【第91号】メタボリックシンドロームについて メタボリックシンドロームに使用される薬剤 メタボリックシンドロームと食事 | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第91号】メタボリックシンドロームについて メタボリックシンドロームに使用される薬剤 メタボリックシンドロームと食事

くす通信

メタボリックシンドロームについて

メタボリックシンドロームに使用される薬剤、タボリックシンドロームと食事

 【メタボリックシンドロームについて】

 新聞やテレビでもよく話題にされている「メタボリックシンドローム」ですが、長くてとっつきにくい名称のため、巷では勝手に「メタボ」と略して“最近、メタボになってきた”などと使われていることもあるようです。この「メタボリックシンドローム」とはなんでしょうか?難しい病気のことかと思われるかもしれませんが具体的には、

  1. 高中性脂肪血症(150mg/dl以上)、低HDL血症(40mg/dl未満)、
  2. 高血圧(収縮期血圧130mmHg以上、拡張期血圧85mmHg以上)、
  3. 高血糖(空腹時血糖110mg/dl以上)

と誰もが罹る可能性のある一般的な病気に2つ以上該当し、かつ、これらの病気の原因となる内臓脂肪の増加(ウエスト長が男性で85cm以上、女性で90cm以上)があればメタボとなります。近年の研究により、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気は1)~3)の病気を持っている人ほど起こりやすいということが明らかとなりました。例えば心臓病の場合、病気がない人の危険度を1とすると、病気を1つ持っている場合は5.1倍、2つ持っている場合は5.8倍、3個もっている場合では、なんと35.8倍にもなります。すなわち、メタボということになれば、“あなたは心筋梗塞や脳梗塞の予備軍ですよ”と言われたことと同じようになります。

 心筋梗塞や脳梗塞は命をも脅かす恐ろしく病気です。しかし、メタボリックシンドロームはあくまで予備軍です。メタボの状態から脱却して、健康群にならなければいけません。

 メタボリックシンドロームの原因となっている内臓脂肪は、食べ過ぎや運動不足などの不健康な生活習慣を改善することで減らせます。内臓脂肪をためない生活習慣(1に運動、2に食事、しっかり禁煙)を心掛けましょう。また、場合によっては薬が必要となる場合もあります。ご心配な場合はお気軽にご相談くださ い。

(内科医長  豊永 哲至)

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  【メタボリックシンドロームに使用される薬剤】

  メタボリックシンドロームの診断基準となる、

  1. 高中性脂肪血症、低HDL血症、
  2. 高血圧、
  3. 高血糖

に対して、運動療法・食事療法を行っても改善がみられない場合に薬物治療を行っていきます。

 いわゆるコレステロールが高い状態といっても、高中性脂肪血症、低HDL血症といわれる状態があり、それぞれの状態に応じたお薬を使っていきます。

 スタチン系薬剤は肝臓でコレステロールが合成されるのを阻害するお薬です。LDLを低下させる作用が強いお薬です。副作用として、肝機能障害が起こることがあります。体のだるさ、皮膚や白目が黄色くなるといった症状には注意が必要です。

 フィブラート系薬剤は中性脂肪を下げる作用の強いお薬です。この2つのお薬には横紋筋融解症という副作用が知られています。2種類を同時に使うことで起こりやすくなるといわれています。筋肉が痛い、力が入らない、尿が赤くなるといった症状がある場合には受診をお願いします。

 他にもコレステロールを吸着して体外に排泄するコレスチラミン、LDLを低下させ、抗酸化作用をもつプロブコール、副作用の少ないとされるエイコサペンタエン酸(EPA)、ビタミンの一種であるニコチン酸が使用されることがあります。

 コレステロールが低い状態を保つことが、心筋梗塞や脳卒中になる危険性を下げることにつながります。お薬を服用していて何かお気づきの点があれば、医師、薬剤師にご相談ください。

(冨澤 達)

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 【メタボリックシンドロームと食事】

  わが国では平成20年度から検診においての腹囲計測が義務づけられました。メタボリックシンドロームは食生活習慣と密接に関連する病態であり、まずは自分の健康状態を知り、積極的に食生活習慣の改善に取り組んでいく必要があります。

 厚生労働省の調査で内臓脂肪蓄積を促進する食生活習慣の特徴が明らかにされています。内臓脂肪型肥満では、1回の食事に30分以上かけて満足するまで食 べる(食べる量が多い)、間食が多い、アイスクリームを好むという食習慣上の特徴を認め、食生活改善の必要性があると考えられています。

 メタボリックシンドロームの予防、すなわち内臓脂肪蓄積、高血糖、高血圧、高脂血症を予防するための食事は「適正なエネルギー(カロリー)をとる」「バランスのよい食事」「3食を規則正しくよく噛んで食べる」ことで、食べ過ぎや間食を減らして、毎食、主食、主菜、副菜をそろえて食べることがポイントになります。現在不足されているとされる食物繊維を増やすためにも野菜や海草類を多めに取り入れましょう。

 食事以外では、内臓脂肪型肥満者には喫煙者の割合が高い、運動不足の人が多い、このようなライフスタイルが内臓脂肪量の増加に強くかかわっていることが 明らかとなっています。日常生活で体重測定、腹囲計測を習慣づけ、食事や生活習慣を改善していくことを常に意識していきましょう。

(管理栄養士  大山 明子)


診療科の特色

<内分泌・代謝内科>

 当科では、糖尿病・高脂血症・高尿酸血症・骨粗鬆症・メタボリックシンドロームなどの代謝疾患や脳下垂体・甲状腺・副甲状腺・副腎などの内分泌疾患を診 療しています。特に糖尿病の診療については県下でも有数の糖尿病センターとして、合併症の正確な把握と発症原因に応じた最適な治療を行っています。
 また、内分泌疾患は他の専門科と協力した総合的な治療を行っており、県下の基幹病院として高い評価を受けています。これからも最新の知識と医療技術をもって、良質で安全な医療を提供するよう努力して参りたいと思います。


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国立病院機構 熊本医療センター
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