血液検査室このページを印刷する - 血液検査室

全身の健康状態を反映している血液。それを検査することで体の異常をある程度把握することができます。

血球計数と形態検査(紫のふたの採血管で検査します)

項目 内容
血球算定 赤血球・白血球・血小板の数を測定し、貧血・感染症・白血病・出血傾向などを検査します
血液像 血球算定の結果を顕微鏡で見て確認することで、貧血・感染症・白血病・血傾向の裏付けをとります
骨髄穿刺検査 採取された骨髄の細胞数を算定し、骨髄の細胞分画を検査します
(疾患の診断や治療効果判定に欠かせない検査の一つです)
特殊染色 白血病や悪性リンパ腫の種類を鑑別するために色々組み合わせて染色し同定します

血球計数(CBC)

血液は、EDTAという抗凝固剤入り採血管に採血されます。これを自動血球計数器(XE-2100)にかけて測ります。
血球算定では下記の項目について知ることが出来ます。
  • 白血球数
  • 赤血球数
  • 血色素量(ヘモグロビン)
  • ヘマトクリット
  • MCV(赤血球の大きさ)他
  • 血小板数
  • 網状赤血球数
  • 白血球分類(5分類)
これらの検査結果は機械から発せられる様々な情報を検査スタッフが可能な限りしっかりチェックし、採血上の問題がないかなども含め検査結果を提供しています。
XE-5000、XN-3000
血球計数画像

血液像(形態検査)

血液中の白血球・赤血球・血小板などの細胞形態を顕微鏡で観察することを血液像検査といいます。自動分析器による自動分類が普及し、顕微鏡観察と併用しています。わずかな異常細胞は顕微鏡下で初めて発見されることも少なくありません。わずかでも異常細胞を観察された場合は臨床の先生と連絡をとりあって判断していきます。必要に応じ骨髄検査や染色体・遺伝子検査へと進みます。
血液像(形態検査)画像

骨髄像(形態検査)

末梢血液検査の結果によっては骨髄穿刺を行い、胸骨または腸骨から骨髄液を採取し骨髄の造血機能の異常を調べます。血液疾患などの診断(診断へのエスコート)や治療効果、化学療法の効果の判定はもちろん、ウイルス感染などが原因で引き起こされた血球系の異常の原因検索に有用です。

凝固・線溶および出血傾向検査(黒いふたの採血管で検査します)

項目 内容
凝固線溶検査
  • 凝固検査
    血液中の凝固因子(血を固まらせる)の機能を調べる検査です(経口抗凝固薬のモニタリングにも利用されます)
  • 線溶系検査
    血中にできた血栓を溶かす機能を調べる検査です
出血時間 血液の止まる時間を調べる検査(血小板の働きをみる検査)です
血小板凝集能検査 血小板の機能(数はあっても機能異常があるなど)や薬(抗血小板薬)の効き具合などを調べる検査です
砂糖水試験 特殊な疾患(発作性夜間血色素尿症)が疑われる時のスクリーニング(可能性の有無)検査です

血液凝固線溶検査

何らかの原因で体の中に出血がおこると、生理的な反応として血管損傷部位に効果的な止血栓がつくられ、止血します。主として血管・血小板・凝固・線溶因子の共同作業で行われます。生体に不都合がおこらないように、うまくコントロールされて止血と循環が保たれています。これらの系のどこかに欠陥があると、検査値が異常になり出血や血栓傾向の診断に役立ちます。手術前の必須検査(一般的にはPTとAPTT)です。また血栓症(たとえば心筋梗塞など)の治療に使う抗凝固薬(血液を固まりにくくする薬)を服用されている患者さんでは、お薬の効果をみるために必要な検査です。

※血液検査室では5名の臨床検査技師(1名の認定血液検査技師)で、検体の状況や機器からのシグナルをしっかり受取り、可能な限り良質な検査値の報告に努めています。また、骨髄像(必要に応じ血液像)の形態検査は週に一回、臨床医(血液専門医師)と顕微鏡下でカンファレンスを行い、診断サポートに努めています。