【第214号】骨粗鬆症性椎体骨折、運動で骨粗鬆症を予防・治療しよう! | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第214号】骨粗鬆症性椎体骨折、運動で骨粗鬆症を予防・治療しよう!

くす通信

骨粗鬆症性椎体骨折、運動で骨粗鬆症を予防・治療しよう!

 【骨粗鬆症性椎体骨折 ~経皮的椎体形成術について~】

 骨粗鬆症は全身の骨の強度が弱くなり、転倒などの軽微な外傷で骨折を起こしたり、気づかないうちに骨折を生じる病気で、約1,200万人の患者さんがいるといわれています。足の付け根の骨折(大腿骨近位部骨折)や背中の骨折(椎体骨折)が代表的な骨折です。骨折は日常生活に支障を生じ、寝たきりになるなど生命予後にも影響します。骨粗鬆症の治療は骨折を予防することが最も大切で現在様々な薬があり、骨折を予防できます。今回は、脆弱性骨折の中で最も頻度の多い骨粗鬆症性椎体骨折について説明します。



骨粗鬆症などにより弱った骨が圧迫されることで骨折してしまう椎体骨折

痛みの特徴としては「起床時に腰・背部に激痛がありますが、立ってしまえば歩ける」といった起床の動作や寝返りでの痛みが生じることが典型的です。
 診断はレントゲン検査では約60%程度の診断率ですが、MRI検査で約99%の診断率といわれています。MRI検査で骨折部が治癒してくれるか、圧壊が進行するかについてもある程度予測が可能となります。


 約80%以上はコルセットや安静などによって癒合し治癒します。しかし残りの20%弱が治癒せずに偽関節や、圧壊が進行し下肢の麻痺(遅発性麻痺)を生じることがあります。


 当院では十分な保存療法で治癒しなかった椎体骨折に対して経皮的椎体形成術(balloon kyphoplasty:BKP)を行っていますので手術について説明いたします。
 うつぶせの状態で、背中に約1cm程度の切開を左右に入れて針を骨折椎体に刺し椎体への経路を作成します。風船のついたカテーテルを骨折椎体に挿入し①、風船を徐々に膨らましてつぶれた骨を持ち上げてなるべく元の形に整復します。風船を抜いて、できた空間に専用の骨セメントを充填します②。骨セメントが固まるのを待って終了です。手術直後から骨折の痛みの改善が望めます。翌日よりベッドから起き上がったり、歩いたりすることが可能です。手術後は新たな骨折を生じないように骨粗鬆症の治療の継続が必要となります。


 BKPの手術は認定資格が必要です。脊椎脊髄の専門医で、手術実習を受講し、試験に合格した医師のみが施行できます。当院は認定施設ですので骨粗鬆症性椎体骨折でお困りの患者さまは整形外科外来を受診してください。



(整形外科医長  田畑 聖吾)

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 【運動で骨粗鬆症を予防・治療しよう!】

骨粗鬆症に対する運動療法は主に骨密度の維持・増加や骨折を防ぐための転倒予防を目的として行われます。一般的に運動介入には骨折を抑制する効果があり、適切に運動を行うよう勧められています。

骨密度の維持や増加には、骨に力学的な負荷や衝撃が加わる運動が有効です。活発な身体活動や日常生活活動は脊椎椎体骨折や大腿骨近位部骨折をはじめとした骨粗鬆症性骨折のリスクを20~40%、最大で50%抑制する効果があります。特に女性の閉経後では歩行や太極拳等の軽い運動が腰椎骨密度を上昇させるといわれています。


転倒は大きな骨折機転となることがあり、その予防は非常に重要です。椅子から30秒間に10回立ち上がることが出来るか確認してみましょう。10回立ち上がることが出来なければあなたは転倒リスクが高いといえます。


転倒・骨折予防としてのロコモーショントレーニング(ロコトレ)はバランス動作である「片脚立ち」と下肢筋力運動である「スクワット」からなります。ただ、転倒しやすい高齢者の場合は十分な安全対策が必要ですので、片脚立ちの際は何かにつかまり、スクワットの別法として椅子から立ち上がるのもお勧めです。
運動は継続がとても大切です。自分が出来る回数から始めて、自から骨折を予防しましょう!


  日本整形外科学会

(リハビリテーション科理学療法士 林田  祐醍)


診療科の特色

<整形外科>

【診療内容と特色】

関節外科、脊椎外科、外傷外科の手術療法を中心に診療および臨床研究を行っています。当科では53種類のクリティカルパスを作成し、入院症例のほぼ全例に適用しています。また、地域連携クリティカルパスを連携施設と作成・活用し連携医療の質向上に努めています。

【診療実績】

平成29年度の整形外科手術件数1,133件の内訳をみると、疾患別では、骨折に対する骨接合術が半数以上を占めていますが、脊椎手術が164例、人工股関節置換術(THA)が97例(うち両側同時7例)、人工膝関節置換術(TKA+UKA)が67例(うち両側同時10例)、大腿骨人工骨頭置換術が139例です。平成29年度の整形外科新外来患者数は1,294名、入院患者数は1,218名で、平均在院日数は13.3日です。

【今後の目標・】

急性期病院の整形外科として、手術療法の更なる成績向上と低侵襲化を目指すと共に、地域連携クリティカルパスを充実し、術後リハビリテーション担当施設との連携医療の質向上を図っていきます。



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