放射線治療科|国立病院機構熊本医療センター

放射線治療科

放射線治療科部長あいさつ

2021年度は、外照射装置リニアックの撤去更新作業が始まります。
そのため、4月以降はメインの放射線治療である外照射が当院では行うことができません。患者様、連携各病院、当院各診療科には多大なるご迷惑をおかけ致します。申し訳ございません。
最新装置での治療開始は10月より予定しております。
これまで以上の精度管理を行い、安心安全かつ高精度な放射線治療を行っていきたいと思います。
よろしくお願い申し上げます。
放射線治療科部長 冨高悦司

診療内容・特色
本館1階32番 放射線治療センタ-にて、診察および放射線治療計画、治療を行っています。
外照射用リニアック1台、治療計画専用の大口径16列CT1台、密封小線源治療装置2台を保有しています。
外照射は、一日約30~40名の治療を行っています。当院は診療科が多いため、ほぼすべての領域の悪性疾患を扱っていることが特徴です。高精度放射線治療である強度変調放射線治療(IMRT)は、前立腺がんを中心に行っています。外照射用リニアックは撮影機能を有しており、治療時と計画時の画像をモニター上で融合させ、僅かなずれも修正することができるため精度の高い治療が可能です(画像誘導放射線治療:IGRT)。特殊治療としては、造血幹細胞移植のための全身照射(TBI)を行っており、症例数は県内では最大です。また、良性疾患であるケロイド切除後の術後照射やバセドウ眼症の球後照射も形成外科や糖尿病・内分泌内科と連携をとり、多くの症例を行っています。
密封小線源治療は、子宮・腟がんを主とした腔内照射(RALS治療)および前立腺がんに対する125Iシード永久挿入治療を行っています。婦人科、泌尿器科、麻酔科と連携し、精度の高い治療を心がけています。
すべての治療は治療計画装置にて計画し、作成された線量分布を検討後実施しています。
当院は、日本放射線腫瘍学会認定施設であり(現在熊本県では3施設のみ)、放射線治療センターには放射線治療専門医が専従し、照射期間中におきる患者様の体の変化などにも主治医と密に連携をとり、きめ細やかに対応いたします。
脳腫瘍に対する3次元外照射

前立腺癌に対する強度変調放射線治療(IMRT)

治療時と計画時の融合画像

子宮頚がんに対する腔内照射

前立腺がんに対する125Iシード永久挿入治療


症例数・治療・成績
2019年度 外照射患者数は473名で、治療患者数は年々増加傾向です。
特殊治療である全身照射(TBI)は32例(91件)、腔内照射26例(89件)、シード治療(組織内照射)44例でした。
件数 | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 |
通常照射 | 6,033 | 6,908 | 6,439 | 7,501 | 7,825 |
TBI | 95 | 87 | 115 | 115 | 91 |
腔内照射 | 128 | 134 | 108 | 91 | 89 |
組織内照射 | 43 | 46 | 46 | 45 | 44 |
合計 | 6,299 | 7,175 | 6,708 | 7,752 | 8,049 |


スタッフ紹介
職名 氏名 免許取得年 | 専門医 所属学会 など | 専門分野 |
副地域医療連携センター長 放射線治療科部長 放射線治療センター長 トミタカ エツシ 冨髙 悦司 平成11年 | 日本医学放射線学会 日本放射腺腫瘍学会共同認定治療専門医・指導医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 臨床研修指導医 熊本大学医学部臨床教授 | 放射線治療 画像診断一般 |
放射線治療科医師 ヤマダ シゲオ 山田 茂雄 平成31年 | 日本医学放射線学会 日本放射線腫瘍学会 | 放射線治療 画像診断一般 |
非常勤放射線治療科医師 マツモト タダシ 松本 忠士 平成28年 | 日本医学放射線学会放射線科専門医 日本放射線腫瘍学会 | 放射線治療 |

今後の目標・展望
外照射装置を更新し、高精度放射線治療の適応を拡大予定です。