皮膚科|国立病院機構熊本医療センター
部門紹介 > 診療部
皮膚科
皮膚科部長あいさつ
皮膚科は、外界からのバリア機能、代謝機能、免疫機能など様々な機能を有する「皮膚」という最大の臓器を、専門的かつ総合的に取り扱う診療科です。皆様が抱える様々な皮膚の不安・悩みに基づき、良質で安全かつ合理的な医療の提供を旨として、皮膚疾患全般に対応しております。宜しくお願い申し上げます。
皮膚科部長 牧野公治
診療内容・特色
地域急性期中核病院の皮膚科として、全身症状を伴う皮膚感染症や中毒疹、悪性腫瘍など、入院治療を要する皮膚疾患を中心に診療しております。また悪性黒色腫など高度専門性を要する場合については熊本大学病院皮膚科・形成再建科と密に連携して診療に当たります。
医療設備
ナローバンドUVB照射装置
乾癬をはじめとする炎症性皮膚疾患、尋常性白斑、皮膚リンパ腫などに使用しています。半身型の照射装置であるデルマレイ-800を導入し、より短時間で全身的紫外線療法が行えます。
ダーモスコープ
特に色素斑や腫瘍性病変について、メスを入れることなく詳細に診察を行うことが出来ます。
電気メス
主に膿瘍切開や壊死組織除去で皮膚を切離するのに用います。止血しながら行うことで、出血量の減少や止血時間の短縮により侵襲を軽減できます。
真菌検査
皮膚科独自に検体の鏡検等を行い、より正確な診断に努めています。
症例数・治療・成績
2023年度の実績です。
外来の新患者数は710名(-29)、紹介率は111.7%(+8.1%)、逆紹介率は82.7%(-12.8)でした。
入院患者数は273名(±0)、平均在院日数は11.8日(-2.3)でした。手術センターでの手術患者数は104例(-2)でした。
スタッフ紹介
職名 氏名 免許取得年 | 専門医 所属学会 など | 専門分野 |
皮膚科部長 マキノ コウジ 牧野 公治 平成13年 | 医学博士 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 日本医真菌学会認定医真菌専門医 インフェクションコントロールドクター | 皮膚科一般 皮膚感染症 |
皮膚科医師 難治性皮膚疾患治療センター長 石橋 卓行 イシバシ タカユキ 平成25年 | 医学博士 日本皮膚科学会 | 皮膚科一般 |
皮膚科医師 哈斯塔 ハスタ 令和2年 | 医学博士 日本皮膚科学会 日本病理学会 | 皮膚科一般 |
皮膚科医師 浦田 和美 ウラタ カズミ 平成31年 | 医学博士 日本皮膚科学会 | 皮膚科一般 |
今後の目標・展望
2020年10月より皮膚科外来担当医が減少したこと、また毎週木曜日に全身麻酔の手術を行っていることを踏まえ、木曜日以外の外来担当医を1名・週替わりに変更いたしております。診察医師は指定できません。ご不憫をおかけしいたしますがご了承のほどお願い申し上げます。
2020年より難治性皮膚疾患治療センターを設置し、必ずしも緊急性はないものの慢性に経過する難治性疾患、すなわち慢性じんま疹、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬などで、既存治療で改善しない(生物学的製剤やJAK阻害剤の導入を検討する)症例を受け入れています。皮膚科分野における各種難治性疾患の治療は新薬の開発や保険適用の拡大など確実に進歩を続けています。熊大病院はそれらが得意ですが、紹介に当たって「このくらいで大学病院へ紹介していいのか?迷惑掛けないか?」と不安に駆られる、というお声を多く伺っております。難治性皮膚疾患に対する新しい治療を、総合病院だから出来る全身的な病態把握や副作用への対応も併せて行い、診療のもう一つの柱としていきたいと思います。また施設的・人員的に対応困難な症例は、当科を通じて熊本大学病院への協力を仰ぎ、各医療機関と熊大病院の間を取り持つことも大切と考えております。
引き続き、地域医療支援病院の皮膚科として、かかりつけ医の先生方のご協力の下、緊密な医療連携、情報提供を通じて地域医療の充実を図ります。そして重症・難治な症例をお引き受けするだけでなく、治療途中や終了時の情報交流を通じて、地元医療機関の進化を後押ししてモチベーションを高める(大変僭越ながら「鍛われる皮膚科」を目指して)、よりレベルの高い医療連携が構築できればと考えております。
また、下記の点をご配慮下さいますと幸いです。
- 当科受診の際には是非かかりつけの医療機関からの診療情報提供書(紹介状)を作成・持参下さい。救急だと手紙を書く時間が惜しいと思われるかもしれませんが、短時間で現病歴や既往歴を把握することが出来てより早く治療に取りかかれるので、患者様の予後改善に直結します。
- 比較的症状の強い場合でも、当科で精査した結果幸い通院で十分治療できることが少なからずございます。ご紹介患者様の入院適応につきましては、最終的に当科で判断させて頂きます。ご紹介の際にはその点をお含み置き頂きますようお願い致します。なお、特に入院を希望される場合、有料個室が確保しやすい旨もご説明下さい。
- 急性期の治療が一段落して病状が安定しましたら、地元の病院や診療所にて治療を継続して頂くことを推進しております。引き続き安心して治療が受けられるよう努めておりますのでご理解、ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。
- 麻疹・風疹・水痘(汎発性帯状疱疹含む)、ないしそれらを疑う症例をご紹介頂くことが増えました。とくに麻疹・水痘は感染力が強く、患者様のいるフロア全員に感染のリスクが及びます。これらを疑う患者様をご紹介の場合は、必ず事前に皮膚科外来までご連絡下さい。時間外は電話交換から当直スタッフに取り次ぎ致します。スタッフを集め、ほかの患者様に極力接触がないように感染症室にご案内する必要があります。
- 皮膚細菌感染症治療薬の第一選択は、第1世代セフェム系抗菌薬です。例として、成人でβラクタム系抗菌薬アレルギーの既往がなく腎機能が保たれている方には「セファレキシン1回500mg毎食後内服」が挙げられます。是非ご活用下さい。くわしくはくまびょうNEWS 276号(2020年6月)7頁をご覧下さい。
- 外来受診予約変更のお電話が非常に多く、お電話全般が繋がらない、更にその対応にスタッフが手を取られて受診されている患者様をお待たせせざるを得ない状況に陥っています。2022年5月より皮膚科では原則として予約の変更をお受けしておりません。予約日に受診できない患者様には(事前連絡不要です)祝祭日を除く前の予約日と同じ曜日の、午前11時までにご来院をお願いしています。また、ご紹介下さった医療機関やお近くの皮膚科診療所を一旦受診して頂くこともお勧めしています。そのような患者様がおいでになられました際には一旦ご高診を賜りたく、ご高配お願い致します。下記のような印刷物を外来前に掲示し、患者様にはお渡ししております。