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臨床研究部長あいさつ

熊本医療センター臨床研究部は、国際医療協力に関連する研究を柱として1993年10月に創設されました。以来、臨床現場に根ざした研究を推進するのみならず、国立病院機構の一員として全国143病院のネットワークを生かし、多施設共同臨床研究や大規模臨床研究などにも大きく貢献しています。 また、当院基本理念である「最新の知識・医療技術と礼節をもって良質で安全な医療」の実践を確実なものとする役割を担っています。
当院臨床研究部は、下記の5つの専門性の異なる研究室を持ち、各々の視点から研究成果を上げています。

  • 特殊疾病研究室
  • 予防医学研究室
  • 情報調査研究室
  • 技術開発研究室
  • 病理研究室

また、よりよい医療のために必要な新規薬剤の開発治験にも積極的に取り組み、研究成果をいち早く還元できるよう努めています。今後とも臨床研究を通じて、医学、医療の発展に資するべく引き続き取り組んでまいります。

臨床研究部長 富田正郎

沿革

当院は1985年4月に蟻田功院長が就任して以来、国際医療協力、特に、開発途上国の医療従事者の研修に力を注いできていました。1986年4月には、当時厚生省から国際医療協力基幹施設に指定されています。この国際医療協力の実績を背景に、1993年10月に臨床研究部が創設されました。当初は、当時の宮崎久義院長が事務取扱となり、1994年4月から河野文夫前院長が初代臨床研究部長に就任しました。

本臨床研究部の研究テーマは、発展途上国の医療協力に必要不可欠な領域の「感染症」が主体で、開発途上国におけるC型肝炎やHIV感染の疫学研究を行うと同時に、院内感染予防の国際ネットーワークを形成してきました。2000年10月にはエジプトのスエズ運河大学病院、2002年5月には中国の広西医科大学と姉妹病院の締結を行っています。

2008年4月からは河野副院長(臨床研究部長兼任)が副院長専任となり、外科医長芳賀克夫が臨床研究部長に昇任しています。2009年11月には、タイの国立コンケン病院、エジプトのファイユーム大学病院と姉妹病院の締結がなされ、活発に共同研究がすすめられました。加えて、独自の外科手術のリスク評価法であるE-PASSの有用性が広く認められ活用されています。
2017年9月、芳賀克夫部長が院長として天草中央総合病院に転出し、後任として11月に血液内科部長日高道弘が臨床研究部長に就任しています。

研究室の紹介

特殊疾病研究室

  • C型肝炎ウイルス高侵淫地域における宿主側の感染因子の研究(エジプト・スエズ運河大学臨床病理学部門との共同研究)
    毎年、エジプト・スエズ運河大学で開催される集団研修コース“感染症セミナー”に当院から講師を2名派遣しています。
  • 諸外国における院内感染対策の応用に関する研究
  • 同種血液幹細胞移植による悪性腫瘍の治癒率の向上に関する研究
  • 消化器外科領域におけるリスク調整死亡率モデルの作製に関する研究
  • 成人T細胞白血病の発症及び治療効果予知に関する研究

予防医学研究室

  • 糖尿病診療の国際比較に関する研究(広西医科大学病院内分泌内科との共同研究)
  • 国立病院機構施設における効果的な院内感染の確立に関する研究
  • バゾプレシンを併用した蘇生法の研究

情報調査研究室

  • 国際医療協力ネットワーク構築に必要な情報システムの研究
    ニュースレター“NETWORK”を刊行し、医療情報の発信と交換を行っています。
  • 同種培養表皮幹細胞移植による難治性潰瘍の治療に関する研究
  • 禁煙支援方法の開発と評価に関する研究
  • 遺伝性腎疾患の遺伝子解析と疾患病態の解明

技術開発研究室

  • 薬剤耐性菌の発生動向ネットワークに関する研究
  • 上部尿路がんに対する内視鏡的診断と治療
  • 無症候性微小脳出血(microbleeds)の病態と臨床的意義に関する研究
  • 原因不明の両側性感音性難聴に対する治療に関する研究
  • 救急医療における精神状態評価尺度の開発に関する研究

病理研究室

  • 新臨床研修制度に対応した研修病院での臨床病理学教育に関する研究