【第210号】「リウマチ性多発筋痛症」、「ステロイド」って何? | くす通信 | 国立病院機構 熊本医療センター

【第210号】「リウマチ性多発筋痛症」、「ステロイド」って何?

くす通信

「リウマチ性多発筋痛症」、「ステロイド」って何?

【「リウマチ性多発筋痛症」】

 リウマチ性多発筋痛症とは、体の近い部位(首、肩、腕、太もも)の痛みやこわばり、発熱を来す病気です。50歳以上、特に60歳以上の方に多く発症します。関節リウマチとは別の病気で、関節が変形することはほとんどありません。原因不明の痛みや発熱で来院されるケースが多くあります。関節リウマチと同様に膠原病の一種ですが、薬物治療(後述)がよく効きます。


症状

 発症は、比較的急速(数日から数週間)で、発症日を特定できる場合もあります。首、肩、腕、腰、太ももの痛みが強く、「ある日、急に両腕が肩より上に挙げられなくなった」、「痛くて起き上がれない、着替えがしにくい、寝返りができない」という話を伺うことが多くあります。また、発熱や倦怠感といった全身症状を来すことも多く、「整形外科で五十肩と言われたけれど、熱もあるみたい」という話を伺うこともあります。


検査・診断

 血液検査で炎症所見を認めますが、それ以外の血液検査・画像検査では、直接診断をすることが難しく、同じような症状を起こす他の病気(感染症、関節リウマチなどの膠原病、悪性腫瘍)がないことを確認する必要があります。そのため、診察に加えて、血液検査、画像検査などを行い、総合的に診断していきます。


薬物治療

 少量の副腎皮質ステロイド(以下、ステロイド)が著効し、数日で筋肉痛が劇的に改善することが多くあります。初期治療で反応が見られた場合は、症状や炎症所見を参考に、薬の量を調整していきます。多くの場合、1~3年でステロイドを中止できますが、30~40%で再発が見られ、長期にわたってステロイドを必要とする場合もあります。治療中は、ステロイドによる副作用(消化性潰瘍、血糖上昇、骨粗鬆症など)にも十分注意する必要があります。

おわりに

 リウマチ性多発筋痛症は、少量のステロイドで良くなりますが、適切な診断・治療が必要です。体の近い部位の痛みやこわばり、発熱といった症状がありましたら、総合診療科外来を受診下さい。

(総合診療科医長 辻 隆宏)

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【「ステロイド」 って何?】

1. ステロイド って何?

 ステロイドとは、腎臓の傍にある副腎から作られる副腎皮質ホルモンの1つです。ステロイドのもつ効果には炎症を抑えたり、免疫力を調整したりする作用があり、さまざまな疾患の治療に使われています。


2. ステロイドはどのような病気の治療 に使われるの?

 関節リウマチなどの膠原病をはじめ、皮膚病、アレルギー疾患、腎臓病、気管支喘息、肺炎など炎症や免疫が関与するさまざまな病気の治療薬として使われています。ステロイドの製剤には全身作用を目的とした飲み薬や注射薬の他に、局所作用を目的とした吸入薬や塗り薬、点眼薬などがあり、疾患に応じて用いられます。


3. どのような副作用 があるの?

 軽微なものとして便秘、満月様顔貌、ニキビ様皮疹、また重度なものとして高血糖、消化性潰瘍、骨粗鬆症、白内障・緑内障などなどの副作用の他に、感染症にかかりやすくなることがあります。そのため、これらの症状に対処するためのお薬が必要に応じてステロイドと一緒に処方されます。

4. ステロイドを使うときに気を付けることは?

 長期間ステロイドを服用すると,副腎はステロイドをつくる力が弱くなってしまいます。この状態でステロイドを急にやめてしまうと、本来、副腎でつくられるはずのステロイドが欠乏するために、低血糖、急性循環不全、下痢、発熱、倦怠感などの副腎クリーゼと呼ばれる症状が起こる可能性があります。そのためステロイドをやめる時には、少しずつ量を減らしていく必要があります。

 大事なことは、副作用を恐れて自己判断でステロイドを減らしたり中止したりすると、かえって症状が悪化したり副作用が起こる場合があるため、医師の指示通りに適切に使用していくことです。
現在服用されているお薬に関してご不明な点がございましたら、医師もしくは薬剤師にお尋ね下さい。


(薬剤師 井上 勝光)


診療科の特色

<総合診療科>

 当科では、診療科の特定できない患者さまの診療を行っています。

  •  専門性にとらわれることなく総合的な見地からの的確な診断と治療を行い、専門治療が必要な場合はそれぞれの診療科へ紹介し、また場合によっては共同で診療しています。
  •  発熱、痛み、全身倦怠感などの症状、または複数の症状があり診療科を特定できない場合などが対象となります。
  •  膠原病、感染症、不明熱の診療を得意としています。
  •  月曜日から金曜日まで、毎日対応しています。
  •  病状が安定した場合や慢性疾患の場合は、紹介元や他院へ紹介させていだいておりますので、あらかじめご了承ください。


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