診療実績
症例数・治療・成績
新規患者数(人) | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
---|---|---|---|
急性白血病 | 57 | 37 | 55 |
悪性リンパ腫 | 99 | 96 | 109 |
骨髄異形成症候群 | 46 | 41 | 29 |
多発性骨髄腫 | 42 | 34 | 34 |
成人T細胞白血病 | 16 | 13 | 8 |
その他腫瘍 | 40 | 26 | 25 |
血球減少症など(1) | 87 | 54 | 45 |
(1)再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、溶血性貧血など
1.血液疾患
2.造血幹細胞移植
当センターでは適応に応じて自己末梢血幹細胞移植、同種骨髄移植、同種末梢血幹細胞移植、臍帯血移植が可能です。また骨髄バンク、臍帯血バンクから認定された骨髄移植センターです。 医師、看護師、歯科医師、薬剤師、栄養管理士によるチーム医療をクリティカルパスを用いて行っています。2021年の移植症例数は自家末梢血幹細胞移植16例、同種移植が40例で、令和3年末までの移植総数は自家末梢血幹細胞移植308例、骨髄バンク移植235例、血縁者間移植440例、臍帯血移植228例とわが国トップクラスの症例数です。
熊本大学医学部血液内科などの熊本県下の主要な血液専門病院と毎月1回造血幹細胞移植連絡会を開催し、県下の移植症例のスムーズな医療連携を図っており、強力な連携体制をとっています。平成21年9月に完成した新病院には血液病棟に15床からなる無菌ユニットが設置されました。この無菌ユニット以外にも血液病棟本体の個室のうち2床はクラス10000の無菌室として可能な要件を備えており、さらに2015年2月には4床部屋2室、2016年および2018年にもそれぞれ4床部屋1室がクリーンルームに改装され最大33床の無菌室体制が可能となったため従来に比べ余裕を持って運用してゆくことが可能となりました。
国立病院機構熊本医療センター内科における造血幹細胞移植のあゆみ
1991 | 県内初の同種骨髄移植開始(2月21日) 無菌室1室設置(9月)、クリーンベッド購入(3台) |
1992 | 本邦初の骨髄液の海外搬送(九州骨髄バンク) (本院で骨髄液を採取し、ドイツ・ジュセルドルフへ空輸して移植した) |
1993 | 自己末梢血幹細胞移植(PBSCT)の開始 |
1994 | 骨髄バンク(財)での、非血縁ドナーによる同種骨髄移植の開始(1994年度2例施行) |
1995 | 同種末梢血幹細胞移植(PBSCT)の開始 |
1996 | 固形癌(精巣腫瘍)への自己PBSCTの開始 年間の造血幹細胞移植数25例に達す |
1998 | 本邦初の成人の臍帯血幹細胞移植を施行 |
2000 | ミニトランスプラント開始(2000年度2例) |
2004 | 単行本“造血幹細胞移植の看護”を南江堂より出版 |
2006 | 同種移植数300例を超える 過去3年の年間平均同種移植数全国6位にランクされる |
2007 | 造血幹細胞移植数500例に達す |
2008 | 複数臍帯血移植の開始 |
2012 | 同種幹細胞移植数500例に達す |
2014 | 「造血幹細胞移植の看護」の改訂版刊行 |
2015 | 4床部屋2室を無菌室に改装。無菌室は計25床に |
2016 | 4床部屋1室を無菌室に改装。無菌室は計29床に |
2018 | 造血幹細胞移植数1000例に達す 4床部屋1室を無菌室に改装。無菌室は計33床に |
2019 | 同種移植のうち骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植の全てで200例を超える |
2020 | 造血幹細胞移植センターを設立 |
血液疾患のクリティカルパスも実例を記述しており、2004年1月に発行し、お陰様で2014年に改訂版を刊行しました。
3.がん化学療法・緩和ケア
4.その他
-
a)臨床研究・治験
臨床研究では、我が国の最先端の各種の臨床研究に参加しています。さらに、国立病院機構ネットワークの基幹研究施設として共同研究に積極的に取り組んでおり、全国的に展開される血液疾患の治療研究にも参加しています。また、白血病、骨髄異形成症候群、リンパ腫、ATLなど数多くの臨床治験を受託し、期待される新規薬剤の開発にも貢献しています。
-
b)地域連携・クリティカルパス
当センターは、地域連携・クリティカルパスに取り組んできましたが、当科でも、造血幹細胞移植、各種化学療法のクリティカルパスの作成を行い、日常診療に使用しています。
現在は、電子カルテによるクリティカルパスを使用しており、さらに地域連携クリティカルパスを実施の段階に入っています。クリティカルパスを使用することにより、患者様へ治療や検査の日程などを具体的に説明可能となり、より安心した治療の提供が出来るようになりました。
また、医療者側にとりましてもすべての職種の医療従事者が同じクリティカルパスを共有することでチーム医療が容易となりました。
報道発表
国立大学法人京都大学
国立研究開発法人国立がん研究センター
公益財団法人慈愛会今村総合病院
独立行政法人国立病院機構熊本医療センター