾患センター長 ウエムラ ナオキ 上村 尚樹 平成8年 |
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耳鼻いんこう科医師 シモダ ユウ 志茂田 裕 平成29年 |
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今後の目標・展望
これまで通り、患者さまそして開業医の先生方の信頼を得つつ、また十分に連携を取りながら診療をすすめて参ります。
当科では耳鼻科のみならず、眼科との涙道手術(内視鏡下DCR)、消化器内科との早期下咽頭癌に対するELPS、また喉頭気管分離術など他院ではあまり行われていない手術も手掛けています。
耳鼻咽喉科医が新たに一人増員となり、今まで私ひとりであった耳鼻咽喉科にも新しい風を吹き込んでくれています。ますます活気のある耳鼻咽喉科診療を目指し、また学会参加で知識、手術技術の研鑽を積み、患者さまへ還元していきます。
そしてやはり 『地道に精進』 。この言葉を忘れず癌治療、救急疾患等幅広く様々な疾患に挑んでいきます。よろしくお願いいたします。