災害医療

災害拠点病院(地域災害医療センター)

2009年3月27日に、地域災害医療センター(災害拠点病院)に指定されました。

災害拠点病院とは、平成6年の阪神・淡路大震災後の、「災害医療体制のあり方に関する研究会」報告書を受け、1996年5月10日に厚生省健康政策局長通知(「災害時における初期救急医療体制の充実強化について」)が各都道府県知事に対し発出され、整備されることとなりました。 

平成6年に救急医療を再開し、現在熊本の救急医療の中心的役割を担う病院の1つです。災害医療についても中心的役割を担う義務があります。

当院はDMATを有するDMAT指定医療機関であり、国立病院機構の災害医療ネットワークの一員として、また厚生労働省災害医療研究班の一員として全国的な活動を行っています。

災害医療訓練・研修

 

DMAT (Disaster Medical Assistance Team)

戦後最大級の都市直下型地震、1995年1月17日の阪神・淡路大震災において、多くの人々が建物の下敷きになるなどして、筋肉が圧迫された後「クラッシュ障害」と呼ばれる病気が多発し、適切な初期治療が受けられずに大勢の人々の「救える命」が犠牲になりました。この事から災害現場における医療について多くの課題が浮き彫りとなりました。この教訓を生かし、消防や警察、自衛隊、レスキュー隊と連携しながら救助活動と並行し、医師が災害現場にて医療行為を行う「がれきの下の医療」の必要性が認識されるようになり、日本DMATは平成17年4月に厚生労働省により発足されました。

DMATとは Disaster(災害) Medical(医療) Assistance(支援) Team(チーム)の頭文字をとったもので、「災害急性期(48時間以内)に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医師、看護師、業務調整員から成る医療チーム」のことをいいます。

熊本地震における熊本医療センターDMATの活動

2016年4月14日21時26分に前震が発生した。同日23時19分、熊本DMATの派遣要請が行われました。

熊本医療センターDMATチーム(北田真己、今村祐太、西村昌修、井上大奨、秦幸一)は、23時28分に当院を病院救急車で出発し、熊本赤十字病院に設置された活動拠点本部を経由し、益城町役場(現地本部)に向かい、夜を徹して被災地内の医療機関や施設の被災状況確認を行いました。翌15日朝からは益城町総合運動公園内の救護所支援、病院支援などを行いました。

4月15日午前中に、交代のDMATチーム(山田周、大野智和、松原愛美、甲斐裕樹)が災害支援車で益城町役場に向かい被災地内で支援活動を行いました。

また、高橋毅と原田正公は、発災から20日まで熊本県庁10階内に設置された災害対策本部内のDMAT調整本部、21日以降に県庁8階に設置された医療救護調整本部に災害医療コーディネーターとして県庁からの要請に応じて支援活動を行いました。

東日本大震災における熊本医療センターDMATの活動

平成23年3月11日14時46分に発災した東日本大震災において、宮城県・福島県の両県からDMAT派遣要請が行われました。厚生労働省医政局DMAT事務局は、全国のDMAT隊に向け11日午後3時51分に出動待機要請を行い、12日午前4時10分に九州DMATへ福岡空港参集を指示しました。

当院のDMATチーム(原田正公、北川貴章、山田晃七郎、秦幸一、西本辰徳)は、11日20時に当院を出発し、22時には福岡に待機していましたので、集合時刻に福岡空港に参集することができました。 その後、福岡空港発の自衛隊固定翼機に乗り込み、航空自衛隊百里基地(茨城県)を経由し、自衛隊ヘリで陸上自衛隊霞目駐屯地(宮城県)に入りました。

また高橋毅(統括DMAT)は、DMAT事務局の依頼を受け、福岡空港に待機しつつ、九州各地から参集したDMAT合計24チーム(119名)を自衛隊固定翼機3機で被災地へ送り出し、追加招集されたDMAT7チームとともに広域医療搬送による患者受入のための臨時医療施設SCU(Staging Care Unit)を航空自衛隊春日基地内に立ち上げました。

熊本医療センターDMAT

医師 登録番号 その他 医師 その他 登録番号
高橋 毅 4227 統括 原田 正公 統括 NBC 4420
山田 成美 2102 統括 北田 真己 統括 NBC 5435
山田 周 6584 統括 櫻井 聖大   12053
水元 孝郎 3778   渋沢 崇行 統括 7518
看護師 登録番号 その他 看護師 その他 登録番号
今村 祐太 8538   西村 昌彦   8537
川巴 佳春 373   松原 愛実   9947
中嶋 美佳 12489   甲斐 彰   8536
冨永 啓史 12054   渡邊 亮   12055
業務調整員 登録番号 その他 業務調整員 その他 登録番号
秦 幸一 4422 事務 NBC 岡原 継太 診療放射線技師  
花田 聖典 9313 薬剤師 井上 大奬 薬剤師 8539
竹本 勇介 12056 臨床工学技士 照屋 彩子 診療情報管理士 13006

国立病院機構の災害医療体制

国立病院機構初動医療班

災害急性期(主 に発災後48時間以内)に、情報収集をしつつ避難所等における医療救護活動を開始し、後発医療班の支援活動の立ち上げに寄与するため、特に災害医療に関する高度な専門知識を有する者により構成される医療班です。

医師1名、看護師2名、事務職1名、薬剤師等1名の合計5名で1班とし、NHO基幹災害拠点病院は常時2班、NHO災害拠点病院は常時1班を確保しています(当院は後者)。

熊本医療センター初動医療班
櫻井聖大 西山慎吾 吉田麻衣子 田中翔也 林秀幸

国立病院機構医療班

広域災害に対応するための医療班です。初動医療班より活動を引き継ぎ継続的に医療救護活動を行います。医師1名、看護師2名、事務職1名の合計4名 (必要に応じ、薬剤師1名を加える)で構成されます。

熊本医療センター医療班
橋本聡 前川友成 三隅夕子 竹下浩史 井上大奨

DMATと初動医療班の比較

  DMAT NHO初動医療班 NHO医療班
主な指示者 被災都道府県
厚生労働省DMAT事務局
国立病院機構 国立病院機構
派遣根拠 災害対策基本法
災害救助法
災害対策基本法
国立病院機構防災業務計画
災害対策基本法
国立病院機構防災業務計画
主な活動時期 発災後概ね48時間 発災後概ね48時間 初動医療班活動後、継続的活動
主な活動内容 病院支援
広域医療搬送
災害現場での医療救護活動など
救護所、避難所などでの
情報収集と医療救護活動
継続的医療救護活動
地域医療の復興支援

東日本大震災における国立病院機構の活動

医療チーム区分 派遣チーム数
(のべ)
派遣人員
(のべ)
派遣NHO
病院数
派遣先
DMAT 35班 約160名 21 岩手県、宮城県、福島県、茨城県等
NHO医療班
(放射線スクリーニング班を含む)
156班 約710名 77 岩手県、宮城県、福島県
こころのケアチーム 106班 約390名 10 岩手県、、宮城県、福島県
上記以外の医師、看護師など   約460名 77 岩手県、宮城県、福島県、茨城県等
合計   約1710名 122  

熊本地震における国立病院機構の活動

発災後1週間の派遣実績

医療チーム区分 4/15 4/16 4/17 4/18 4/19 4/20 4/21
DMAT 6 13 33 30 19 20 16
DPAT 2 2 3 2 2 2 3
NHO医療班 1 3 5 6 6 4 8

施設別派遣実績

DMAT派遣病院(22施設よりのべ47チームを派遣)
北海道医療センター 仙台医療センター 東京医療センター 災害医療センター 名古屋医療センター 京都医療センター 大阪医療センター 姫路医療センター 南和歌山医療センター 浜田医療センター 岡山医療センター 呉医療センター 広島西医療センター 東広島医療センター 関門医療センター 四国こどもとおとなの医療センター 高知病院 九州医療センター 福岡東医療センター 嬉野医療センター 長崎医療センター 熊本医療センター
DPAT派遣病院(10施設よりのべ26チームを派遣)
仙台医療センター 災害医療センター 久里浜医療センター 北陸病院 東尾張病院 榊原病院 京都医療センター 肥前精神医療センター 長崎医療センター 琉球病院
NHO(初動)医療班派遣病院(23施設よりのべ24チームを派遣)
仙台医療センター 東京医療センター 横浜医療センター 金沢医療センター 静岡医療センター 名古屋医療センター 大阪医療センター 神戸医療センター 姫路医療センター 松江医療センター 福山医療センター 広島西医療センター 関門医療センター 岩国医療センター 小倉医療センター 九州がんセンター 九州医療センター 福岡病院 佐賀病院 嬉野医療センター 長崎医療センター 別府医療センター 鹿児島医療センター
その他の医療チーム派遣病院(23施設よりのべ32チームを派遣)
(全国知事会)災害医療センター 信州上田医療センター 金沢医療センター 敦賀医療センター 南和歌山医療センター 長崎医療センター 熊本医療センター 熊本南病院
(国立病院機構九州グループ) 九州がんセンター 福岡東医療センター 嬉野医療センター 宮崎病院 鹿児島医療センター 東佐賀病院
(日本小児科学会)福岡病院 福岡東医療センター 嬉野医療センター
(日本医療社会福祉協会)医王病院
(福岡県医師会)福岡東医療センター
(熊本県社会福祉協議会)奈良医療センター
(日本看護協会)九州医療センター
(山口県看護協会)山口宇部医療センター
(鹿児島県看護協会)南九州病院