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放射線治療|診療放射線科|国立病院機構熊本医療センター

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放射線治療

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放射線治療とは?

高いエネルギーの放射線を使用し病巣を治療します。放射線は目に見えず、体に照射しても痛みや熱さなどを感じません。手術をすれば大きな傷跡が残ったり、体の外観や機能が損なわれたりするような場合でも、放射線治療では障害や副作用を最小限におさえて治療をすることが可能です。
生活の質(QOL : Quality of Life)の向上を考える上では有効な治療法のひとつです。QOLとは、どれだけ人間らしい望み通りの生活を送ることが出来ているかを計るための尺度を表す概念です。
放射線治療をおこなう目的は大きく分けて3つあります。
病気を治癒させることを目的とした根治的治療、腫瘍による痛みやしびれなどの症状改善を目的とした姑息的(緩和)治療、病気の再発を防止することを目的とした予防的治療があります。

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放射線治療の内容

放射線治療には大きくわけて外部照射と内部照射(腔内照射、組織内照射など)の2つの方法があります。


外部照射
体の外から体内の病変部に対し放射線を照射する方法です。体表面から病変部までの距離に応じて、放射線の種類(X線、電子線など)や放射線のエネルギーを使い分けます。当院では、Varian社製TrueBeamを導入しており、病巣に多くの放射線を照射し、正常な臓器は可能な限り少ない線量にする強度変調放射線治療(IMRT)のような高精度放射線治療も行っています。
通常は、1日1回、月曜日~金曜日まで週5回(土日、祝日は基本的にお休みとなります)の治療を数週間かけて行います。

放射線治療装置(TrueBeam)
内部照射
体の中から放射線を照射する治療のことです。
腔内照射
病変のある腔内に専用の器具を挿入し、器具の中に放射線源を送り込み、体内から照射します。当院では遠隔操作で放射線源(イリジウム192)を送り込む装置Remote After Loading System(RALS装置)を使用して治療します。
特に子宮・気管支・胆道・食道・直腸などの管腔臓器に発生した腫瘍に対して行われますが、当院では、主に子宮頸部腫瘍に対して行っています。
組織内照射
病変部に線源挿入器具(アプリケーター)を刺入し放射線源を挿入、または放射線源を病変部に留置して体内から照射します。当院では、前立腺癌に対してヨウ素125シード線源永久挿入による密封小線源治療を行っています。

  

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放射線治療の流れ

1.診察
治療開始前に放射線治療専門医師によって、患者様の全身状態および症状などを診察し、治療方法、合併症や副作用などの説明を行います。
2.治療計画
CT装置にて治療計画に使用する画像を撮影します。病変部に対して適切に放射線を照射するために、治療計画用CT画像や他の検査結果をもとにして、治療計画装置で最適な照射方法を計画します。
3.照射
通常1回の治療に要する時間は10分程度です。
照射初日は照射部位の確認をX線画像やCT画像を用いて行い皮膚や固定具に印をつけるため、15分~20分程度かかります。
4.経過観察
当院では、毎週水曜日は定期診察日となっており、治療期間中の全身状態および病状の変化を治療専門医が診察します。

放射線治療用CT装置
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Q&A(注意事項)

Q. 治療の期間はどのぐらいですか?
治療の期間は、病変の種類、大きさや場所、治療の目的などによって異なります。外部照射では、5~8週間の治療を行うこともあれば、1回のみの場合もあります。また同じ病気でも、患者様一人一人の全身状態によって、スケジュールが異なることがあります。担当の医師がご説明いたします。

Q. 放射線治療は痛いですか?
胸部エックス線撮影やCT検査と同様に、放射線の照射により痛みや熱などを感じることはありません。内部照射の場合、病巣の中や近くに治療用の器具を挿入するため、痛み止めや麻酔を使用することがあります。

Q. 日常生活で気をつける点はありますか?
放射線治療中も、通常は普段通りの生活を続ける事ができます。仕事をしながら治療に通う事も可能です。しかし、治療が進むにつれて疲れやすくなったり、副作用が見られたりすることがあります。十分に休息をとるようにしましょう。

Q. 温泉には入っても大丈夫ですか?
放射線治療により、皮膚が弱くなっている可能性がありますので、治療中(場合によっては治療後しばらく)は温泉に入るのを控えることをお勧めします。

Q. 食事はどのようなものをとればいいですか?
特に制限はありませんが、放射線治療中はビタミンやミネラルを豊富に含んだ栄養のある食事をとるようにしましょう。
頭頸部や胸部の治療を行っている場合は、放射線の副作用によって、のどの痛みや飲み込みにくさが出現することがあります。やわらかい物や刺激の少ない食べ物をとるように心がけましょう。

Q. 家族や周りの人に放射線の影響はありますか?
外部照射と腔内照射では治療を行う時だけ照射装置から放射線が出るため、治療が終わった後に、周囲の人への影響を与えることは全くありません。お子さんにも通常通り接することができます。
しかし、前立腺癌の密封小線源治療は放射線源を体内に埋め込むため、周囲の人の影響を考慮する必要がありますが、放射線の強度が低い為、ほとんどの方は通常通りの接し方で影響はありません。ただし、胎児への影響を考えて妊婦または小さいお子さんとは術後2か月程度は距離を保っていただくように心がけてください。治療を行う際は、診療放射線技師が周囲の方への影響についてご説明します。

診療放射線技師の役割

放射線治療は、医師、診療放射線技師、看護師など様々な職種のスタッフがお互いに協力し、患者様に安心して安全な治療を受けていただけるよう努力しています。放射線治療における診療放射線技師の業務は、診療に於いては治療計画に用いるCT撮影、快適かつ正確な治療を行うための固定具・補助具の作製、投与線量に関わる線量の計算、照射業務など多岐にわたります。また、放射線治療に用いる装置全般の精度を管理することや、治療室から基準値以上の放射線が漏洩していないかを管理することなども重要な業務です。すなわち、患者様に対する診療業務はもちろん医療安全対策まで行っています。当院には”放射線治療専門医”と”放射線治療専門放射線技師”の認定者のほか、”放射線治療品質管理士”や“医学物理士”により、精度管理を入念に行っております。
担当スタッフと患者様は、通常月曜日から金曜日まで約1ヶ月の治療期間中毎日お会いします。10分程度の短い時間ですが、コミュニケーションを大切にし、身近なこともご相談できるよう業務を行っております。ご質問などはお気軽にスタッフにお声掛け下さい。

国立病院機構熊本医療センター
860-0008 熊本県熊本市中央区二の丸1-5
TEL:096-353-6501 FAX:096-325-2519
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