産婦人科|国立病院機構熊本医療センター
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産婦人科

診療内容・特色
当科は、厚生労働省の掲げる政策医療の1つとしての婦人科悪性腫瘍の診断治療を重点目標に掲げ、エビデンスに基づいた標準的治療を実践しています。スタッフ全員が婦人科腫瘍専門医であり、豊富な臨床経験に基づく高レベルな医療の提供を行っています。入院患者の8割以上は悪性腫瘍症例で、個々の症例に対して、患者様及びご家族の意志を尊重した治療の選択を第一に心がけています。手術症例では個々の症例に応じた必要で十分な術式を、放射線科・腫瘍内科とともに毎週カンファレンスで検討し、最終的には術中所見を考慮し術式の決定をおこなっています。また進行期症例に対しては手術療法、放射線治療、化学療法、さらには化学療法同時併用放射線治療などを用いた集学的治療を実践しています。近年、手術後(治療後)のQOL向上が重視されており、当科においては、術式の向上により術後のリンパ浮腫や排尿障害や尿失禁などの合併症は、減少しており、発症した場合も各科と連携し、様々な工夫を行い取り組んでいます。化学療法は腫瘍内科と協力して、患者さんの状態に合わせ、外来化学療法センターもしくは入院管理で行っています。良性疾患においては、腹腔鏡下手術や内視鏡化手術を積極的に施行しております。さらに産婦人科一般診療、婦人科救急医療に対しても常時対応しています。

医療設備
円錐切除術ではLEEP、ハーモニックスカルペル。腹腔鏡下手術及び開腹手術時に使用するパワーデバイス(リガシュア、ハーモニックフォーカス、サンダービート、ソニックビートなど)。
外来及び手術室での軟性子宮鏡検査やレゼクトスコープ。
放射線治療設備に関しては、より高精度の放射線治療を提供するために、外照射リニアックを2021年10月より最新型リニアック装置に更新予定です。(これに伴い2021年4月~9月までの間、当院での外照射は休止となります。)また、子宮腔内照射では密封小線源治療装置ラルス(フレキシトロン)が稼動しています。放射線治療専門医が常勤し、精度の高い治療が可能です。子宮頸癌の放射線治療症例数も年々増加しています。

症例数・治療・成績
2020年の主な婦人科悪性腫瘍の治療実績は、患者数では子宮頚部上皮内腫瘍・異型度3 ・100例、浸潤子宮頚癌(Ⅰ期以上)で45例、子宮体癌で70例、卵巣癌37例で計252例でした。1974年からの総数は昨年末において、6701例となっています。昨年は子宮体癌・卵巣癌の増加が目立ちました。
現在、これらの悪性腫瘍症例の手術を中心に、良性腫瘍手術、緊急手術を行っています。2020年の婦人科総手術件数は、432件で、前年度より10%増加しました。子宮頚部上皮内腫瘍・異型度3は原則として円錐切除による診断・治療を施行し、妊孕性温存療法に努めています。また子宮頚癌における広汎性子宮全摘術症例の骨盤神経温存症例では、術後の膀胱訓練期間が減少し、排尿排便障害が減少しています。リンパ節廓清術後のリンパ浮腫も激減しています。


スタッフ紹介
職名 氏名 免許取得年 | 専門医 所属学会 など | 専門分野 |
女性センター長 産婦人科部長 ニシムラ ヒロシ 西村 弘 昭和57年 |
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産婦人科副部長 ヤマモト フミコ 山本 文子 平成8年 |
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産婦人科副部長 タカキ ミカ 髙木 みか 平成9年 |
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産婦人科医長 ヤマモト ナオ 山本 直 平成19年 |
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今後の目標・展望
今後も、さらに婦人科悪性腫瘍の正確な診断及び標準的治療の実践に力を注ぎ、質の高い医療の提供を目標にいたします。