【第95号】CKD(慢性腎臓病)について CKD(慢性腎臓病)に使用される薬 CKD(慢性腎臓病)の食事療法 | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第95号】CKD(慢性腎臓病)について CKD(慢性腎臓病)に使用される薬 CKD(慢性腎臓病)の食事療法

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CKD(慢性腎臓病)について

CKD(慢性腎臓病)に使用される薬、CKD(慢性腎臓病)の食事療法

 【CKD(慢性腎臓病)について】

 腎臓の働きが極端に悪くなりますと血液透析をはじめなくてはなりません。日本で透析を受けておられる方は現在約26万人いらっしゃいます。そして毎年約1万人ずつ増え続けています。今や、国民の500人に1人が透析を受けている時代です。そのような透析を始める原因のうちで現在一番多いのは糖尿病、2番目に多いのが医学用語で「IgA腎症」という名前の慢性腎炎、3番目に多いのが高血圧です。この他にも原因は様々ありますが、腎臓の働きが長年経つうちに悪くなってゆく病気をまとめて「CKD(慢性腎臓病)」と呼ぶようになりました。検尿検査で尿蛋白が出るのが特徴で、尿蛋白が多いほど急速に悪くなるのも特徴です。医学用語にも流行語があり、最近では「生活習慣病」とか「メタボリック症候群」が注目されましたが、「CKD」も最近の流行語の一つです。なぜCKDが注目されているかと申しますと、日本にCKD患者は約1,900万人存在すると推定されており、国民の5~6人に1人がCKDとの計算になります。このように患者数がとてつもなく多いことに加えてCKD患者は心臓病や脳血管障害にもかかりやすいことがわかっております。さらにCKDは自覚症状が全くありません。透析が必要なほど腎臓が悪くなってから始めて症状が出ます。きちんと治療を受けていれば透析を受けずに済んだのに、症状が無いからと放置していて透析になる方が後を絶ちません。

 あなたはCKDではないでしょうか?CKDの検査は検尿検査と血液検査の「血清クレアチニン」で簡単にわかります。まだ検査を受けていらっしゃらない方は一度受けてみられることをお勧めします。また、検診で尿蛋白陽性や血清クレアチニン高値と言われた方は自覚症状がなくてもきちんと治療を受けるのが良いでしょう。「ACE阻害薬」あるいは「アンギオテンシンII受容体拮抗薬」という腎臓が悪くなるのを食い止めてくれる腎臓の薬が大変有効でありますし、食事療法(低タンパク、減塩食)も効果があります

(腎臓内科医長 富田 正郎)

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 【CKD(慢性腎臓病)に使用される薬】

 CKD(慢性腎臓病)は腎臓の働きが低下した状態を言い、心臓病や脳卒中発症の危険因子となっています。CKDの原因の一つは高血圧で、高血圧はCKDを悪化させ、さらにCKDは高血圧を悪化させるこの悪循環を改善するために血圧の管理が重要になります。

 降圧剤としてはACE阻害薬やARB(アンジオテンシンII受容体ブロッカー)が第一選択で、必要に応じて他の降圧薬(カルシウム拮抗薬や利尿薬)が併用されます。

 ACE阻害薬は、CKDや心臓病、脳卒中が起こる仕組みの中で、中心的な役割を果たしているアンジオテンシンII(血管を収縮させ、血圧を上昇させる働きのあるホルモン)が作られるのを抑える薬で、心臓や腎臓等の臓器を守る作用が認められています。乾いた咳が多少でやすいという副作用があります。ARBはアンジオテンシンIIの受容体に結合してその働きを抑え血圧を下げると共に臓器を守る作用が認められています。ACE阻害薬よりも咳の副作用が少ないことが特徴の新しい薬です。ACE阻害薬やARBのみで降圧目標に至らない時はカルシウム拮抗薬や利尿薬が併用されます。

 薬の効果や腎臓、心臓の状態を把握するため定期的に検査をきちんと受けることが大切です。また、高血圧の薬は長年使われてきたものが多く、重大な副作用はまれですが、それでも頭痛、咳などの軽い副作用がでることがあります。気になる症状があれば担当の医師、薬剤師にご相談下さい。

(薬剤科長  冨澤 達)

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 【CKD(慢性腎臓病)の食事療法】

 肥満、運動不足、飲酒、喫煙、ストレスなどの生活習慣はCKD(慢性腎臓病)の発症に関与しています。生活習慣病やメタボリックシンドロームはCKDの発症とも深く関係していて、肥満、特に内臓脂肪が蓄積する腹部肥満では蛋白尿や腎臓機能低下をきたし、最近では高血圧や糖尿病を伴わない肥満でも腎機能障害が起こることが知られています。

 CKDを予防するための食事内容は、生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防と同様に、暴飲暴食、偏食をさけて、脂質や塩分の多い食品を控えることです。塩分摂取の目標は1日10g以下、高血圧の方は1日6g未満にすることが治療に効果的であるといわれています。毎日の食事から干物・練り製品・漬物・汁物の量、外食の頻度を減らして塩分を控えましょう。

 CKD治療のための食事内容は、体格、症状、病気の時期により個々人で異なりますが、

  • 水分の過剰摂取や極端な制限は有害となるため水分は適量摂取する
  • 食塩摂取量は1日6g未満とする
  • 肥満の是正に努める
  • 禁煙
  • 食事のたん白質(魚や肉など)を制限する
  • 適正エネルギー(カロリー)量を確保する。
  • 適正な飲酒量を守る

などです。

 CKDになって食事療法を始めるときには必ず医師の指示を受けて、管理栄養士に具体的な食事内容を確認するようにしましょう。

(管理栄養士  大山 明子)


診療科の特色

<腎臓内科>

 腎臓内科はCKD(慢性腎臓病)、急性腎炎、ネフローゼ症候群、急速進行性腎炎症候群、急性腎不全、慢性腎不全、透析治療を担当する診療科であります。透析用の「シャント手術」も行います。一方「腎臓外科」でもある泌尿器科は尿管結石、膀胱の病気、排尿異常、前立腺疾患等に加えて腎臓癌や水腎症も担当します。病名がわからない時は「蛋白尿」か「蛋白尿+血尿」が出る時は腎臓内科を、「血尿」が出る時は泌尿器科をまず受診されると良いでしょう。また「痛み」がある場合は泌尿器科、「むくみ」がある場合は腎臓内科を受診されると良いでしょう。


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