核医学検査このページを印刷する - 核医学検査

核医学検査とは?

ガンマカメラ装置

少量の放射性医薬品を静脈注射や経口投与し、放射性医薬品が目的の臓器や組織に集まったところを特殊なカメラ(ガンマカメラ)で撮影していきます。この検査によって、臓器の形態や機能などがわかります。

核医学検査は、「RI(アールアイ)検査」や「シンチ」と呼ぶこともあります。放射性医薬品は、アイソトープとも呼ばれ、微量な放射線を出す放射性同位元素(RI)を含んだ薬です。検査に用いる薬は時間とともに放射線を出す能力がなくなり、体からも排出されます。また、副作用も極めて少ない薬です。

主な検査内容

  • 骨シンチ
    全身の骨の状態を撮影することで、主にがんによる骨転移を調べますが、骨折や骨髄炎・関節炎などの診断にも用いられます。
  • 脳血流シンチ
    脳の血流を画像化することで、脳血管障害の病態変化、認知症や変性疾患の鑑別診断に用いられます。
  • 心筋シンチ
    心筋の血流や機能を画像化することで、狭心症や心筋梗塞の診断に用いられます。
  • その他
    ガリウムシンチ・肝アシアロシンチ・腎動態シンチ・肺血流シンチ・甲状腺シンチ・出血シンチ・副腎髄質シンチ・副腎皮質シンチなどの検査があります。

検査画像

  • 骨シンチ
  • 脳血流シンチ
  • 脳血流シンチ
  • 心筋シンチ(負荷時)
    で示す部分→心筋の虚血が分かります
  • 心筋シンチ(安静時)

検査時間

検査によって目的の臓器に放射性医薬品が集まるまでの時間が異なります。 放射性医薬品を投与後、すぐに検査開始出来る検査と、数時間から数日後の検査になるものがあります。 撮影時間は短い検査で20分、長い検査で1時間程度です。また、時間をおいて数回撮影することがあります。

注意事項

  • ガリウムシンチ:検査日(撮影日)前日に下剤を服用ください。
  • 心筋シンチ:朝食は食べないでください。
  • 甲状腺摂取率測定:ヨード制限食(検査日の10日前より)の食事となります。
  • 副腎髄質、副腎皮質シンチ:注射日3日前よりヨウ化カリウム丸を服用ください。
その他の検査では食事の制限は特にありません。また全ての検査に関して飲水の制限はありません。
妊娠中、および妊娠の可能性がある方、授乳中の方は事前にお申し出ください。
検査によっては検査前に気をつけなければならない事項がありますので、ご協力をお願いいたします。

診療放射線技師の役割

核医学検査における診療放射線技師は、画像診断の一助としてこれまでの画像処理以外に、統計学的処理(e-ZISや3D-SSP等)を行って各診療科へ検査結果を提供することにより、医療の質の向上を目指しています。そのために研修会の参加や研究発表へ積極的に取り組んでいます。

検査方法がX線撮影やCT検査などと違っているため、われわれ診療放射線技師は、患者様が不安なくスムーズに検査を受けられるように丁寧な説明を心がけています。また、核医学検査では密封されていない放射性医薬品を扱いますので、管理区域といわれるエリア内で法令に従って使用しています。そのため診療放射線技師は、検査に使用する放射線量の適正な使用はもとより、使用後の廃棄物の管理も適切に行い、患者様をはじめ医療従事者、その他一般の方々が放射線の影響を受けないよう放射線の管理を十分に行っています。

その他、核医学検査機器の故障で検査が行えないことが起こらないように、日常点検による機器管理を行うことにより、安全にそして安心して検査を受けて頂けるよう努めています。 ご不明な点がありましたら、スタッフにお気軽にお声掛けください。