沿革|国立病院機構熊本医療センター
沿革
当院は前身の鎮西兵団病院が創立された明治4年から約150年になります。 『日本陸軍史』によれば、明治維新に活躍し、日本陸軍の創始者と呼ばれた当時の兵部大輔大村益次郎の軍事組織充実計画の骨子に沿って、明治4年全国4カ所に鎮台が設置されましたが、大村の計画の中には鎮台と併せて軍医病院の設置も挙げられており、病院の設置も鎮台設置に併せて行われました。鎮西兵団病院の設置場所は明かではありませんが、当初鎮台のおかれた花畑旧藩邸内ではないかと考えられています。近代的な熊本鎮台病院は、現在の熊本城二の丸に明治9年2月に竣工しています。熊本鎮台病院の設計は、フランス軍事顧問団が関与し、後に建築された名古屋衛戌病院のものとほぼ同じ設計です。幸い名古屋衛戌病院は、愛知県明治村に移築保存されてあり、これを見ることにより熊本鎮台病院を偲ぶことが可能です。この建設竣工明治9年2月は、病院の周囲で激戦のありました神風連の乱(明治9年10月24日)及び、西南の役の熊本城急襲(明治10年2月22日)より早く、これらの争乱時には熊本鎮台病院はすでに存在しており実際にその時、多数の負傷兵の治療を行っていました。熊本鎮台病院は、その後、熊本陸軍病院、熊本衛戌病院、熊本第一陸軍病院と改称、戦後昭和20年12月1日、厚生省に移管され国立熊本病院となり、平成16年4月1日、独立行政法人国立病院機構熊本医療センターとなり現在に至っています。なお、戦災により熊本大学医学部附属病院の木造病棟が全焼しましたので戦前の熊本第一陸軍病院藤崎台分院が、戦後の一時期熊本大学医学部附属病院病棟として使用されました。
和暦 | 西暦 | 月日 | 内容 |
明治4年 | 1871年 | 8月20日 | 8月20日 |
12月 | 鎮西兵団病院開設 | ||
明治6年 | 1873年 | 10月24日 | 熊本鎮台病院に改称 |
明治7年 | 1874年 | 11月7日 | 陸軍省は政府に対し病院建設用地として、熊本城内二の丸に7565坪5合の土地の取得要請を行い承認さる |
明治9年 | 1875年 | 2月15日 | 熊本鎮台病院が他の鎮台病院に先行して現在地に竣工 |
10月24日 | 神風連の乱 | ||
明治10年 | 1877年 | 2月22日 | 西南の役 熊本城を急襲 |
明治14年 | 1881年 | 熊本陸軍病院と改称 | |
明治21年 | 1888年 | 熊本衛戌(えいじゅ)病院と改称 | |
昭和11年 | 1936年 | 熊本第一陸軍病院と改称 健軍分院、藤崎台分院のほかに5か所の分院を増設 | |
昭和19年 | 1944年 | 11月 | 熊本陸軍病院に付された陸軍看護婦養成所(現付属看護学校)発足 |
昭和20年 | 1945年 | 8月15日 | 太平洋戦争終了 |
8月 | 健軍分院閉鎖 | ||
12月 | 厚生省に移管され国立熊本病院として発足 | ||
昭和21年 | 1946年 | 3月 | 藤崎台分院を熊本大学医学部付属病院に譲渡 |
9月 | インターン医師の実地修練病院に指定さる | ||
昭和23年 | 1948年 | 4月 | 国立熊本病院附属高等看護学院と改称 |
昭和33年 | 1958年 | 12月 | がん診療センター開設 |
昭和36年 | 1961年 | 4月 | ポリオ患者の呼吸不全のため米国から“鉄の肺”を輸入、全国8施設に導入されたが、熊本では当院に設置された |
昭和40年 | 1965年 | 12月 | 病院本館新築落成 |
昭和43年 | 1968年 | 4月 | インターン医師の実地修練病院から臨床研修指定病院となる |
7月 | 救急医療センター開設 | ||
昭和47年 | 1972年 | 6月 | 血液透析室開設 |
昭和50年 | 1975年 | 4月 | 国立熊本病院付属看護学校に改称 |
昭和54年 | 1979年 | 4月 | 病院群輪番制病院となる |
昭和55年 | 1980年 | 10月 | 僻地中核病院の指定 |
昭和58年 | 1983年 | 10月 | 地方腎移植施設の指定 |
昭和61年 | 1986年 | 4月 | 地域医療研修センター開設 |
昭和62年 | 1987年 | 3月 | 教育研修棟の開設 |
平成3年 | 1991年 | 2月 | 県内初の同種骨髄移植開始(H3年2月21日) |
平成4年 | 1992年 | 6月 | 本邦初の骨髄液の海外搬送(九州骨髄バンク) (本院で骨髄液を採取し、ドイツ・ジュセルドルフへ空輸して移植した) |
10月 | 国際医療協力の推進を目的として、臨床研究部を設置 | ||
平成6年 | 1994年 | 5月 | エイズ拠点病院となる |
平成8年 | 1996年 | 5月 | 開放型病院に認定される |
平成10年 | 1998年 | 本邦初の成人の臍帯血幹細胞移植を施行 | |
平成11年 | 1999年 | 3月 | 国際医療協力機関施設及び政策医療ネットワークの専門医療施設(がん、循環器、精神、感覚器、血液・造血器)となる |
平成12年 | 2000年 | 9月 | 急性期特定病院に認定される |
10月 | スエズ運河大学医学部付属病院(エジプト)と姉妹施設締結 | ||
平成13年 | 2001年 | 4月 | 治験センター開設 |
平成14年 | 2002年 | 4月 | 地域医療支援病院に認定される |
5月 | 広西医科大学第一附属病院(中国広西チワン族自治区南寧市)と姉妹施設締結 ICU施設基準取得 | ||
平成15年 | 2003年 | 8月 | 救命救急センター開設 |
平成16年 | 2004年 | 3月 | 長寿医療政策医療ネットワーク基幹医療施設となる |
4月 | 独立行政法人国立病院機構熊本医療センターとなる 独立行政法人国立病院機構熊本医療センター附属看護学校と改称 マッチングによる新研修医制度により研修医が研修開始 | ||
平成18年 | 2006年 | 2月 | オーダーリングシステム導入 |
4月 | DPC導入 熊本大学大学院連携講座「臨床国際協力学」開設 国際医療福祉大学大学院(修士課程)熊本教室開設 | ||
8月 | 高度先進医療に係わる特定承認保険医療機関承認 (骨髄細胞移植による血管新生療法) | ||
11月 | 電子カルテに移行 | ||
平成19年 | 2007年 | 6月 | 新病院工事着工 |
平成20年 | 2008年 | 2月 | 地域がん支援連携拠点病院の認定 |
12月 | 第21回人事院総裁賞受賞 | ||
平成21年 | 2009年 | 3月 | 熊本県災害拠点病院(地域災害医療センター)に指定される |
6月 | 崇城大学と連携協力の締結 | ||
9月 | 新病院竣工、移転 | ||
11月 | コンケン病院(タイ)との姉妹協定締結 | ||
12月 | ファイユーム大学(エジプト)との姉妹施設締結 | ||
平成22年 | 2010年 | 3月 | 熊本県美術家連盟との協力協定締結 |
8月 | 熊本県地域救急医療体制支援病院に指定 | ||
平成23年 | 2011年 | 6月 | ヘリポート完成 |
9月 | 新二の丸保育園完成 | ||
平成24年 | 2012年 | 9月 | 救急医療功労者厚生労働大臣表彰 |
平成25年 | 2013年 | 3月 | コンケン病院に当院のベッド63台を送る |
3月 | 熊本市救急ワークステーションの設置に関する協定締結 | ||
12月 | 「病院機能評価」・「救急医療評価」を受審 | ||
平成26年 | 2014年 | 3月 | 「病院機能評価」一般病院2(3rdG:Ver.1.0) 救急医療機能V2.0 を取得 |
4月 | 看護師専用宿舎完成 | ||
12月 | 病児・病後児保育室「こぐま」開設 | ||
平成27年 | 2015年 | 3月 | 県下初脳死下臓器提供 |
平成28年 | 2016年 | 3月 | 脳死下臓器提供 |
11月 | 脳死下臓器提供 | ||
12月 | 病院増改修整備工事着工 | ||
平成31年 | 2019年 | 1月 | 病院機能評価更新 一般病院2(3rdG:Ver.2.0) 救急医療機能V2.0 |
2月 | 看護師特定行為研修指定研修機関に認定(3区分7行為) | ||
令和元年 | 2019年 | 11月 | JCEP臨床研修評価認定 |
令和2年 | 2020年 | 2月 | 外来新棟竣工 創立150周年記念式典開催(2月22日) 看護師特定行為区分変更及び救急領域パッケージ追加(5区分12行為) |
3月 | 外来新棟運用開始 | ||
4月 | 脳死下臓器提供 |