泌尿器科 | 診療部門ご紹介 | 国立病院機構 熊本医療センター

泌尿器科

診療内容・特色

 尿潜血精査から尿路・性器悪性腫瘍、小児泌尿器科、尿失禁・下部尿路機能障害、男性不妊症まで泌尿器科全般の治療を行っています。特に、尿路性器腫瘍(腎細胞癌、腎盂・尿管癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣癌)の治療には力を入れており、膀胱癌を中心とした尿路上皮腫瘍は症例数、手術数においても国内有数です。また平成24年1月より前立腺肥大症に対してグリーンライトレーザーによる経尿道的前立腺蒸散術(PVP)を開始、平成26年3月からは放射線科の協力のもと、前立腺癌に対する密封小線源治療(ブラキセラピー)を導入しています。平成27年1月にはホルミウムレーザーによる尿管結石の治療も常時可能になりました。さらに、男性不妊症の診断、治療にも力を入れています。また、当院の特徴として救急救命センターを介して搬入される泌尿器科救急疾患(尿路外傷、重症尿路感染症等)にもすべて対応しています。
日本泌尿器科学会認定指導施設の認定を受けています。

外来診療

陣内 良映
銘苅 晋吾
菊川 浩明
前田 喜寛
二口 芳樹
担当医
(手術日)
(紹介のみ)
陣内 良映
鮫島 智洋
担当医
菊川 浩明
前田 喜寛

症例数・治療・成績

 病棟は常時30~40名の入院があります。平成29年度の新入院患者総数は1,314名でした。平均在院日数も9.4日です。外来はのべ12,023名(新患者紹介791名)の新患紹介・受診がありました。尿路悪性腫瘍を中心に診療をおこなっており、特に腎臓癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣癌など多くの症例を紹介頂いています。
 膀胱癌症例の約8割は内視鏡下切除(TUR-BT)にて治癒可能です(昨年度症例数181例)。内視鏡的治療が困難な浸潤性膀胱癌で膀胱温存を目指す場合は、放射線科の協力で抗癌剤動脈内注入療法を施行後、内視鏡切除術・放射線照射を追加します。膀胱全摘が必要な場合は、尿路変更としてストーマ(尿袋)の要らない自然排尿型新膀胱形成術(Studer変法)も取り入れ、個々の症例に応じた治療を行っています。現在までに約370例の膀胱全摘術を経験しており、症例数としては国内トップレベルです。
 増加の著しい前立腺癌に対しては、まず1泊入院で針生検を行い外来で病期診断を行った後、治療方針を決定します。ホルモン治療や手術療法、放射線療法(±ブラキセラピー)など、総合病院の特性を活かした治療選択枝を揃え対応しています。特にブラキセラピーは患者様の希望も多く、現在週1例のペースで施行し、治療開始より160名ほどの治療経験を得ました。初期のブラキセラピーの適応は低リスクの前立腺癌のみでしたが、現在では適応拡大され高リスクまで行うようになり、ブラキセラピー+外照射+ホルモン療法で行うトリモダリティーではどの治療法にも負けない成績が示されています。当科もガイドラインに則り治療経験を積み重ね、学会等でも情報発信していきたいと考えています。
 腎臓癌に対しては鏡視下手術も含め、種々の分子標的薬や免疫療法による治療法も行っています。治療診断の付きにくい腎盂・尿管腫瘍は積極的に尿管ファイバーを施行し、可能な症例については腎臓温存術も行っています。当科ではホルミウムレーザーに加え尿管切除刀も所有しているため、県内で唯一尿管内内視鏡治療が可能です。
 女性の尿失禁手術(TVT,TOT手術)もこれまでに60例ほど行い、骨盤臓器脱手術(TVM)も65例ほど経験し良好な成績をあげています。平成24年1月に全国に先駆け導入したグリーンライトレーザーによる経尿道的前立腺蒸散術(PVP)は出血もほとんどないため1週間弱の入院で治療可能です。現在までに400例程の患者様がグリーンライトレーザー治療を受けられました。
 また、平成27年1月よりホルミウムレーザーを新たに導入し、尿管結石の治療も可能になりました。急性期病院の使命として、主に体外衝撃波治療で砕石できなかった患者様や全身状態が悪いリスクの高い患者様などを対象にしています。現在までに183名にレーザー結石破砕術を行いました。
 さらに、数年前より男性不妊症の診断、治療にも力をいれており、現在まで200名程の患者紹介があり、45名程が精索静脈瘤手術(ドップラー血流計を用いた低位結紮術)を受けられています。この手術により平均10倍ほど精子数が増加し、自然妊娠にいたった患者様もおられます。少子化対策の一環として、この分野にも積極的に参加していきたいと考えています。
 平成29年度の麻酔科管理総手術件数は622件でした。

医療設備

鏡視下手術システム(2台)、グリーンライトレーザー装置、超音波診断装置(2台)、尿流動態検査装置 、軟性膀胱鏡ビデオシステム、TURisシステム (副作用の少ない生理食塩水を使用したTURシステム)、密封小線源治療計画装置、ホルミウムレーザー装置、超音波砕石装置

スタッフ紹介

職名/氏名・免許取得年度 専門医・所属学会など 専門分野

部長
キクカワ ヒロアキ
菊川 浩明

平成2年

  • 日本泌尿器科学会認定指導医・専門医
  • 日本泌尿器科学会評議員
  • 身体障害者福祉法認定医(膀胱)
  • 日本がん治療認定医機構暫定教育医
  • 熊本大学医学部 臨床教授
  • 熊本大学大学院 医学博士
  • 厚生労働省緩和ケア研修修了
  • 泌尿器科悪性腫瘍(膀胱癌、前立腺癌、腎臓癌など)
  • 泌尿器科一般
  • 救急疾患(尿路外傷、重傷感染症)
  • 神経因性膀胱、排尿障害
  • 鏡視下手術
  • 婦人泌尿器科(尿失禁、骨盤臓器脱)
  • 厚生労働省緩和ケア研修修了

医長
ジンノウチ ヨシテル
陣内 良映

平成3年

  • 日本泌尿器科学会認定指導医・専門医
  • 日本泌尿器科学会評議員
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 熊本大学大学院 医学博士
  • 厚生労働省緩和ケア研修修了
  • 泌尿器科悪性腫瘍(膀胱癌、前立腺癌、腎臓癌など)
  • 神経因性膀胱、排尿障害
  • 泌尿器科一般
  • 救急疾患
  • 鏡視下手術
  • 婦人泌尿器科(尿失禁、骨盤臓器脱)

医長
マエダ ヨシヒロ
前田 喜寛

平成15年

  • 日本泌尿器科学会認定指導医・専門医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 熊本大学大学院 医学博士
  • 厚生労働省緩和ケア研修修了
  • 泌尿器科悪性腫瘍(腎細胞癌)
  • 神経因性膀胱、排尿障害
  • 泌尿器科一般

医師
フタクチ ヨシキ
二口 芳樹

平成20年

  • 日本泌尿器科学会認定専門医
  • 厚生労働省緩和ケア研修修了
  • 泌尿器科一般

医師
メカル シンゴ
銘苅 晋吾

平成22年

  • 日本泌尿器科学会認定専門医
  • 厚生労働省緩和ケア研修修了
  • 泌尿器科一般

医師
サメシマ トモヒロ
鮫島 智洋

平成24年

  • 日本泌尿器科学会員
  • 厚生労働省緩和ケア研修修了
  • 泌尿器科一般

医師
ニシザワ ヒデカズ
西澤 秀和

平成26年

  • 日本泌尿器科学会員
  • 厚生労働省緩和ケア研修修了
  • 泌尿器科一般

今後の目標・展望

 平成26年3月より前立腺癌に対して開始した密封小線源療法(ブラキセラピー)は手術に劣らない効果があり、手術療法の合併症としてみられる尿失禁、勃起障害(ED)にもほとんど影響を与えないなど、患者さまのニーズに合った治療法として定着しました。そのため治療希望者が多く、患者様には治療開始までしばらくの間お待ちいただかねばなりません。前立腺癌は他のがんと異なり、一般にゆっくりと進んでいくことが分かっています。紹介いただきました患者様は、治療日まで紹介元の先生のところで、経過観察あるいはホルモン療法を継続して待機いただくことになりますので、どうぞ宜しくお願い致します。
 また、昨年度、ホルミウムレーザーに加え超音波砕石装置も導入できましたので、これまで常時できなかった腎・尿管結石の治療もf-TUL、PNLを中心に可能となりました。尿路結石の内視鏡治療はすべて網羅していますので、お困りの患者様がいらっしゃいましたらご紹介の程お願い致します。


(ウログラムカンファレンスのご案内)
 毎月第2火曜: 午後7時より3階第1カンファレンス室にて放射線科の先生方を交えて、症例検討会を行っています。登録医あるいは開業医の先生方で、診断に迷う症例、お困りの症例等ございましたら、ぜひご参加お願いいたします。

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