微生物検査室このページを印刷する - 微生物検査室

微生物検査とは

  • 感染症(肺炎、感染性胃腸炎など)を調べるための検査です。感染症は微生物によって起こります。
  • 微生物には細菌、真菌(カビ類)、ウイルス、寄生虫などがあります。微生物検査室では主に細菌と真菌の検査を行っています。
  • 感染症が疑われる患者様の材料(喀痰、尿、糞便、膿、血液など)から原因微生物を検出し、その微生物に対してどのような抗菌薬が有効であるかを検査します。
  • 迅速に原因微生物を特定することによって、適切な診断と治療を実施することができます。
  • 微生物検査では、材料の取り方と保管の仕方によって、検査の良否が決まります。患者様のご協力をよろしくお願いします。

微生物検査に用いる検体の取り方

材料の種類 採り方
喀痰
  • 早朝、起床直後に採取するのが最も良いです。
  • 腔内には細菌などの微生物がたくさんいるため、採取前にうがい(可能であれば歯磨き)をし、口腔内を清潔にします。
  • うがいの後、咳とともに痰を吐きだします。唾液や鼻粘液の混入はできるだけ避けます。
  • ティッシュペーパーなどの異物を入れてはいけません。
  • 痰の色が黄色や薄い緑のものが取れれば、よい検査ができます。
尿
  • 石鹸で手をよく洗います。
  • 出始めの尿は便器に排尿します。排尿を止めずに中間部分の尿を採尿コップに採ります。終わりの尿は便器に排尿します。
  • 採尿コップの口や内部に手指や皮膚、衣類が触れないように注意します。
  • 室温で長時間放置すると原因微生物の推定が困難になりますので、直ちに検査室へ提出ください。
糞便
  • 自然排便が望ましいです。
  • 水洗トイレを使用する場合は、水道水の混入を避けます。水に浸かっていない部分に排便します。
  • 親指程度の量を採り、採便容器に入れ蓋を閉めます。
  • 採取後は直ちに検査室へ提出ください。

微生物検査の内容

白血球に貪食されているブドウ球菌

検査の種類 検査の内容
塗抹検査 患者様から採取した材料をスライドガラスに塗布し、顕微鏡で観察します。染色性と形態から原因微生物を推定します。
培養・同定検査
  • 培養により細菌や真菌の種類を調べます。
  • 培養・同定検査は結果が出るまで2~7日くらいかかります(原因微生物の種類によって変わります)。
  • 抗酸菌(結核菌など)は、培養に多くの時間(8週間)がかかります。
薬剤感受性検査 培養で感染症の原因微生物が見つかった場合、どの種類の薬(抗菌薬)が有効かを調べます。
迅速検査
  • 培養で感染症の原因微生物が見つかった場合、どの種類の薬(抗菌薬)が有効かを調べます。
  • 専用キットを用いて数十分以内に検査がわかる簡易検査をいいます。
  • 当院では以下の迅速検査を実施しています。
    ・インフルエンザ抗原
    ・RSウイルス抗原
    ・ヒトメタニューモウイルス抗原
    ・マイコプラズマ抗原
    ・アデノウイルス抗原(咽頭・角結膜)
    ・A群溶連菌抗原
    ・尿中肺炎球菌抗原
    ・尿中レジオネラ抗原
    ・CDトキシン(糞便)
    ・ノロウイルス抗原(糞便)
    ・ロタウイルス抗原(糞便)
    ・アデノウイルス抗原(糞便)

院内感染対策活動

  • この他にも、院内感染対策チーム(ICT)に参加しています。社会問題となっている各種薬剤耐性菌(MRSAや多剤耐性緑膿菌など)による院内感染の監視を行っています。
  • 病院内の感染管理に役立つ情報の発信も行っています。