平成27年度 国立病院機構熊本医療センター 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 432 301 378 592 893 1303 2422 3020 2708 752
2015年度に退院した患者数を10才刻みの年齢階級別に集計しています。年齢は入院日の満年齢となります。

当院の年齢3区分における患者構成は、年少(15才未満)が約0.5%、生産年齢(15才以上65才未満)が約35.5%、老年(65才以上)が約60%です。特に70才以上の患者の割合は全体の50.6%で半数を占めており、高齢者の受療率が高いことを示しています。

年齢階級別に疾患の特徴を示すと以下のようになります。
0~10才代の主な疾患は外傷、食物アレルギーです。食物アレルギーで食物負荷試験を行う患者様の76%が5才以下となっています。
20~30才代は受療率が低い世代ですが、外傷、妊娠糖尿病の教育入院、急性薬物中毒の精神科身体合併症が特徴的です。
40才代以降はがんの患者割合が高くなっています。40~60才代は子宮がん、卵巣がんなどの婦人科がん、60~80才代は消化器のがんや膀胱がん、前立腺がんの患者数が多くなっています。当院におけるがん患者様の割合は全体の22.5%で、そのうち白血病やリンパ腫などの血液腫瘍は26.8%と高い割合を占めます。当院で治療を受ける血液腫瘍の患者様は、若年から老年まで全年齢層にわたります。
70才代はがんに加えて老人性白内障、脳梗塞やくも膜下出血などの脳卒中、急性心筋梗塞や心不全などの循環器疾患、胆道疾患などが特徴的です。
80才代以降では上記に加え、誤嚥性肺炎や大腿骨の骨折などが主な疾患に挙げられます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎の治療 176 21.28 21.69 65.91 80.58
161070xxxxx00x 急性薬物中毒の治療 91 6.35 3.58 7.69 41.93
040080x099x0xx 急性肺炎、急性気管支炎(15歳以上)の治療 83 17.86 14.34 39.76 78.17
救急科では、2015年度は約1,300名の入院患者様の診療を行いました。DPCの統計では、重症肺炎などの重厚呼吸不全の治療、薬物や毒物などによる中毒治療が多い疾患として集計されましたが、その他にも様々な感染症が重症化した状態(敗血症・敗血症性ショックといいます)に対する集学的な治療や、心停止蘇生後症候群に対する脳保護治療(脳低温治療)も積極的に行っております。多くの重症患者様の救命のために、24時間365日断らない救急医療と、6床の集中治療室(ICU)と44床の救命救急病棟での集学的治療を行っております。
精神科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
161070xxxxx00x 急性薬物中毒の治療 46 7.85 3.58 26.09 38.37
161070xxxxx01x 急性薬物中毒(誤嚥性肺炎合併)の治療 - - 7.69 - -
170020xxxxxx1x アルコール依存の離脱症状の治療 - - 6.13 - -
当科は精神疾患および精神疾患に身体合併症を併発した患者様の急性期医療を行っており、過量服薬(自殺企図)による「急性薬物中毒」のような緊急入院を多く受け入れています。従って、まずは全身状態の治療を救命救急センターで行い、状態が落ち着いたら精神科病棟にて加療する場合が多いです。本指標における精神科の患者数は、そういった救命病棟などの一般病棟に入院したのち精神科病棟に転棟した患者様や、精神科医師を主治医とする一般病棟に入院した患者様が対象です。そのため分類によっては患者数が10未満である「-」となっている項目があります。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx99100x 肺異常陰影の検査 39 2.26 3.29 2.56 70.69
040080x099x0xx 肺炎などの呼吸器感染症 38 13.66 14.34 18.42 70.87
040040xx9904xx 肺癌の化学療法 13 9.69 13.38 0.00 65.00
当科で取り扱う疾患は、肺炎(気管支炎、急性呼吸不全等を含む)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支喘息、間質性肺炎、肺癌、気胸、胸膜炎などであり、それらの診断および加療を日々行っています。患者数としては肺癌の比率が最も多く、その次に多いのが肺炎などの呼吸器感染症です。肺癌については気管支鏡検査による細胞・組織検査から診断を行っています。診断確定した症例の内、外科的治療の適応ありと判断された場合は、当院内に呼吸器外科不在のため他院を御紹介させて頂いていますが、そうでない場合には化学療法(抗癌剤治療)や放射線治療などを当科にて行っています。肺炎は全年齢で発症しうる疾患ですが、高齢者の死亡原因としては上位に入るため早期に治療を開始するよう努めています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管炎 内視鏡的胆道ステント留置術等 92 10.01 10.93 16.30 76.95
060140xx97x00x 急性出血性胃潰瘍 内視鏡的消化管止血術等 65 10.40 11.00 15.38 71.85
060102xx99xxxx 大腸小腸憩室炎の治療 63 7.97 7.91 9.52 68.49
消化器内科は消化器疾患全般にわたり救急医療から一般診療に対応しています。消化器疾患として、消化管疾患、肝疾患、胆膵疾患を扱い、それぞれにエキスパートを配しています。特に近年増加傾向にある胆道疾患が多く、救急症例として、結石性胆管炎や胆管がんによる閉塞性黄疸に対する内視鏡的ドレナージ、急性胆嚢炎、急性膵炎や膵癌に対する治療を迅速に行っています。消化管疾患としては、特に内視鏡手術に力を入れ、胃の粘膜下層剥離術(ESD)はもとより、食道、大腸ESDを数多く行っています。救急疾患では、急性胃十二指腸潰瘍出血やイレウスなどに対して即座に対応できる体制を整備しています。また、虚血性腸炎や大腸憩室炎および憩室出血も数多く診療しています。肝疾患では、肝炎から肝硬変、肝がんを包括的に扱い、最近注目を浴びているC型慢性肝炎に対するインターフェロンフリーDAAs治療、肝がんに対するラジオ波焼灼療法(RFA)、肝動脈化学塞栓術(TACE)、肝硬変の難治性腹水に対する腹水濾過濃縮再静注法(CART)を数多く手掛けています。これらの診療には、外科、放射線科、救急科との院内連携により適切で安全に行える体制ができています。常に患者様の視点に立った診療を基本に、新しい知識と技術を取り入れた良質の医療を提供しています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症・慢性虚血性心疾患 心臓カテーテル検査 134 3.41 3.07 0.75 68.92
050130xx99000x 心不全の治療 103 17.21 18.30 32.04 82.31
050030xx97000x 急性心筋梗塞 経皮的冠動脈ステント留置術等(PCI) 98 12.74 13.26 11.22 72.88
循環器内科で最も多い疾患は、虚血性心疾患(狭心症・急性心筋梗塞)です。心臓を栄養する血管(冠動脈)の動脈硬化が原因です。高血圧症、糖尿病、脂質異常症、喫煙などの生活習慣病が原因となり、最近、高齢者だけでなく、40~60歳台が増えてきています。侵襲の少ないカテーテル検査、治療を行っています。
また、高齢者の心不全、心筋梗塞後の心不全も増加してきました。薬物療法を行い、適応があれば、CRT-D(埋め込み型除細動器付き両室ペースメーカー)植え込み術を行っています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080270xxxx0xxx 食物アレルギーの食物負荷試験 198 1.29 2.63 0.00 4.18
040080x1xxx0xx 急性肺炎・急性気管支炎の治療 68 5.35 5.72 1.47 3.62
040100xxxxx00x 喘息の治療 30 6.27 6.31 0.00 5.70
小児疾患全般にわたって診療をおこなっていますが、とくにアレルギー疾患(食物アレルギー)、血液疾患、免疫不全症について専門的な診療をおこなっています。平成27年の入院患者数は473名で、そのうち半数の236名がアレルギー疾患でした。食物アレルギーの負荷試験が大部分です。食事除去の必要性や除去食解除の可否につき判定し食事指導をおこなっています。検査中のアナフィラキシーに対応するために、担当医師が付きっ切りで管理実施しています。食物負荷試験では熊本県下で最大の件数を誇ります。その他一部の難治性喘息に対して抗IgEモノクローナル抗体療法、アトピー性皮膚炎に対しては外来でアレルギー認定看護師を交えて治療・指導をおこなっています。血液疾患は36名の入院数で、白血病や特発性血小板減少症などに対して化学療法、免疫抑制療法、造血幹細胞移植(非血縁ドナーからの造血幹細胞移植も含む)をおこなっています。免疫不全症は頻回の発熱(感染症)がみられる子どもが対象となり、低ガンマグロブリン血症や自己免疫性好中球減少症、周期性発熱症候群などで26名の入院でした。その他、川崎病、てんかん、熱性痙攣、呼吸器・消化器感染症など小児科一般疾患の入院で占められます。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060335xx0200xx 胆のう炎(結石性含む) 腹腔鏡下胆嚢摘出術・腹腔鏡下胆嚢摘出術等 78 7.71 7.84 12.82 63.26
060150xx03xx0x 虫垂炎 虫垂切除術 68 5.06 5.56 1.47 38.47
060330xx02xxxx 胆のう結石 腹腔鏡下胆嚢摘出術 59 6.64 6.96 3.39 60.12
当院外科の特徴は手術全体の3割が消化器領域の悪性腫瘍手術、3割が腹膜炎、急性胆嚢炎、虫垂炎、イレウスなどの緊急手術、残りの4割が他の胆石やヘルニアなどの予定手術となっています。大腸癌手術件数は約150例でそのうち6割が腹腔鏡手術になっています。麻酔科、コメディカルの協力体制も確立され、夜間緊急においても適応症例では腹腔鏡下手術を積極的に導入しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 大腿骨近位骨折の手術 235 16.33 28.70 91.49 82.84
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性含む) 人工関節置換術 82 19.30 27.21 62.20 76.40
07040xxx01xx0x 股関節骨頭壊死(変形性含む)の手術 52 18.73 24.95 44.23 69.06
平成27年度の整形外科手術は1099件で、半数以上は骨折に対する手術(多発外傷、骨盤骨折、開放骨折などの重症例多数含む)ですが、その他にも、脊椎手術:157例、人工股関節全置換術:92例、骨盤回転骨切り術:4例、人工膝関節置換術:80例、高位脛骨骨切り術:17例を代表とする難易度の高い手術も多数行い、良好な成績を得ています。当院は全診療科が揃っていて、合併症を有している患者様でも安全に手術を行う事ができ、小児骨折の緊急手術に対応可能で、熊本県下では唯一、精神疾患をお持ちの患者様でも手術を行う事ができます。現在、力を入れているのは、人工関節置換術と骨切り術での両側同時手術で、2013年10月より現在までに、人工膝関節全置換術:28例、人工膝関節部分置換術:5例、高位脛骨骨切り術:6例、人工股関節全置換術:10例、の合計49例施行し、良好な成績を得ています。今後も手術療法の成績向上と低侵襲化を目指し、患者様に安全でより高度な医療を提供できるように努めて参ります。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷含む) 顔面骨骨折整復術 27 7.33 5.86 3.70 40.33
020230xx97x0xx 眼瞼下垂症の手術 23 4.57 3.54 0.00 67.04
070570xx010xxx 瘢痕拘縮の形成手術 21 6.67 6.36 0.00 42.57
形成外科は体表のあらゆる形態異常、外傷またそれに伴う機能異常を手術治療、創傷治療によって修復、改善する診療科目です。機能回復、生活の質(Quality of life)の向上をした専門分野であり、顔面を中心に露出部の手術が多いのが特徴です。
外傷では顔面骨骨折症例が最も多く、小児例や眼窩底骨折では吸収性プレートを主に使用し抜釘不要の手術を行っています。顔面機能再建では眼瞼下垂症例が多く、先天性、加齢性、外傷性、麻痺性など病態に応じて挙筋前転術、腱膜固定術、筋膜移植術を行っています。
外傷後や術後の瘢痕拘縮およびケロイド瘢痕症例の治療では、瘢痕形成手術に加え必要に応じて放射線療法を併用し、再発予防をしています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010040x099x00x 非外傷性の頭蓋内出血(保存的治療) 68 9.82 19.32 92.65 71.81
160100xx99x00x 頭部外傷による頭蓋内出血 64 6.08 7.52 54.69 65.44
160100xx97x00x 頭部外傷による頭蓋内出血(手術例) 45 8.44 10.02 62.22 67.33
非外傷性の頭蓋内出血では高血圧性脳内出血を最も多く治療しています。特に意識障害が高度でない例(JCS10以下)で手術を要しない場合は、発症数日後よりリハビリ訓練を開始します。言語障害や麻痺等の機能回復には早期の積極的リハビリが必須ですので、全国平均の約半分の入院期間10日目にリハビリ専門施設へ転院を図っています。
一方、頭部外傷による頭蓋内出血では、脳挫傷、外傷性くも膜下出血、急性硬膜外血腫および急性硬膜下血腫を多く治療します。外傷性血腫は、受傷後短時間内に血腫が増大し重症化する事例も希でないので、搬入当日に複数回の頭部CTを撮影するなど手術機会を見逃さないようにし、かつ入院期間も短縮しています。急性血腫が消失しても尚、1-2ヶ月後に慢性血腫や水頭症を続発し手術を要する例がありますので、退院後も転院先病院と連携して観察し早期発見と治療に努めています。また、入院に至らない軽傷例についても注意ノート「頭部を打撲された方へ」を外来で配布し、亜急性期~慢性期にかけて発生する症状について注意喚起を促しています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤 ステントグラフト内挿術 13 13.77 13.19 7.69 80.85
050161xx9900xx 解離性大動脈瘤の治療 13 21.77 18.74 46.15 74.08
050050xx0101xx 狭心症・慢性虚血性心疾患 冠動脈バイパス手術 10 19.10 23.57 10.00 66.40
心臓血管外科では胸部および腹部大動脈瘤疾患に対し、低侵襲治療を積極的にとりくんでいます。動脈瘤手術は高齢者が多く、高度の侵襲が加わるため術後の回復に時間を要します。ステント治療を行うことで、短期間の入院で治療効果を得ることができます。
当院は1次から3次までの救急患者を受け入れています。その中で急性動脈解離は突然に発症する重症疾患であり、緊急手術をふくめ厳重な全身管理が必要なため心臓血管外科で積極的に受け入れています。
急性心筋梗塞患者もおおく搬送されています。循環器内科で緊急心カテーテル治療が行われ、その中でカテーテル治療が困難な症例や、弁膜症合併患者には冠動脈バイパス手術、弁膜症同時手術も行っています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術 83 15.39 13.97 0.00 55.71
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍の化学療法 39 5.23 5.33 2.56 55.05
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 36 10.61 10.18 0.00 49.39
当科は産婦人科ですが、産科関係の症例は扱っておらず、婦人科腫瘍に特化した部門を専門に扱っております。平成27年には約600名の入院患者がありましたが、内半分は婦人科悪性腫瘍疾患です(総数は円錐切除まで含む婦人科悪性腫瘍は250例)。内子宮頸癌は約150例、子宮体癌約 40例、卵巣癌約50例を扱っており、これは熊本県のみならず、九州圏内でも有数の取り扱い数であり、熊本県のみならず九州圏内の主要な婦人科腫瘍専門機関として存在しております。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患の治療 22 7.91 8.20 0.00 21.41
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍の摘出術 20 7.15 7.94 0.00 55.90
030428xxxxxxxx 突発性難聴の治療 19 9.89 9.60 0.00 59.58
当科では耳・鼻・口・咽喉頭(のど)から頸部(首)までの炎症、腫瘍などの疾患を幅広く診察しています。
手術で最も行われているのが、慢性副鼻腔炎に対して行われる内視鏡下副鼻腔手術(手術する範囲によってⅠ型からⅤ型まである)で約3割、次に甲状腺、唾液腺手術(良・悪含む)が2割強です。また高齢者の増加に伴い増加の一途をたどっており、我が国の死因の第3位になっている肺炎、中でも誤嚥性肺炎に対して当科では最近誤嚥防止術を行い良好な結果を得ています。
頭頸部癌に対しては、放射線化学療法を中心に行っており、H27年度はのべ22例の症例を治療しました。再建の必要な症例は、大学病院など他施設へ紹介しています。
その他慢性中耳炎などに行う鼓膜・鼓室形成術、早期の喉頭癌やその前癌状態である声帯白板症に対するレーザー手術、眼科と共同で涙道手術(内視鏡下に鼻内法で行っているので顔面に傷がつきません)なども行っており、当科での治療は耳鼻咽喉科領域のほぼすべてを網羅しています。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x099030x 脳梗塞(JCS10未満)の脳保護療法 120 14.13 18.08 64.17 73.02
010060x099000x 脳梗塞(JCS10未満)の治療 98 12.54 15.80 45.92 72.31
010230xx99x00x てんかんの治療 64 9.38 7.03 21.88 58.13
当院では、神経内科は主に(特に入院加療において)救急疾患を中心に診療しており、入院患者においては、虚血性脳血管障害(脳梗塞、一過性脳虚血発作)が約6割、てんかん・痙攣発作が約2割を占めています。
虚血性脳血管障害に対する治療については、t-PA治療を代表として、抗血栓療法などの薬物治療を中心に急性期管理を行いながら、リハビリテーションを含めたチーム医療を推進しております。また、後方連携の医療機関とも密に連絡を取りながら、リハビリテーション病院への転院や自宅退院までの流れをスムーズに行えるように配慮しています。
てんかん・痙攣発作に関しては、発作の再発防止に努めながら集約的な全身管理を行い、同時に原因精査を進め、必要に応じて原因疾患の加療や発作の二次予防に関しても検討していきます。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080011xx99xxxx 急性膿皮症の治療 52 10.44 11.97 5.77 67.88
080020xxxxxxxx 帯状疱疹の治療 27 9.00 8.97 7.41 75.56
03001xxx0110xx 頭頸部皮膚の悪性腫瘍 皮膚悪性腫瘍手術・皮弁作成術等 17 6.47 14.02 5.88 77.35
皮膚科は、皮膚の救急疾患による入院が多く、多くが即日入院(救急車等での搬入から19%、救急外来受診者から24%、他院・院内他科からの紹介から24%)されます。なかでも感染症が最も多い(特に細菌感染症が31%)のが特徴です。悪性黒色腫、膠原病、乾癬、熱傷などと比べるとインパクトは強くありませんが、診療を必要とされる疾患を地道に診療することが当科の使命と考えています。
蜂巣炎【急性膿皮症 手術なし】は「皮膚の専門家」である皮膚科医による迅速かつ正確な診断に基づき、最適な抗菌薬の投薬だけでなく、理学療法も取り入れて治療しています。単に全国平均より短期間で退院して頂くだけでなく退院後の再発を予防できるようなより良質な治療を進めています。
【帯状疱疹】は、特に血液疾患の患者が多い当院では免疫不全者の罹患が目立つことが特徴です。重篤あるいは再発性であることも少なくありませんが、そのような方でも全国平均程度の入院期間で病状改善できるよう治療を行っています。
救急患者が多い一方、皮膚腫瘍(特に悪性=皮膚がん)の予定手術入院の方も約2割いらっしゃいます。皮膚がんの中でも紫外線の影響を長期間受けて生じる顔面の悪性腫瘍【頭頸部悪性腫瘍 頭頸部悪性腫瘍等 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし】は年々増加しております。皮膚を熟知する皮膚科医によって診断から手術、経過観察まで全てを包括的に行うことでより質の高い手術治療を提供しています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱悪性腫瘍 経尿道的膀胱悪性腫瘍手術 179 8.63 7.59 5.59 75.12
110070xx99x20x 膀胱悪性腫瘍の化学療法 65 11.60 12.36 4.62 71.31
110200xx04xxxx 前立腺肥大症 経尿道的レーザー前立腺切除術 49 11.33 7.90 12.24 76.08
当科は膀胱悪性腫瘍(膀胱がん)の紹介患者が多く、経尿道的膀胱腫瘍切除術(尿道から内視鏡を用いての腫瘍切除)が、年間約180例を数えます。加えて救急救命センターと連携して尿管結石や腫瘍による尿路の閉塞性腎盂腎炎の患者さんに対する尿管ステント留置術(内視鏡とレントゲンを併用した緊急内視鏡手術)も時間外も含めて多いのが持ち味です。
また、前立腺肥大症による排尿障害に対してはグリーンライトレーザーによる内視鏡手術を週に1-2回行っております。従来の前立腺内視鏡手術に比較して出血も少なく、抗凝固剤を内服中や手術の体位がとれにくい患者さんにもより安全に施行することが可能です。
その他、前立腺癌の根治療法として密封小線源治療(ブラキセラピー:前立腺組織内に放射性物質(シード)を挿入し内部より前立腺癌を治療する方法)を年間50数例行っております。これは手術に比較して入院日数も短く、尿失禁等の合併症はほとんど起きないため患者数は増加の一歩をたどっています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
180040xx02x0xx 透析シャント閉塞 内シャント血栓除去術 60 5.50 3.40 13.33 72.90
110280xx99000x 慢性腎不全の治療 54 14.04 13.64 14.81 69.98
180040xx01x0xx 透析シャント閉塞 シャント設置術 52 19.50 13.14 32.69 70.44
透析患者様の自己血管内シャントの作成や修復、人工血管内シャントの作成や修復、人工血管内シャント感染の治療を行っております。また慢性腎不全や慢性腎炎症候群の患者様の食事療法や薬物治療も行っております。合併症の程度や年齢、社会的状況等に応じた必要な入院日数を確保して加療したり、転院先で継続加療いただく場合もあります。
糖尿病・内分泌内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070xxxxxxxx 糖尿病教育入院 140 12.94 15.35 1.43 59.99
120200xx99xxxx 妊娠糖尿病入院 85 6.74 6.01 0.00 32.42
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシスの治療 19 10.05 14.20 5.26 60.95
糖尿病治療の目的は患者さんのQOLを守り、糖尿病合併症の発症を予防することにあります。そこで、糖尿病教育入院では、糖尿病とはどのような病気であるのか、なぜ治療を行わなければならないのか、どのような治療を行うのかをご理解いただくため、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、検査技師などの医療スタッフからお話をさせていただいています。また糖尿病合併症の検査を行うとともに、生活習慣の見直しやインスリン治療を含めた薬物療法を開始・調整して血糖管理を行っています。
妊娠糖尿病は、たとえ糖尿病の程度が軽くても巨大児など、周産期の様々な合併症のリスクとなります。そこで妊娠糖尿病入院では、良好な血糖値になっていただくため、医師が処方した患者さん個々に適した食事療法を実際に経験いただきます。退院後に適切な食事療法を維持できるように学んでいただくことが大きな目標です。血糖値がとても高い患者さんでは、インスリン治療が必要なこともあります。その際のインスリン自己注射や自己血糖測定の訓練も入院期間中に行っています。
糖尿病の急性期の合併症に糖尿病ケトアシドーシスがあります。この合併症では著しい高血糖のため、意識がもうろうとなり倒れてしまいます。命にかかわるとても危険な状態であるため、緊急入院が必要です。血糖値、電解質、血圧、体温などをモニターしながら、十分な輸液とインスリン持続静脈投与を行い、治療を行っていきます。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130010xx97x2xx 急性白血病の化学療法(輸血あり) 182 33.71 43.59 3.30 60.00
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫の化学療法 97 16.79 17.69 8.25 70.27
130060xx99x4xx 骨髄異形成症候群の化学療法 38 10.47 11.17 0.00 72.18
血液の異常によっておこる疾患を対象としていますが、入院治療となるのは腫瘍性疾患が大部分を占めます。つまり白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、成人細胞白血病リンパ腫など診断から治療まで一貫して効率よく行っております。その他にも再生不良性貧血、特発性血小板減少症、溶血性貧血など良性疾患も必要に応じて入院治療を行っています。当科の特徴として難治性の血液疾患に関しては骨髄バンク認定施設として、多くの同種移植(骨髄移植、臍帯血移植、末梢血幹細胞移植)を行っていることが挙げられます。院内の多数の科の協力をうけながら、総合的に治療にあたっています。
腫瘍内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍の化学療法 47 6.57 5.33 0.00 57.70
120010xx99x50x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍の化学療法 18 7.50 5.17 0.00 59.28
070040xx99x2xx 骨の悪性腫瘍(脊椎除く)の放射線治療 10 27.80 25.05 60.00 69.10
腫瘍内科は、化学療法(抗がん剤、ホルモン剤、分子標的薬など)や緩和療法を中心に、すべてのがん種・すべての病期(進行度)の患者に対応しています。化学療法・緩和ケアとも治療が外来で行うことが多いのですが、治療強度の高い治療や病状が進行し症状が安定しない場合、入院で行っています。がんの治療は、患者や家族の生活の質(QOL)を向上・維持することがとても大切になります。QOLを把握するためには、多職種による観察や話し合いが必要です。腫瘍内科では、医師・看護師・薬剤師・医療ソーシャルワ-カ-・管理栄養士など多職種の専門家が集まって、日々話し合いをして診療を行っています。治療の計画のみならず自宅で生活する上での問題点の把握やその解決策、病状が進行し衰弱が高度になったときの療養計画など、話し合っています。
総合診療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070560xx99x0xx 全身性臓器障害を伴う自己免疫疾患の治療 15 16.67 18.15 26.67 72.40
110310xx99xxxx 腎臓または尿路の感染症の治療 - - 12.60 - -
070470xx99x0xx 関節リウマチの治療 - - 14.90 - -
総合診療科では、診療科の特定できない患者さんの診療を行っております。専門治療が必要な場合は、それぞれの診療科へ紹介し、または、場合によっては共同で診療しております。開業医の先生方からは、発熱(不明熱)、痛み、全身倦怠感といった症状に苦しむ患者さんの相談が多数を占めます。入院治療で多い疾患は、自己免疫疾患(リウマチ性多発筋痛症、成人スチル病、関節リウマチなど)や感染症(腎盂腎炎、肺炎など)です。自己免疫疾患に関しては、適切な診断のもとに、薬物療法(ステロイド、免疫抑制剤、生物学的製剤)を行っております。感染症に対しても、適切な診断と抗菌薬の適正使用に努めております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 32 13 17 46 14 26 1 7
大腸癌 32 55 49 61 - 37 2 7
乳癌 11 - - - - - 1 7
肺癌 - - - 31 - - 1 7
肝癌 - 14 19 15 - 35 2 5
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
肺癌:呼吸器内科の欄でも記載しているように外科的治療適応外の患者さんが当院での治療対象となるため、進行度Ⅰ期およびⅡ期(外科的治療適応内)の患者さんは他院へ御紹介しています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
重症度 0 20 10.25 53.25
重症度 1 59 13.58 70.10
重症度 2 46 18.39 76.87
重症度 3 38 14.13 80.84
重症度 4 15 17.93 85.93
重症度 5 - - -
不明 - - -
市中肺炎とは病院外で通常の日常生活を送っている人に発症する肺炎(肺胞の急性炎症)で、その原因を細菌によるものに限定しています。日本呼吸器学会が提唱する「成人市中肺炎診療ガイドライン」による重症度分類を基に集計したものが上記の表です。重症度が高い程、平均年齢が高く治療期間が長くなる傾向にあります。抗菌薬の投与や必要に応じて酸素投与、人工呼吸器管理による呼吸状態の管理も行っています。
成人市中肺炎の原因菌として最も頻度の高いものは肺炎球菌と呼ばれる菌であり、現在本邦では主に65歳以上の高齢者を対象として肺炎球菌に対するワクチンを接種するよう推奨しています。ワクチン接種により市中肺炎の罹患率を下げ、重症化することを回避することを目的としています。最寄りの医療機関でも接種可能であるため対象となる方々へは予防接種をお勧めします。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 34 7.35 72.12 11.76
その他 - - - -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 344 15.66 75.97 69.19
その他 37 14.05 74.30 51.35
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内 - - - -
その他 - - - -
虚血性脳血管障害(脳梗塞、一過性脳虚血発作)に対する治療については、t-PA治療を代表として、抗血栓療法などの薬物治療を中心に急性期管理を行いながら、リハビリテーションを含めたチーム医療を推進しております。また、後方連携の医療機関とも密に連絡を取りながら、リハビリテーション病院への転院や自宅退院までの流れをスムーズに行えるように配慮しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
救急科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K386 気管切開術 24 70.33 60.75 87.50 76.04
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K0461 骨折観血的手術(大腿) - - - - -
救急科では、2015年度は約1,300名の入院患者様の診療を行いました。DPCの統計では、重症肺炎などの重厚呼吸不全の治療、薬物や毒物などによる中毒治療が多い疾患として集計されましたが、その他にも様々な感染症が重症化した状態(敗血症・敗血症性ショックといいます)に対する集学的な治療や、心停止蘇生後症候群に対する脳保護治療(脳低温治療)も積極的に行っております。多くの重症患者様の救命のために、24時間365日断らない救急医療と、6床の集中治療室(ICU)と44床の救命救急病棟での集学的治療を行っております。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 139 0.60 1.36 2.16 69.19
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 120 2.23 11.38 30.00 76.75
K654 内視鏡的消化管止血術 94 1.09 9.62 22.34 72.13
消化器内科は消化器疾患全般にわたり救急医療から一般診療に対応しています。消化器疾患として、消化管疾患、肝疾患、胆膵疾患を扱い、それぞれにエキスパートを配しています。特に近年増加傾向にある胆道疾患が多く、救急症例として、結石性胆管炎や胆管がんによる閉塞性黄疸に対する内視鏡的ドレナージ、急性胆嚢炎、急性膵炎や膵癌に対する治療を迅速に行っています。消化管疾患としては、特に内視鏡手術に力を入れ、胃の粘膜下層剥離術(ESD)はもとより、食道、大腸ESDを数多く行っています。救急疾患では、急性胃十二指腸潰瘍出血やイレウスなどに対して即座に対応できる体制を整備しています。また、虚血性腸炎や大腸憩室炎および憩室出血も数多く診療しています。肝疾患では、肝炎から肝硬変、肝がんを包括的に扱い、最近注目を浴びているC型慢性肝炎に対するインターフェロンフリーDAAs治療、肝がんに対するラジオ波焼灼療法(RFA)、肝動脈化学塞栓術(TACE)、肝硬変の難治性腹水に対する腹水濾過濃縮再静注法(CART)を数多く手掛けています。これらの診療には、外科、放射線科、救急科との院内連携により適切で安全に行える体制ができています。常に患者様の視点に立った診療を基本に、新しい知識と技術を取り入れた良質の医療を提供しています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 77 0.01 13.70 11.69 72.97
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 65 2.54 3.48 4.62 69.68
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 41 2.73 9.24 24.39 79.90
循環器内科で最も多い疾患は、虚血性心疾患(狭心症・急性心筋梗塞)です。心臓を栄養する血管(冠動脈)の動脈硬化が原因です。高血圧症、糖尿病、脂質異常症、喫煙などの生活習慣病が原因となり、最近、高齢者だけでなく、40~60歳台が増えてきています。侵襲の少ないカテーテル検査、治療を行っています。
また、高齢者の心不全、心筋梗塞後の心不全も増加してきました。薬物療法を行い、適応があれば、CRT-D(埋め込み型除細動器付き両室ペースメーカー)植え込み術を行っています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 149 1.81 5.34 12.75 63.34
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 65 1.88 4.14 9.23 68.09
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 43 0.30 4.16 0.00 43.53
当院外科の特徴は手術全体の3割が消化器領域の悪性腫瘍手術、3割が腹膜炎、急性胆嚢炎、虫垂炎、イレウスなどの緊急手術、残りの4割が他の胆石やヘルニアなどの予定手術となっています。大腸癌手術件数は約150例でそのうち6割が腹腔鏡手術になっています。麻酔科、コメディカルの協力体制も確立され、夜間緊急においても適応症例では腹腔鏡下手術を積極的に導入しています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 169 4.68 10.67 85.80 78.36
K0821 人工関節置換術(股) 157 1.89 16.24 54.78 72.38
K0811 人工骨頭挿入術(股) 113 5.70 10.58 89.38 83.10
平成27年度の整形外科手術は1099件で、半数以上は骨折に対する手術(多発外傷、骨盤骨折、開放骨折などの重症例多数含む)ですが、その他にも、脊椎手術:157例、人工股関節全置換術:92例、骨盤回転骨切り術:4例、人工膝関節置換術:80例、高位脛骨骨切り術:17例を代表とする難易度の高い手術も多数行い、良好な成績を得ています。当院は全診療科が揃っていて、合併症を有している患者様でも安全に手術を行う事ができ、小児骨折の緊急手術に対応可能で、熊本県下では唯一、精神疾患をお持ちの患者様でも手術を行う事ができます。現在、力を入れているのは、人工関節置換術と骨切り術での両側同時手術で、2013年10月より現在までに、人工膝関節全置換術:28例、人工膝関節部分置換術:5例、高位脛骨骨切り術:6例、人工股関節全置換術:10例、の合計49例施行し、良好な成績を得ています。今後も手術療法の成績向上と低侵襲化を目指し、患者様に安全でより高度な医療を提供できるように努めて参ります。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0134 分層植皮術(200cm2以上) 17 13.53 27.35 17.65 64.59
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) 15 1.07 5.20 0.00 57.93
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 14 0.07 3.00 0.00 61.86
形成外科の手術は多岐にわたり、同一の疾患・診断でも数種類の術式があり、併設手術が多いため診断群分類と手術分類の順位が異なっております。主たる手術の詳細な分類上は分層植皮術(200cm2)が最も多く、広範囲熱傷症例に対して主に適応されています。次いで眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転術)、軟部腫瘍摘出術(躯幹)が多く行われています。
総手術数としては植皮術、皮膚・皮下腫瘍の摘出術、皮膚悪性腫瘍切除術の順に多く、皮弁形成による再建術、眼瞼下垂症手術、顔面骨骨折整復術(頬骨骨折、眼窩底骨折、鼻骨骨折)、瘢痕拘縮形成術の順に続いています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫の穿孔洗浄術 76 1.32 7.29 71.05 77.39
K1771 脳動脈瘤の頸部クリッピング術(1ヶ所) 32 2.06 19.53 65.63 65.78
K1642 急性硬膜下血腫の開頭血腫除去術 11 1.18 22.82 90.91 64.82
手術件数では慢性硬膜下血腫と脳動脈瘤クリッピング術が1,2位を占めます。慢性硬膜下血腫は頭部打撲後1-2ヶ月かけて徐々に発生し、特に高齢者に多く認知障害や歩行障害が出現します。局所麻酔下で骨孔を作成し短時間の手術で症状は劇的に改善されます。自宅へ退院可能となりますが、ご高齢等で早急の退院が困難な場合はリハビリ施設も紹介しサポートします。
将来破裂するかもしれない脳動脈瘤の破裂防止(未破裂脳動脈瘤)あるいはくも膜下出血(初回動脈瘤破裂)後の瘤再破裂に伴う重症化を防止するために、動脈瘤の頸部をクリッピングします。深刻な手術後遺症の可能性がゼロでない以上、未破裂脳動脈瘤の手術適応は、将来の破裂リスクを超えて手術による恩恵が期待できる場合に適用とします。その他の未破裂瘤では手術を急がず外来観察を行い、瘤の更なる拡大を確認した場合に手術を決定します。くも膜下出血の場合は、重症症例であっても外減圧手術や髄液ドレナージ術など脳圧を下げる処置を行い、積極的に対処しています。また、手術による負担を軽減するために、動脈瘤の発生部位によっては低侵襲keyhole手術(径2.5cm径の小開頭手術)によるクリッピングを開発し実績を積んでいます。脳血管攣縮(血管の異常収縮)よる脳梗塞発生を最小限にするために、血腫溶解剤を脳室内に直接投与し好成績を得ています。
急性硬膜下血腫では頭部打撲後の短時間内にしばしば血腫が増大して危篤状態となりますので、注意深い早急の対応を要します。当院では、搬入受け入れ及び開頭手術に対する緊急体制が整備されており十分に対応可能です。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上) 27 6.19 23.48 40.74 70.11
K5612 ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 12 2.17 11.00 8.33 81.33
K5551 弁置換術(1弁) 10 11.70 21.20 70.00 73.20
心臓血管外科では胸部および腹部大動脈瘤疾患に対し、低侵襲治療を積極的にとりくんでいます。動脈瘤手術は高齢者が多く、高度の侵襲が加わるため術後の回復に時間を要します。ステント治療を行うことで、短期間の入院で治療効果を得ることができます。
当院は1次から3次までの救急患者を受け入れています。その中で急性動脈解離は突然に発症する重症疾患であり、緊急手術をふくめ厳重な全身管理が必要なため心臓血管外科で積極的に受け入れています。
急性心筋梗塞患者もおおく搬送されています。循環器内科で緊急心カテーテル治療が行われ、その中でカテーテル治療が困難な症例や、弁膜症合併患者には冠動脈バイパス手術、弁膜症同時手術も行っています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K867 子宮頸部(腟部)切除術 106 0.82 1.04 0.00 38.63
K879 子宮悪性腫瘍手術 65 2.15 15.31 0.00 56.75
K877 子宮全摘術 64 1.06 8.64 0.00 50.59
平成27年の手術件数は350例であり、子宮頸部上皮内癌による子宮頸部円錐切除100例を含めて約250例の婦人科悪性疾患の手術数があり、最も多いものが子宮頸部切除術ですが、その次が子宮悪性腫瘍の根治術です。また、通常の婦人科疾患(子宮筋腫等)による単純子宮摘出術の次に多いのが、卵巣悪性疾患の根治術が約50例あり、前述の如く婦人科手術の半分以上は婦人科悪性腫瘍の手術であり、手術日(週3回)には、ほぼ毎回リンパ節郭清を含めた婦人科癌の手術を施行しております。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他) 403 1.07 2.85 2.23 76.86
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 12 1.00 5.92 0.00 70.33
K270 虹彩光凝固術 - - - - -
眼科手術件数で9割以上を占める白内障手術は、短期滞在手術等基本料で算定されるためDPCの対象外となります。
白内障手術は日帰り外来手術が可能ですが、当科へは全身合併症(心疾患、脳血管障害、認知症、精神疾患等)の既往を持ち外来通院自体も難しい方、或いは家庭の事情等で入院をご希望される方の紹介が多く、全例入院で行っています。入院期間は片眼手術で3泊4日と両眼で5泊6日を基本に、予定期間内での入退院がほぼ達成出来ています。また近年は認知症の既往を持ち、眼局所の鎮痛麻酔のみでは手術が行えない方、また手術に不安を持たれる方に対しては、鎮静薬を使用した手術を導入し良い成果が得られています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 22 1.00 6.05 0.00 21.27
K340-4 内視鏡下鼻・副鼻腔手術2型(副鼻腔単洞手術) 12 1.50 4.25 0.00 65.58
K3892 声帯ポリープ切除術(直達喉頭鏡) 11 1.00 1.00 9.09 44.36
当科では耳・鼻・口・咽喉頭(のど)から頸部(首)までの炎症、腫瘍などの疾患を幅広く診察しています。
手術で最も行われているのが、慢性副鼻腔炎に対して行われる内視鏡下副鼻腔手術(手術する範囲によってⅠ型からⅤ型まである)で約3割、次に甲状腺、唾液腺手術(良・悪含む)が2割強です。また高齢者の増加に伴い増加の一途をたどっており、我が国の死因の第3位になっている肺炎、中でも誤嚥性肺炎に対して当科では最近誤嚥防止術を行い良好な結果を得ています。
頭頸部癌に対しては、放射線化学療法を中心に行っており、H27年度はのべ22例の症例を治療しました。再建の必要な症例は、大学病院など他施設へ紹介しています。
その他慢性中耳炎などに行う鼓膜・鼓室形成術、早期の喉頭癌やその前癌状態である声帯白板症に対するレーザー手術、眼科と共同で涙道手術(内視鏡下に鼻内法で行っているので顔面に傷がつきません)なども行っており、当科での治療は耳鼻咽喉科領域のほぼすべてを網羅しています。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 35 0.20 3.97 2.86 81.26
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) - - - - -
K0053 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径4cm以上) - - - - -
皮膚科は、皮膚の救急疾患による入院が多く、多くが即日入院(救急車等での搬入から19%、救急外来受診者から24%、他院・院内他科からの紹介から24%)されます。なかでも感染症が最も多い(特に細菌感染症が31%)のが特徴です。悪性黒色腫、膠原病、乾癬、熱傷などと比べるとインパクトは強くありませんが、診療を必要とされる疾患を地道に診療することが当科の使命と考えています。
蜂巣炎【急性膿皮症 手術なし】は「皮膚の専門家」である皮膚科医による迅速かつ正確な診断に基づき、最適な抗菌薬の投薬だけでなく、理学療法も取り入れて治療しています。単に全国平均より短期間で退院して頂くだけでなく退院後の再発を予防できるようなより良質な治療を進めています。
【帯状疱疹】は、特に血液疾患の患者が多い当院では免疫不全者の罹患が目立つことが特徴です。重篤あるいは再発性であることも少なくありませんが、そのような方でも全国平均程度の入院期間で病状改善できるよう治療を行っています。
救急患者が多い一方、皮膚腫瘍(特に悪性=皮膚がん)の予定手術入院の方も約2割いらっしゃいます。皮膚がんの中でも紫外線の影響を長期間受けて生じる顔面の悪性腫瘍【頭頸部悪性腫瘍 頭頸部悪性腫瘍等 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし】は年々増加しております。皮膚を熟知する皮膚科医によって診断から手術、経過観察まで全てを包括的に行うことでより質の高い手術治療を提供しています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 184 3.08 5.13 6.52 74.79
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 66 0.67 8.88 24.24 68.92
K841-22 経尿道的レーザー前立腺切除術(その他) 49 3.02 7.37 14.29 76.59
当科は膀胱悪性腫瘍(膀胱がん)の紹介患者が多く、経尿道的膀胱腫瘍切除術(尿道から内視鏡を用いての腫瘍切除)が、年間約180例を数えます。加えて救急救命センターと連携して尿管結石や腫瘍による尿路の閉塞性腎盂腎炎の患者さんに対する尿管ステント留置術(内視鏡とレントゲンを併用した緊急内視鏡手術)も時間外も含めて多いのが持ち味です。
また、前立腺肥大症による排尿障害に対してはグリーンライトレーザーによる内視鏡手術を週に1-2回行っております。従来の前立腺内視鏡手術に比較して出血も少なく、抗凝固剤を内服中や手術の体位がとれにくい患者さんにもより安全に施行することが可能です。
その他、前立腺癌の根治療法として密封小線源治療(ブラキセラピー:前立腺組織内に放射性物質(シード)を挿入し内部より前立腺癌を治療する方法)を年間50数例行っております。これは手術に比較して入院日数も短く、尿失禁等の合併症はほとんど起きないため患者数は増加の一歩をたどっています。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント設置術 81 8.26 11.59 27.16 68.07
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 58 1.24 4.36 13.79 75.79
K6146 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈) 37 7.97 16.19 43.24 72.05
透析患者様の自己血管内シャントの作成や修復、人工血管内シャントの作成や修復、人工血管内シャント感染の治療を行っております。また慢性腎不全や慢性腎炎症候群の患者様の食事療法や薬物治療も行っております。合併症の程度や年齢、社会的状況等に応じた必要な入院日数を確保して加療したり、転院先で継続加療いただく場合もあります。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 12 0.09
異なる 60 0.47
180010 敗血症 同一 74 0.58
異なる 130 1.02
180035 その他の真菌感染症 同一 12 0.09
異なる 16 0.12
180040 手術・処置等の合併症 同一 229 1.79
異なる 12 0.09
播種性血管内凝固とは、主に重症の感染症に続発する臓器障害の一つです。播種性血管内凝固が重症化すると様々な臓器が障害を受け、多臓器障害・多臓器不全となり、生命に関わる可能性があります。治療は薬物治療を行いますが、何よりも基礎になっている感染症の治療と改善が必要です。

敗血症とは、様々な感染症が重症化し、全身に影響を及ぼすようになった状態です。重症化しますと、血圧低下を来したり、様々な臓器障害を引き起こし、生命に関わります。それぞれの病態に応じて、集学的治療を行いますが、何よりも基礎になっている感染症の治療と改善が必要です。

その他の真菌感染症について、件数が比較的多い腎臓内科において治療する疾患のうちANCA関連血管炎などは高齢者に発病する病気のため、免疫抑制治療により真菌感染症を合併することがありえます。このため真菌感染症の合併を早期に診断し早期に加療することで重症化を防ぐように努力しております。

手術・処置等の合併症で最も多いのは透析シャントの閉塞や狭窄です。腎臓内科では、透析患者様のカテーテルの閉塞や感染症に対して他施設から相当数のご紹介をいただき、それに対する加療を行っています。
更新履歴
2016/09/30
機能評価係数2の保険診療指数における「病院情報」を公開しました。